SQL Server 2005 でのカスケード削除とは?
SQL Server 2005 では、参照整合性を維持するために、関連テーブル間でレコードを自動的に削除するカスケード削除機能が用意されています。
一般的に、カスケード削除は、親テーブルからレコードを削除すると、関連する子テーブルから参照しているレコードも自動的に削除されるように設定されます。
しかし、テーブルのプロパティでカスケード削除を明示的に設定しなくても、トリガーやストアド プロシージャを使用してカスケード削除を実装することは可能です。
トリガーを使用してカスケード削除を実装するには、以下の手順が必要です。
- 削除トリガーを作成する:
親テーブルの
DELETE
操作をトリガーするイベントを作成します。 - 子テーブルから関連レコードを削除する:
トリガー内で、
DELETE
ステートメントを使用して、削除された親レコードに関連する子レコードを削除します。
- ストアド プロシージャを作成する: 親レコードを削除し、関連する子レコードを削除するロジックをカプセル化するストアド プロシージャを作成します。
- アプリケーションからストアド プロシージャを呼び出す: アプリケーションからストアド プロシージャを呼び出して、親レコードと関連する子レコードを削除します。
注意事項
- トリガーまたはストアド プロシージャを使用してカスケード削除を実装する場合は、参照整合性の問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。
- 複雑なデータモデルの場合、トリガーまたはストアド プロシージャを使用したカスケード削除の管理が難しくなる場合があります。
- カスケード削除を使用する前に、データベースのバックアップを取ることをお勧めします。
SQL Server 2005 でカスケード削除を実行するサンプルコード
CREATE TRIGGER delete_cascade_order_details
ON Orders
FOR DELETE
AS
BEGIN
DELETE FROM OrderDetails
WHERE OrderID = DELETED.OrderID;
END;
説明:
- このトリガーは
Orders
テーブルのDELETE
操作をトリガーします。 - トリガー内で、
DELETE
ステートメントを使用して、削除されたOrders
レコードに関連するOrderDetails
レコードを削除します。
ストアド プロシージャを使用したカスケード削除
CREATE PROCEDURE delete_order_with_cascade
@OrderID INT
AS
BEGIN
DELETE FROM Orders
WHERE OrderID = @OrderID;
DELETE FROM OrderDetails
WHERE OrderID = @OrderID;
END;
- このストアド プロシージャは
OrderID
パラメータを受け取ります。
これらのコード例は、SQL Server 2005 でカスケード削除を実装する方法を示すほんの一例です。
SQL Server 2005 でカスケード削除を実行するその他の方法
SQL Server 2005 では、ON DELETE CASCADE
句を使用して、テーブル間に参照整合性制約を作成することで、カスケード削除を定義できます。
例:
CREATE TABLE Orders (
OrderID INT PRIMARY KEY,
CustomerName NVARCHAR(50) NOT NULL
);
CREATE TABLE OrderDetails (
OrderID INT NOT NULL,
ProductID INT NOT NULL,
Quantity INT NOT NULL,
FOREIGN KEY (OrderID) REFERENCES Orders(OrderID) ON DELETE CASCADE
);
- この例では、
Orders
テーブルとOrderDetails
テーブル間にFOREIGN KEY
制約が作成されています。 ON DELETE CASCADE
句は、Orders
テーブルからレコードが削除されると、OrderDetails
テーブルから関連するレコードも自動的に削除されることを指定します。
注意:
- 既存のテーブルに
ON DELETE CASCADE
句を適用することはできません。
補足
DELETE
トリガーとON DELETE CASCADE
制約は、どちらもカスケード削除を実装するために使用できますが、それぞれ異なる利点と欠点があります。DELETE
トリガーを使用すると、よりきめ細かい制御が可能になりますが、複雑になる可能性もあります。ON DELETE CASCADE
制約は、よりシンプルで使いやすいですが、すべての状況に適しているわけではありません。
sql-server sql-server-2005 cascade