SQL Serverの文字列連結・集計をマスターしよう!サンプルコード付きでわかりやすく解説
SQL Server で文字列を連結・集計する最適な方法
文字列の連結
プラス演算子 (+)
最も単純な方法は、プラス演算子 (+
) を使用する方法です。
SELECT
CONCAT(column1, column2, column3) AS combined_column
FROM your_table;
この方法はシンプルで分かりやすいですが、以下の点に注意が必要です。
- 連結する文字列の数が 少ない場合 に適しています。
- 連結する文字列の データ型 が一致している必要があります。
- NULL 値を含む列を連結する場合、結果が NULL になる可能性があります。
STUFF 関数
STUFF 関数は、文字列の一部を別の文字列で置き換えるために使用できますが、連結にも利用できます。
SELECT
STUFF((SELECT column1 FROM your_table FOR XML PATH(''), TYPE), 1, 0, column2 + ',' + column3) AS combined_column
FROM your_table;
この方法は、プラス演算子よりも柔軟性が高く、以下の利点があります。
- 連結する文字列の 数に制限はありません。
- 連結する文字列の データ型 が異なっていても** 処理できます。
- NULL 値を含む列を連結しても、結果が NULL になりません。
ただし、STUFF 関数はプラス演算子よりも 処理速度が遅い という欠点があります。
FOR XML PATH 関数
FOR XML PATH 関数は、XML 形式でデータを表現するために使用できますが、文字列の連結にも利用できます。
SELECT
(SELECT column1, column2, column3 FOR XML PATH(''), TYPE) AS combined_column
FROM your_table;
この方法は、STUFF 関数と同様に、以下の利点があります。
また、FOR XML PATH 関数は、STUFF 関数よりも 処理速度が速い という利点もあります。
文字列の集計
GROUP BY 句
GROUP BY 句を使用して、グループごとに文字列を集計することができます。
SELECT
group_column,
MAX(column1) AS max_column1,
MIN(column2) AS min_column2,
SUM(column3) AS sum_column3
FROM your_table
GROUP BY group_column;
この方法は、グループごとに 最大値、最小値、合計値 などの集計値を取得するのに適しています。
STRING_AGG 関数
SQL Server 2016 以降では、STRING_AGG 関数を使用して、グループごとに文字列を連結することができます。
SELECT
group_column,
STRING_AGG(column1, ',') AS combined_column1
FROM your_table
GROUP BY group_column;
この関数は、GROUP BY 句と組み合わせて使用することで、グループごとに文字列を連結した結果を取得することができます。また、区切り文字を自由に指定できるという利点もあります。
状況ごとの最適な方法
上記の方法はそれぞれ利点と欠点があるため、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。
- 連結する文字列の数が少ない かつ データ型が一致している 場合は、プラス演算子 (
+
) を使用するのが最もシンプルです。 - 連結する文字列の数が多い かつ データ型が異なる 場合、または NULL 値を含む列 を連結する場合は、STUFF 関数または FOR XML PATH 関数を使用します。
- グループごとに文字列を集計し、最大値、最小値、合計値 などの集計値を取得する場合は、GROUP BY 句を使用します。
- グループごとに文字列を連結した結果を取得する場合は、SQL Server 2016 以降 で STRING_AGG 関数を使用します。
- 処理するデータ量が多い場合は、パフォーマンス
-- 各レコードの氏名と名前にスペースを挿入して連結する
SELECT
FirstName + ' ' + LastName AS FullName
FROM Customers;
-- 各注文の注文明細行をカンマ区切りで連結する
SELECT
STUFF((
SELECT OrderDetails.ProductID, OrderDetails.Quantity
FROM OrderDetails
WHERE OrderDetails.OrderID = Orders.OrderID
FOR XML PATH(''), TYPE
), 1, 0, '合計金額: ' + CONVERT(VARCHAR(10), SUM(OrderDetails.UnitPrice * OrderDetails.Quantity))) AS OrderDetails
FROM Orders;
-- 各部署の所属社員を XML 形式で連結する
SELECT
DepartmentID,
(
SELECT EmployeeID, FirstName, LastName
FROM Employees
WHERE DepartmentID = Departments.DepartmentID
FOR XML PATH(''), TYPE
) AS Employees
FROM Departments;
-- 各カテゴリの製品数を集計する
SELECT
CategoryID,
COUNT(*) AS ProductCount
FROM Products
GROUP BY CategoryID;
-- 各顧客の注文IDをカンマ区切りで連結する
SELECT
CustomerID,
STRING_AGG(OrderID, ',') AS OrderIDs
FROM Orders
GROUP BY CustomerID;
- 連結演算子 (
||
):プラス演算子 (+
) と同様に文字列を連結できますが、NULL 値を空文字 (''
) に置き換えるという利点があります。
SELECT
column1 || column2 || column3 AS combined_column
FROM your_table;
- CONVERT 関数:文字列を別のデータ型に変換してから連結することができます。データ型の変換が必要な場合に役立ちます。
SELECT
CONVERT(VARCHAR(MAX), column1) + CONVERT(VARCHAR(MAX), column2) + CONVERT(VARCHAR(MAX), column3) AS combined_column
FROM your_table;
- SUBSTRING 関数:部分文字列を抽出して連結することができます。連結する文字列の一部のみが必要な場合に役立ちます。
SELECT
SUBSTRING(column1, 1, LEN(column1) - 1) + SUBSTRING(column2, 2, LEN(column2) - 1) + SUBSTRING(column3, 3) AS combined_column
FROM your_table;
- CASE 式:条件に応じて異なる文字列を連結することができます。グループごとに異なる集計結果を取得する場合に役立ちます。
SELECT
group_column,
CASE
WHEN COUNT(DISTINCT column1) > 1 THEN '複数の値があります'
ELSE MAX(column1)
END AS max_column1
FROM your_table
GROUP BY group_column;
- MIN/MAX 関数:グループごとの最小値・最大値だけでなく、対応する文字列も取得することができます。
SELECT
group_column,
MIN(column1) AS min_column1,
(
SELECT column1
FROM your_table
WHERE group_column = MIN(group_column)
ORDER BY column1 LIMIT 1
) AS min_column1_text,
MAX(column1) AS max_column1,
(
SELECT column1
FROM your_table
WHERE group_column = MAX(group_column)
ORDER BY column1 DESC LIMIT 1
) AS max_column1_text
FROM your_table
GROUP BY group_column;
- XML PATH 式:集計結果を XML 形式で出力することができます。柔軟な結果表現が必要な場合に役立ちます。
SELECT
group_column,
(
SELECT column1, column2, column3
FOR XML PATH(''), TYPE
) AS aggregated_data
FROM your_table
GROUP BY group_column;
これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。状況に合わせて最適な方法を選択してください。
- 複雑な集計や連結を行う場合は、共通表式 (CTE) や一時テーブルを使用すると効率的に処理できる場合があります。
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