MariaDBで「LOAD DATA INFILE ... SET column = NULLIF(column, 'NULL')」エラーが発生時の対処法

2024-04-10

MariaDB で発生する "LOAD DATA INFILE ... SET column = NULLIF(column, 'NULL')" エラーの詳細解説

MariaDB で LOAD DATA INFILE を使用して CSV ファイルをインポートする際、SET column = NULLIF(column, 'NULL') を用いて "NULL" 文字列を実際の NULL 値に変換しようとすると、誤った値が挿入される場合があります。

原因

この問題は、LOAD DATA INFILENULLIF 関数の動作の違いによるものです。

  • LOAD DATA INFILE は、CSV ファイルの各列データをデータベースの対応する列に挿入します。
  • NULLIF 関数は、2つの値を比較し、一致する場合に NULL 値を返し、一致しない場合は最初の値を返します。

問題のメカニズム

  1. CSV ファイルに "NULL" 文字列を含む列があるとします。
  2. その後、SET column = NULLIF(column, 'NULL') が実行されます。
  3. NULLIF 関数は、列の値と "NULL" 文字列を比較します。
  4. 文字列比較では、"NULL" 文字列は空文字列と等価とみなされます。
  5. そのため、NULLIF 関数は常に NULL 値を返します。
  6. 結果として、データベースの列には本来想定されていた NULL 値ではなく、空文字列が挿入されます。

解決策

この問題を解決するには、以下の方法があります。

方法1: LOAD DATA INFILE の IGNORE 1 LINES オプションを使用する

このオプションは、CSV ファイルの最初の行をスキップします。最初の行にヘッダー情報が含まれている場合、このオプションを使用してヘッダー行を無視することで、"NULL" 文字列を含む列の問題を回避できます。

LOAD DATA INFILE 'file.csv'
INTO TABLE table_name
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
IGNORE 1 LINES;

方法2: LOAD DATA INFILE の FIELDS TERMINATED BY オプションと LINES TERMINATED BY オプションを適切に設定する

CSV ファイルの区切り文字と改行文字が適切に設定されていない場合、"NULL" 文字列が誤って解釈される可能性があります。区切り文字と改行文字を正しく設定することで、この問題を回避できます。

LOAD DATA INFILE 'file.csv'
INTO TABLE table_name
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
(column1, column2, ...);

方法3: LOAD DATA INFILE 後に UPDATE ステートメントを使用する

LOAD DATA INFILE でデータをインポートした後、UPDATE ステートメントを使用して "NULL" 文字列を含む列を更新することができます。

LOAD DATA INFILE 'file.csv'
INTO TABLE table_name
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
(column1, column2, ...);

UPDATE table_name
SET column = NULL
WHERE column = 'NULL';

方法4: LOAD DATA LOCAL INFILE を使用する

LOAD DATA LOCAL INFILE は、クライアントマシン上のファイルからデータをインポートするものです。この方法を使用することで、サーバー側で NULLIF 関数を実行する必要がなくなり、問題を回避できます。

LOAD DATA LOCAL INFILE '/path/to/file.csv'
INTO TABLE table_name
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
(column1, column2, ...);

補足

  • 上記の解決策は、MariaDB 10.2 以降で動作します。
  • MariaDB 10.1 以前を使用している場合は、LOAD DATA INFILENULLIF 関数を使用する代わりに、別の方法で CSV ファイルをインポートする必要があります。



-- テーブルの作成
CREATE TABLE table_name (
  column1 INT,
  column2 VARCHAR(255),
  column3 DATE
);

-- CSV ファイルの内容
1, "John Doe", "2023-01-01"
2, "Jane Doe", NULL
3, "NULL", "2023-03-08"

-- データのインポート
LOAD DATA INFILE 'file.csv'
INTO TABLE table_name
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
(column1, column2, column3)
SET column2 = NULLIF(column2, 'NULL'),
column3 = NULLIF(column3, 'NULL');

-- 結果の確認
SELECT * FROM table_name;

このコードを実行すると、以下の結果が得られます。

column1 | column2 | column3
------- | -------- | --------
1       | John Doe | 2023-01-01
2       | Jane Doe | NULL
3       | NULL     | 2023-03-08

注意事項

  • 上記のコードは、サンプルコードであり、実際の環境に合わせて変更する必要があります。
  • CSV ファイルのデータ形式とデータベースのテーブル構造が一致していることを確認してください。
  • LOAD DATA INFILE を実行する前に、データベースに十分な権限があることを確認してください。



MariaDB で "LOAD DATA INFILE ... SET column = NULLIF(column, 'NULL')" エラーを回避するその他の方法

CSV ファイルの列に "NULL" 文字列が含まれている場合、FIELDS ENCLOSED BY オプションを使用して、その文字列を囲むように指定できます。これにより、LOAD DATA INFILE が "NULL" 文字列を区切り文字と誤って解釈するのを防ぐことができます。

LOAD DATA INFILE 'file.csv'
INTO TABLE table_name
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
FIELDS ENCLOSED BY '"'
(column1, column2, ...);

LOAD DATA INFILE でデータをインポートした後、ALTER TABLE ステートメントを使用して、column 列のデータ型を VARCHAR から NULL に変更することができます。

LOAD DATA INFILE 'file.csv'
INTO TABLE table_name
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
(column1, column2, ...);

ALTER TABLE table_name
ALTER column VARCHAR(255) NULL;

方法7: CSV ファイルを編集する

CSV ファイルを編集し、"NULL" 文字列を空文字列 "" に置き換えることができます。

方法8: 別のデータインポートツールを使用する

LOAD DATA INFILE 以外にも、CSV ファイルを MariaDB にインポートするためのツールは多数存在します。別のツールを使用することで、問題を回避できる可能性があります。

  • 上記の方法を選択する前に、各方法のメリットとデメリットを比較検討する必要があります。
  • 使用する方法は、環境や状況によって異なります。

mariadb


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