【保存版】PostgreSQLで数百万行のデータをIDで削除:パフォーマンスとメモリ使用量を最適化する
PostgreSQL で数百万行のデータを ID で削除する方法
DELETE 文を使用する
最も基本的な方法は、DELETE
文を使用する方法です。構文は以下の通りです。
DELETE FROM table_name
WHERE id IN (id1, id2, ..., idn);
この方法はシンプルで分かりやすいですが、数百万行のデータを削除する場合、処理速度が遅くなるという欠点があります。なぜなら、WHERE
句内のすべての ID を個別に検索する必要があるからです。
利点:
- シンプルで分かりやすい構文
- 少量のデータを削除する場合に適している
- 数百万行のデータを削除する場合、処理速度が遅くなる
- 大量のデータを削除する場合、メモリ不足などの問題が発生する可能性がある
適切な使用例:
- 数千行程度のデータを削除する場合
- 削除対象の ID が分かっている場合
IN
演算子を使用する方法も DELETE
文と似ていますが、処理速度が向上する場合があります。構文は以下の通りです。
DELETE FROM table_name
WHERE id = ANY(ARRAY[id1, id2, ..., idn]);
この方法は、IN
演算子を使用して ID のリストを直接比較するため、個別に検索するよりも効率的です。
DELETE
文よりも処理速度が速い
- ID のリストが長すぎると、逆に処理速度が遅くなる可能性がある
CTE(Common Table Expression)を使用する方法も、処理速度が向上する場合があります。構文は以下の通りです。
WITH temp_table AS (
SELECT id
FROM table_name
WHERE id IN (id1, id2, ..., idn)
)
DELETE FROM table_name
USING temp_table
WHERE table_name.id = temp_table.id;
この方法は、まず temp_table
という CTE に削除対象の ID を格納し、その後 USING
句を使用して temp_table
を参照しながら削除を実行します。
- 複雑な削除条件にも対応できる
- 処理速度が安定している
- 構文が複雑で分かりにくい
- CTE をサポートしていないデータベースもある
- 削除対象の ID を複雑な条件で絞り込む必要がある場合
バッチ処理を使用する
数百万行ものデータを一度に削除するのではなく、バッチ処理を使用して分割して削除する方法もあります。この方法は、データベースへの負荷を軽減し、処理時間を短縮することができます。
方法:
- 削除対象のデータを複数のバッチに分割する
- 各バッチに対して、上記の方法で削除を実行する
- データベースへの負荷を軽減できる
- 処理時間を短縮できる
- プログラミングが必要になる
- 処理状況を監視する必要がある
PostgreSQL 9.5 以降では、BULK DELETE
という機能が導入されました。これは、大量のデータを効率的に削除するための専用の機能です。構文は以下の通りです。
BULK DELETE FROM table_name
WHERE id IN (id1, id2, ..., idn);
この方法は、DELETE
文よりも高速で、かつメモリ使用量も少ないという利点があります。
- 高速で効率的に削除できる
- メモリ使用量が少ない
- PostgreSQL 9.5 以降でのみ使用可能
最適な方法を選択する
上記で紹介した方法はそれぞれ長所と短所があるため、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。
- データ量が少ない場合は、
DELETE
文を使用するのが簡単です。 - データ量が多い場合は、
IN
演算子、CTE
PostgreSQL で数百万行のデータを ID で削除するサンプルコード
DELETE 文を使用する
-- 削除対象の ID を `id1`, `id2`, ..., `idn` に置き換える
DELETE FROM table_name
WHERE id IN (1, 2, 3, 4, 5);
- このコードは、
table_name
テーブルからid
が 1, 2, 3, 4, 5 のレコードを削除します。 - 削除対象の ID は、
IN
句内のカンマ区切りのリストで指定します。
IN 演算子を使用する
-- 削除対象の ID を `id_array` に置き換える
DELETE FROM table_name
WHERE id = ANY(ARRAY[1, 2, 3, 4, 5]);
説明:
id_array
は、ID のリストを格納した配列です。
CTE を使用する
-- 削除対象の ID を `id_array` に置き換える
WITH temp_table AS (
SELECT id
FROM table_name
WHERE id = ANY(ARRAY[1, 2, 3, 4, 5])
)
DELETE FROM table_name
USING temp_table
WHERE table_name.id = temp_table.id;
バッチ処理を使用する
import psycopg2
# 接続情報
conn = psycopg2.connect(dbname="database_name", user="user_name", password="password")
cursor = conn.cursor()
# 削除対象の ID を `id_list` に格納する
id_list = [1, 2, 3, 4, 5, ...]
