InfluxDBを超えた時系列データベース:最適なシステムを選ぶためのガイド

2024-07-03

時系列データのための強力なデータベースシステム: 概要と比較

TSDBは、時間軸に沿ってデータを格納し、高速なクエリ処理、圧縮、データ集計などの機能に特化しています。これにより、大量の時系列データを効率的に保存、分析することが可能になります。

時系列データベースの重要性

時系列データは、以下のような様々な分野で活用されています。

  • 金融市場分析: 株価や為替レートの変動を分析し、投資判断を行う
  • IoTデバイスの監視: センサーデータから異常を検知し、機器の故障を予防する
  • Webサイトの分析: ユーザーのアクセスログを分析し、サイトの改善につなげる
  • 科学研究: 気象データや実験結果などを分析し、新たな発見を導き出す

これらの分野において、膨大な時系列データをリアルタイムで処理し、必要な情報を迅速に抽出することが求められています。従来のリレーショナルデータベースでは、このような処理を効率的に行うことが困難です。

TSDBの主な機能

TSDBは、以下のような主要な機能を提供します。

  • 高速なデータ書き込みと読み出し: 大量のデータを高速で書き込み、必要なデータを迅速に読み出すことができます。
  • 高圧縮率: データを圧縮して保存することで、ストレージスペースを節約できます。
  • データ集計: 時間平均、合計値、最大値/最小値などの集計を効率的に行うことができます。
  • 時系列分析機能: データのトレンド分析や異常検知などの機能を提供します。
  • API: 様々なプログラミング言語から利用できるAPIを提供しています。

代表的なTSDBシステム

現在、様々なTSDBシステムが開発されています。代表的なシステムは以下の通りです。

  • InfluxDB: オープンソースのTSDBで、広く利用されています。
  • TimescaleDB: PostgreSQLを拡張したTSDBで、RDBMSとの互換性が高いのが特徴です。
  • Prometheus: モニタリング用途に特化したTSDBで、オープンソースで利用できます。
  • GridDB: 東芝が開発した国産のTSDBで、高性能とスケーラビリティに優れています。

選定のポイント

TSDBシステムを選択する際には、以下の点を考慮する必要があります。

  • データ量と処理速度: 処理するデータ量と必要な処理速度
  • 機能: 必要とする機能 (圧縮、データ集計、時系列分析など)
  • スケーラビリティ: データ量や処理速度の増加に対応できるかどうか
  • コスト: ライセンス費用や運用コスト
  • コミュニティ: ユーザーコミュニティの規模と活発さ

TSDBは、大量の時系列データを効率的に処理・分析するための強力なデータベースシステムです。様々なTSDBシステムが開発されており、それぞれ異なる機能と特徴を持っています。システムを選択する際には、上記のポイントを考慮し、要件に合致したものを選ぶことが重要です。

プログラミング例

以下のコードは、InfluxDBを使って時系列データを挿入、取得、分析する例です。

from influxdb import InfluxDBClient

# InfluxDBクライアントを作成
client = InfluxDBClient('localhost', 8086, 'user', 'password', 'mydb')

# データを挿入
data = [
    {
        "measurement": "cpu_usage",
        "tags": {
            "host": "server1"
        },
        "fields": {
            "value": 50.0
        },
        "timestamp": datetime.datetime.utcnow()
    },
    {
        "measurement": "memory_usage",
        "tags": {
            "host": "server1"
        },
        "fields": {
            "value": 70.0
        },
        "timestamp": datetime.datetime.utcnow()
    }
]
client.write_points(data)

# データを取得
query = 'SELECT * FROM cpu_usage, memory_usage WHERE time > NOW() - 1h'
results = client.query(query)

# データを分析
for result in results:
    print(result)

このコードはあくまでも一例であり、具体的な用途に合わせて書き換える必要があります。




from influxdb import InfluxDBClient

# InfluxDBクライアントを作成
client = InfluxDBClient('localhost', 8086, 'user', 'password', 'mydb')

# データを挿入
data = [
    {
        "measurement": "cpu_usage",
        "tags": {
            "host": "server1"
        },
        "fields": {
            "value": 50.0
        },
        "timestamp": datetime.datetime.utcnow()
    },
    {
        "measurement": "memory_usage",
        "tags": {
            "host": "server1"
        },
        "fields": {
            "value": 70.0
        },
        "timestamp": datetime.datetime.utcnow()
    }
]
client.write_points(data)

# データを取得
query = 'SELECT * FROM cpu_usage, memory_usage WHERE time > NOW() - 1h'
results = client.query(query)

# データを分析
for result in results:
    print(result)

InfluxDBクライアントの作成

from influxdb import InfluxDBClient

client = InfluxDBClient('localhost', 8086, 'user', 'password', 'mydb')

この部分は、InfluxDBクライアントを作成するコードです。

  • InfluxDBClient:InfluxDBクライアントクラス
  • localhost:InfluxDBサーバーのホスト名
  • 8086:InfluxDBサーバーのポート番号
  • user:InfluxDBユーザー名
  • password:InfluxDBユーザーパスワード
  • mydb:InfluxDBデータベース名

上記のコードを実行すると、InfluxDBサーバーに接続し、指定されたデータベースにアクセスできるクライアントオブジェクトが作成されます。

データの挿入

data = [
    {
        "measurement": "cpu_usage",
        "tags": {
            "host": "server1"
        },
        "fields": {
            "value": 50.0
        },
        "timestamp": datetime.datetime.utcnow()
    },
    {
        "measurement": "memory_usage",
        "tags": {
            "host": "server1"
        },
        "fields": {
            "value": 70.0
        },
        "timestamp": datetime.datetime.utcnow()
    }
]
client.write_points(data)
  • data:挿入するデータポイントのリスト
    • measurement:メトリック名
    • tags:タグ (オプション)
    • fields:フィールド
    • timestamp:タイムスタンプ
  • client.write_points(data):InfluxDBクライアントを使ってデータポイントを書き込む

