MariaDBで異なる一時テーブルを作成する際のエラー「Error Code: 1054. Unknown column 'schema.table.col' in 'field list'」の解決策

2024-04-02

MariaDBで同じセッション内で異なる一時テーブルを作成しようとすると、「Error Code: 1054. Unknown column 'schema.table.col' in 'field list'」というエラーが発生する可能性があります。これは、後から作成した一時テーブルが、前に作成された一時テーブルと同じ名前の列を持っている場合に発生します。

原因

MariaDBは、一時テーブルをセッション内で共有します。そのため、同じセッション内で異なる名前の一時テーブルを作成しても、実際には同じメモリ領域に作成されます。後から作成した一時テーブルが、前に作成された一時テーブルと同じ名前の列を持っている場合、MariaDBはどちらの列を参照しているのか分からなくなり、エラーが発生します。

解決策

このエラーを解決するには、以下の方法があります。

  1. 後から作成する一時テーブルの列名を変更する

後から作成する一時テーブルの列名を、前に作成された一時テーブルとは異なる名前に変更することで、エラーを回避できます。

  1. DROP TEMPORARY TABLE を使用して前に作成された一時テーブルを削除する

前に作成された一時テーブルを DROP TEMPORARY TABLE ステートメントを使用して削除してから、後から作成する一時テーブルを作成することで、エラーを回避できます。

  1. SET SESSION TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ UNCOMMITTED を使用する

SET SESSION TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ UNCOMMITTED ステートメントを使用して、トランザクション分離レベルを READ UNCOMMITTED に設定することで、エラーを回避できます。ただし、この方法はデータの整合性を損なう可能性があるため、注意が必要です。

以下の例は、異なる名前の一時テーブルを作成する方法を示しています。

-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 2番目のテーブル (列名が異なる)
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  age INT
);

-- 3番目のテーブル (列名が重複)
CREATE TEMPORARY TABLE t3 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- エラーが発生
ERROR 1054 (42S22): Unknown column 't3.name' in 'field list'

以下の例は、DROP TEMPORARY TABLE を使用して前に作成された一時テーブルを削除してから、後から作成する一時テーブルを作成する方法を示しています。

-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 最初のテーブルを削除
DROP TEMPORARY TABLE t1;

-- 2番目のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  age INT
);
-- トランザクション分離レベルを READ UNCOMMITTED に設定
SET SESSION TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ UNCOMMITTED;

-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 2番目のテーブル (列名が重複)
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);



-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 2番目のテーブル (列名が異なる)
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  age INT
);

-- 3番目のテーブル (列名が重複)
CREATE TEMPORARY TABLE t3 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- エラーが発生
ERROR 1054 (42S22): Unknown column 't3.name' in 'field list'

-- 最初のテーブルを削除
DROP TEMPORARY TABLE t1;

-- 2番目のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  age INT
);

-- トランザクション分離レベルを READ UNCOMMITTED に設定
SET SESSION TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ UNCOMMITTED;

-- 3番目のテーブル (列名が重複)
CREATE TEMPORARY TABLE t3 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

このコードを実行すると、以下の結果になります。

-- 最初のテーブルが作成されます。

-- 2番目のテーブルが作成されます。

-- 3番目のテーブルの作成時にエラーが発生します。

-- 最初のテーブルが削除されます。

-- 4番目のテーブルが作成されます。

注意

このサンプルコードは、エラーの発生原因と解決策を理解するためのものです。実際の開発環境では、必要に応じてコードを変更してください。




異なる一時テーブルを作成する他の方法

スキーマ名を指定する

MariaDBでは、スキーマ名を指定して一時テーブルを作成することができます。スキーマ名を指定することで、異なるスキーマに同じ名前の一時テーブルを作成することができます。

-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE schema1.t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 2番目のテーブル (異なるスキーマ)
CREATE TEMPORARY TABLE schema2.t1 (
  id INT,
  age INT
);

一時テーブルの名前をセッションIDで一意にする

MariaDBでは、セッションIDを使用して一時テーブルの名前を一意にすることができます。

-- セッションIDを取得
SELECT @@session_id;

-- セッションIDを使用して一時テーブルの名前を作成
CREATE TEMPORARY TABLE t_`@@session_id` (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

一時テーブルを作成する前に SET @@global.tmp_table_size を使用する

MariaDBでは、SET @@global.tmp_table_size を使用して、一時テーブルの最大サイズを設定することができます。

-- 一時テーブルの最大サイズを設定
SET @@global.tmp_table_size = 1024000;

-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 2番目のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  age INT
);

MariaDBでは、SET SESSION sql_mode='NO_AUTO_CREATE_USER' を使用して、自動的に作成されるユーザーを無効にすることができます。

-- 自動的に作成されるユーザーを無効にする
SET SESSION sql_mode='NO_AUTO_CREATE_USER';

-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 2番目のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  age INT
);
-- セッションあたりの一時テーブルの最大サイズを設定
SET SESSION tmp_table_size=1024000;

-- 最初のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t1 (
  id INT,
  name VARCHAR(255)
);

-- 2番目のテーブル
CREATE TEMPORARY TABLE t2 (
  id INT,
  age INT
);

mariadb


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