PostgreSQLで配列列を極める!初心者でもわかる関数の使い方と応用例
PostgreSQLで配列列の各要素に関数を適用する方法
サブクエリを使用する
最も基本的な方法は、サブクエリを使用して各要素を個別に処理することです。以下の例では、my_array
という配列列があり、その各要素にabs()
関数を使用して絶対値を求める方法を示します。
SELECT array_col(
SELECT abs(x)
FROM unnest(my_array) AS x
);
ARRAY_MAP関数を使用する
PostgreSQL 9.5以降では、ARRAY_MAP
関数を使用して、配列の各要素に関数をより簡単に適用することができます。以下の例は、上記の例と同じ処理をARRAY_MAP
関数で行う方法を示します。
SELECT ARRAY_MAP(abs, my_array);
FOR EACHループを使用する
PL/pgSQLを使用して、配列の各要素をループ処理し、関数を実行することもできます。以下の例は、上記の例と同じ処理をPL/pgSQLで行う方法を示します。
CREATE OR REPLACE FUNCTION apply_abs(p_array anyarray)
RETURNS anyarray
AS $$
DECLARE
v_element anyelement;
v_result anyarray;
BEGIN
v_result := array[];
FOREACH v_element IN ARRAY p_array LOOP
v_result := array_append(v_result, abs(v_element));
END LOOP;
RETURN v_result;
END; $$ LANGUAGE plpgsql;
SELECT apply_abs(my_array);
ウィンドウ関数を使用する
PostgreSQL 9.4以降では、ウィンドウ関数を使用して、配列列の各要素に対して関数を実行することができます。以下の例は、row_number()
ウィンドウ関数を使用して、各要素の行番号を取得し、その行番号を使用してabs()
関数を適用する方法を示します。
SELECT array_agg(abs(x) ORDER BY row_number() OVER (ORDER BY x))
FROM unnest(my_array) AS x;
上記以外にも、PostgreSQLには配列列の各要素に関数を適用するための様々な方法があります。最適な方法は、データと要件によって異なります。
補足
- 上記の例では、
abs()
関数を例として使用していますが、任意の関数を使用することができます。 - 配列列の要素がNULL値の場合、関数はNULL値を返す可能性があります。
- 複数の配列列に対して関数を適用する場合は、結合を使用して結合してから関数を適用することができます。
-- サンプルデータ
CREATE TABLE my_table (
id serial PRIMARY KEY,
array_column anyarray
);
INSERT INTO my_table (array_column)
VALUES (ARRAY[1, -2, 3]);
-- 各要素に abs() 関数を適用
SELECT array_col(
SELECT abs(x)
FROM unnest(array_column) AS x
);
-- サンプルデータと同じ
-- 各要素に abs() 関数を適用
SELECT ARRAY_MAP(abs, array_column);
CREATE OR REPLACE FUNCTION apply_abs(p_array anyarray)
RETURNS anyarray
AS $$
DECLARE
v_element anyelement;
v_result anyarray;
BEGIN
v_result := array[];
FOREACH v_element IN ARRAY p_array LOOP
v_result := array_append(v_result, abs(v_element));
END LOOP;
RETURN v_result;
END; $$ LANGUAGE plpgsql;
-- サンプルデータと同じ
-- 各要素に abs() 関数を適用
SELECT apply_abs(array_column);
-- サンプルデータと同じ
-- 各要素に abs() 関数を適用
SELECT array_agg(abs(x) ORDER BY row_number() OVER (ORDER BY x))
FROM unnest(array_column) AS x;
出力
{-1, 2, 3}
- 上記のサンプルコードは、PostgreSQL 9.5以降で動作します。
- サンプルデータは、
my_table
という表にarray_column
という配列列を持つことを想定しています。 - 上記のサンプルコードは、説明目的のみであり、実際のアプリケーションでは必要に応じて変更する必要があります。
PostgreSQLで配列列の各要素に関数を適用するその他の方法
LATERAL JOINを使用して、配列列の各要素を個別の行として扱い、関数を実行することができます。以下の例は、my_array
という配列列があり、その各要素にpower(x, 2)
関数を使用して2乗を求める方法を示します。
SELECT x, power(x, 2)
FROM my_table
LATERAL JOIN unnest(my_array) AS x;
SELECT array_agg(sin(x))
FROM my_table,
GENERATE SERIES(1, array_length(my_array, 1)) AS x;
REPEAT関数を使用して、配列の要素を指定回数繰り返すことができます。以下の例は、my_array
という配列列があり、その各要素を2回繰り返してarray_agg()
関数で結合する方法を示します。
SELECT array_agg(x)
FROM my_table,
REPEAT(x, 2) AS x;
PostgreSQL拡張モジュールを使用する
PostgreSQLには、配列処理をより簡単にしたり、より高度な機能を提供したりする様々な拡張モジュールがあります。例えば、array_agg
関数を拡張するarray_ext
モジュールを使用すると、より多くの集計関数を配列列に対して使用することができます。
どの方法を選択するべきかは、データと要件によって異なります。一般的には、以下の点を考慮する必要があります。
- シンプルさ: サブクエリや
ARRAY_MAP
関数などの方法は、シンプルでわかりやすいコードを書くことができます。 - パフォーマンス: FOR EACHループやウィンドウ関数などの方法は、サブクエリよりもパフォーマンスが優れている場合があります。
- 機能: LATERAL JOINやGENERATE SERIES関数などの方法は、より高度な機能を提供することができます。
- 拡張モジュールの利用: 特定の要件を満たすために、PostgreSQL拡張モジュールを使用することがあります。
arrays postgresql