# バッチ処理のサイズ
batch_size = 10000
# バッチ処理を実行する
for i in range(0, len(id_list), batch_size):
batch_ids = id_list[i:i + batch_size]
# バッチ内の ID を `id_array` に置き換える
id_array = psycopg2.sql.ARRAY(batch_ids)
# DELETE 文を実行する
cursor.execute("""
DELETE FROM table_name
WHERE id = ANY(%s)
""", [id_array])
conn.commit()
# 接続を閉じる
conn.close()
- このコードは、Python を使用して数百万行のデータをバッチ処理で削除します。
- 削除対象の ID は
id_list
に格納します。 batch_size
は、バッチ処理のサイズを指定します。- コードは、
id_list
をbatch_size
ごとに分割し、それぞれのバッチに対してDELETE
文を実行します。
BULK DELETE を使用する
-- PostgreSQL 9.5 以降でのみ使用可能
BULK DELETE FROM table_name
WHERE id IN (1, 2, 3, 4, 5);
注意事項:
- 上記のコードはあくまでサンプルであり、状況に合わせて修正する必要があります。
- データベースの操作を行う前に、必ずバックアップを取っておいてください。
- 大量のデータを削除する場合は、パフォーマンスやメモリ使用量に注意する必要があります。
上記のサンプルコード以外にも、PostgreSQL には数百万行のデータを効率的に削除するための様々な機能が用意されています。詳細は PostgreSQL の公式ドキュメントを参照してください。
https://www.postgresql.org/docs/
排序と結合を使用する
この方法は、削除対象のデータをID順に並べ替え、隣接するIDをグループ化することで、削除処理を効率化します。具体的には、以下の手順で実行します。
- 削除対象のデータをID順に並べ替える
- 隣接するIDをグループ化し、グループごとに代表となるIDを抽出する
- 抽出したIDを使用して、削除を実行する
- 比較的シンプルな方法
- DELETE文よりも高速に処理できる場合がある
- 並べ替えと結合処理に時間がかかる場合がある
トリガーを使用する
この方法は、トリガーと呼ばれるプログラムを使用して、特定の条件が満たされたときに自動的に削除を実行する方法です。具体的には、以下の手順で実行します。
- 削除対象のデータを識別するためのトリガーを作成する
- トリガーが起動される条件を設定する
- トリガーが起動されたときに、DELETE文を実行する
- 特定の条件に基づいて自動的に削除を実行できる
- プログラムを記述する必要がない
- トリガーの設定や管理が複雑になる場合がある
- トリガーの実行によってパフォーマンスが低下する場合がある
pg_bulkloadを使用する
この方法は、専用のツールであるpg_bulkload
を使用して、データを高速にロードおよび削除する方法です。pg_bulkload
は、通常の方法よりも高速にデータを処理できるよう設計されています。
- 高速にデータをロードおよび削除できる
- 大量データを扱う場合に有効
pg_bulkload
は別途インストールする必要がある- コマンドラインインターフェースのみのツールであるため、使い方が複雑になる場合がある
- データ量が多い場合は、2.
IN
演算子を使用する 、3. CTE を使用する 、4. バッチ処理を使用する 、6. 排序と結合を使用する のような方法を検討する必要があります。 - 特定の条件に基づいて削除を実行する必要がある場合は、7. トリガーを使用する を検討することができます。
- 大量データを高速に処理する必要がある場合は、8. pg_bulkloadを使用する を検討することができます。
上記以外にも、PostgreSQLで数百万行のデータを効率的に削除するための様々なテクニックやツールが存在します。詳細は、PostgreSQLに関する書籍やブログ記事などを参照することをお勧めします。
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