楽観ロックと悲観ロックの徹底解説!それぞれのメリット・デメリットとサンプルコード

2024-04-05

楽観ロックと悲観ロック

楽観ロック

楽観ロックは、データ更新時に競合が発生しないことを前提として処理を進め、競合が発生した場合のみ処理をやり直す方法です。具体的には、以下のような方法があります。

  • バージョン管理: データ更新時にバージョン番号を更新し、更新前のバージョン番号と比較することで競合を検知します。

楽観ロックは、データへのアクセスを開放し、競合が発生した場合のみ処理をやり直すため、システム全体の処理速度が向上する傾向があります。しかし、競合が発生した場合、処理のやり直しが必要となるため、オーバーヘッドが発生する可能性があります。

  • レコードロック: 更新対象のレコードをロックすることで、他のユーザーからのアクセスを遮断します。

悲観ロックは、競合が発生する可能性を事前に排除するため、データの整合性を確実に保つことができます。しかし、データへのアクセスを制限するため、システム全体の処理速度が低下する傾向があります。

それぞれのメリットとデメリット

ロック方式メリットデメリット
楽観ロック処理速度が速い競合が発生した場合、処理のやり直しが必要
悲観ロックデータの整合性を確実に保てる処理速度が遅い

適切なロック方式は、システムの要件によって異なります。以下のような点を考慮する必要があります。

  • データへのアクセス頻度
  • 競合発生の可能性
  • 処理速度
  • データの整合性

まとめ

楽観ロックと悲観ロックは、それぞれ異なるメリットとデメリットを持つ排他制御の方式です。適切な方式を選択することで、システムの要件を満たすことができます。




Python

# 楽観ロック

def update_user(user_id, name, email):
  """
  ユーザー情報を更新する関数
  """
  user = User.query().filter(User.id == user_id).get()

  # バージョン番号を確認
  if user.version != version:
    raise ValueError("競合が発生しました")

  # ユーザー情報を更新
  user.name = name
  user.email = email
  user.version += 1
  user.put()

# 悲観ロック

def update_user(user_id, name, email):
  """
  ユーザー情報を更新する関数
  """
  user = User.query().filter(User.id == user_id).get()

  # レコードロックを取得
  with user.lock:
    # ユーザー情報を更新
    user.name = name
    user.email = email
    user.put()

Java

// 楽観ロック

public void updateUser(int userId, String name, String email) {
  // ユーザー情報取得
  User user = User.findById(userId);

  // バージョン番号を確認
  if (user.getVersion() != version) {
    throw new RuntimeException("競合が発生しました");
  }

  // ユーザー情報を更新
  user.setName(name);
  user.setEmail(email);
  user.setVersion(version + 1);
  user.save();

  // 悲観ロック

  public void updateUser(int userId, String name, String email) {
    // ユーザー情報取得
    User user = User.findById(userId);

    // レコードロック取得
    try (Lock lock = user.lock()) {
      // ユーザー情報を更新
      user.setName(name);
      user.setEmail(email);
      user.save();
    }
  }

JavaScript

// 楽観ロック

async function updateUser(userId, name, email) {
  // ユーザー情報取得
  const user = await User.findById(userId);

  // バージョン番号を確認
  if (user.version !== version) {
    throw new Error("競合が発生しました");
  }

  // ユーザー情報を更新
  user.name = name;
  user.email = email;
  user.version += 1;
  await user.save();

  // 悲観ロック

  async function updateUser(userId, name, email) {
    // ユーザー情報取得
    const user = await User.findById(userId);

    // レコードロック取得
    const lock = await user.lock();
    try {
      // ユーザー情報を更新
      user.name = name;
      user.email = email;
      await user.save();
    } finally {
      // ロック解除
      lock.unlock();
    }
  }

これらのサンプルコードはあくまでも参考例であり、実際のコードはシステムの要件に合わせて変更する必要があります。




楽観ロックと悲観ロック以外の排他制御の方法

マルチバージョンコンカレンシーコントロール (MVCC)

MVCCは、複数のトランザクションが同時に同じデータにアクセスできるようにする排他制御の方法です。トランザクションごとに異なるデータのバージョンを作成することで、競合を回避します。

タイムスタンプ順序付けは、トランザクションにタイムスタンプを付与し、そのタイムスタンプに基づいて処理順序を決定する方法です。これにより、競合が発生した場合でも、データの整合性を保つことができます。

リーダー/ライターロックは、複数のリーダーと1つのライターが同時にデータにアクセスできるようにする排他制御の方法です。リーダーはデータを読み取ることができますが、ライターはデータを読み書きすることができます。

リースベースのロックは、ロックの有効期限を設ける排他制御の方法です。ロックの有効期限が切れた場合、ロックは自動的に解除されます。

分散ロックは、複数のノードで構成されるシステムで排他制御を行う方法です。

データベース固有の排他制御

多くのデータベースは、独自排他制御機能を提供しています。

これらの方法はそれぞれ異なるメリットとデメリットがあり、システムの要件に合わせて選択する必要があります。


database transactions locking


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