上記のコードでは、CPU使用率とメモリ使用率の2つのデータポイントをInfluxDBに挿入します。各データポイントは、以下の情報を持っています。

  • measurementcpu_usage または memory_usage
  • tagshostserver1
  • fieldsvalue はそれぞれ 50.0 と 70.0
  • timestamp:現在時刻
query = 'SELECT * FROM cpu_usage, memory_usage WHERE time > NOW() - 1h'
results = client.query(query)
  • query:InfluxDBクエリ
  • results:クエリ結果

上記のコードでは、過去1時間分のCPU使用率とメモリ使用率を取得するクエリを実行します。

for result in results:
    print(result)

この部分は、取得したデータを分析するコードです。

    上記のコードでは、クエリ結果の各行をループで処理し、各行の内容を出力します。

    このサンプルコードは、InfluxDBを使って時系列データを扱う基本的な操作を示しています。具体的な用途に合わせて、コードを書き換える必要 があります。




    InfluxDB以外の時系列データベース

    以下、InfluxDB以外の代表的なTSDBと、それぞれの概要を紹介します。

    TimescaleDB

    • PostgreSQLを拡張したオープンソースのTSDB
    • RDBMSとの互換性が高く、SQLでクエリを実行できる
    • 高い圧縮率と高速なクエリ処理を実現
    • クラウドとオンプレミスでの利用が可能

    Prometheus

    • モニタリング用途に特化したオープンソースのTSDB
    • 軽量でシンプルな設計
    • 多くの監視ツールとの統合が容易
    • クラウドネイティブな環境での利用に適している

    OpenTSDB

    • オープンソースのTSDB
    • 高いスケーラビリティと柔軟性を備えている
    • 大規模なデータセットの処理に適している
    • 複雑な分析機能を提供

    VictoriaMetrics

    • Prometheus互換のオープンソースTSDB
    • 高いパフォーマンスとスケーラビリティを実現

    KairosDB

    • REST APIとHTTPインターフェースを提供
    • 柔軟なデータモデルとクエリ言語を備えている

    Graphite

    • 従来のモニタリングシステムからの移行に適している

    上記以外にも、様々なTSDBが開発されています。

      これらの点を比較検討し、要件に合致したTSDBを選択することが重要です。

      その他の選択肢

      上記以外にも、以下の選択肢も検討できます。

      • 既存のリレーショナルデータベース (RDBMS): PostgreSQLやMySQLなどのRDBMSは、時系列データの保存にも利用できます。ただし、TSDBに比べて処理速度や圧縮率が劣る場合があります。
      • NoSQLデータベース: MongoDBやCassandraなどのNoSQLデータベースも、時系列データの保存に利用できます。ただし、TSDBに比べてデータモデルやクエリ言語が異なる場合があります。
      • データ分析ツール: TableauやQlik Senseなどのデータ分析ツールは、時系列データの可視化や分析に特化した機能を提供しています。

      これらの選択肢も、状況によっては有効な選択肢となる場合があります。


      database performance time-series


      NoSQL データベースとハイブリッドデータベース:Eコマースプラットフォームにおけるその他の選択肢

      Eコマースプラットフォームを構築する際には、適切なデータベース設計を選択することが重要です。2つの主要な選択肢は、Entity Attribute Value (EAV) データベースと厳格なリレーショナルモデルです。それぞれのモデルには長所と短所があり、最適な選択肢は、特定のニーズと要件によって異なります。...


      pg_tablesテーブルで詳細情報を取得

      psqlコマンドは、PostgreSQLデータベースと対話するためのインタラクティブなツールです。以下のコマンドを実行することで、現在のデータベース内の全てのテーブルを一覧表示できます。オプションで、スキーマを指定してそのスキーマ内の全てのテーブルのみをリストすることもできます。...


      ステップバイステップガイド:MySQLで既存テーブルにユニークキーを追加する方法

      MySQLで既存のテーブルにユニークキーを追加することは、データの整合性を保ち、重複を防止するのに役立ちます。しかし、既存のテーブルにユニークキーを追加する場合、テーブルに非ユニークな行が存在する可能性があります。この場合、追加するユニークキーに違反する行を処理する必要があります。...


      データベース操作のヒント: PostgreSQL 関数で JSON データの二重引用符を駆除

      この問題を解決するには、JSON データから二重引用符を削除する必要があります。これには、いくつかの方法があります。PostgreSQL 9.5 以降には、json_strip_double_quotes 関数が導入されています。この関数は、JSON データからすべての二重引用符を削除します。...


      SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



      データ量、構造、パフォーマンス要件… これさえあれば完璧!階層データ保存方法の選び方

      親子関係テーブル最も単純な方法は、親子関係を表すテーブルを作成する方法です。このテーブルには、親ノードと子ノードのID、およびその他の属性を格納します。例:この例では、categoriesテーブルには、カテゴリID、名前、親カテゴリIDという3つの列があります。


      InfluxDB、Prometheus、TimescaleDB... あなたに最適な時系列データベースは?

      このデータを保存するには、主に2つの方法があります。リレーショナルデータベース従来のデータベース管理システム (DBMS) であり、テーブル形式でデータを管理します。各テーブルは、行と列で構成され、各行は一意のレコードを表します。利点構造化されたデータの管理に適している