LINQ to Entities でのストアドプロシージャと ExecuteSqlCommand の使い分け
C# で LINQ to Entities を使った大量削除
シナリオ
在庫管理システムを想像してみてください。古い在庫データを削除して、ストレージ領域を節約したい場合があります。この場合、LINQ to Entities を使用して、該当する条件に一致するすべてのレコードを一度に削除することができます。
方法
以下の2つの主要な方法があります。
Where 句と Delete メソッド
Where
句を使用して、削除対象となるレコードを条件で絞り込みます。Delete
メソッドを使用して、抽出されたレコードを削除します。
using (var context = new MyDbContext())
{
// 2023年以前の在庫レコードを削除
var oldRecords = context.Products
.Where(p => p.DateStocked < new DateTime(2023, 1, 1))
.ToList();
context.Products.RemoveRange(oldRecords);
context.SaveChanges();
}
ForEach ループと Delete メソッド
- 削除対象となるレコードをループで処理します。
- 各レコードに対して
Delete
メソッドを呼び出し、削除します。
using (var context = new MyDbContext())
{
// 数量が0の在庫レコードを削除
foreach (var product in context.Products.Where(p => p.Quantity == 0))
{
context.Products.Remove(product);
}
context.SaveChanges();
}
注意点
- 大量データを削除する前に、必ずバックアップを取ってください。
- 削除対象となるレコードの関連性などを考慮し、誤削除に注意してください。
SaveChanges
メソッドを呼び出す前に、削除操作を取り消せるように、トランザクションを使用することを検討してください。
上記以外にも、パフォーマンスや状況に応じて様々な方法が考えられます。最適な方法は、具体的なデータ量やデータベース環境によって異なる場合があります。
サンプルコード:在庫管理システムにおける古い在庫レコードの削除
前提条件
- Visual Studio 2022 以降
- .NET 6 以降
- Entity Framework Core
- サンプルデータベース (Northwind データベースなど)
手順
- プロジェクトを作成し、Entity Framework Core および必要な NuGet パッケージをインストールします。
- サンプルデータベースへの接続を確立します。
- 以下のコードを
Program.cs
ファイルに追加します。
using System;
using System.Linq;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;
namespace BulkDeleteExample
{
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
// データベースへの接続を確立
using (var context = new NorthwindContext())
{
// 2023年1月1日以前の在庫レコードを削除
var oldRecords = context.Products
.Where(p => p.DiscontinuedDate < new DateTime(2023, 1, 1))
.ToList();
// レコードを削除
context.Products.RemoveRange(oldRecords);
// 変更を保存
context.SaveChanges();
Console.WriteLine("古い在庫レコードを削除しました。");
}
}
}
}
- プロジェクトを実行します。
コード解説
using
ステートメントを使用して、必要なライブラリをインポートします。Where
句を使用して、削除対象となるレコードを条件で絞り込みます。ここでは、DiscontinuedDate
が 2023年1月1日以前のレコードを抽出します。RemoveRange
メソッドを使用して、リスト内のすべてのレコードをデータベースから削除します。SaveChanges
メソッドを呼び出して、変更をデータベースに保存します。
補足
- このコードはあくまでも例であり、実際の状況に合わせて変更する必要があります。
- 大量のデータを削除する場合は、パフォーマンス上の理由から、バッチ処理などの手法を検討する必要があります。
C# で LINQ to Entities を使った大量削除:その他の方法
ストアドプロシージャの使用
- 複雑な削除条件やパフォーマンスが重要な場合は、ストアドプロシージャを使用する方法があります。
- ストアドプロシージャは、データベースサーバー側で実行されるため、クライアント側の処理負荷を軽減できます。
using (var context = new MyDbContext())
{
// ストアドプロシージャを実行
context.Database.ExecuteSqlCommand("sp_DeleteOldProducts @cutoffDate = {0}", new SqlParameter("@cutoffDate", new DateTime(2023, 1, 1)));
}
ExecuteSqlCommand メソッドの使用
- より柔軟な制御が必要な場合は、
ExecuteSqlCommand
メソッドを使用して、SQL クエリを直接実行する方法があります。 - ただし、LINQ to Entities の利点である型安全性やパフォーマンスの最適化が失われる可能性があることに注意が必要です。
using (var context = new MyDbContext())
{
// SQLクエリを実行
context.Database.ExecuteSqlCommand("DELETE FROM Products WHERE DiscontinuedDate < @cutoffDate", new SqlParameter("@cutoffDate", new DateTime(2023, 1, 1)));
}
バッチ処理
- 非常に大量のデータを削除する場合は、一度に処理するデータ量を制限して、バッチ処理を行う方法があります。
- これは、メモリ使用量やデータベースへの負荷を軽減するのに役立ちます。
using (var context = new MyDbContext())
{
const int batchSize = 1000;
// 削除対象となるレコードをバッチごとに処理
foreach (var batch in context.Products.Where(p => p.DiscontinuedDate < new DateTime(2023, 1, 1)).AsEnumerable().Batch(batchSize))
{
context.Products.RemoveRange(batch);
context.SaveChanges();
}
}
非同期処理
- 長時間実行される可能性がある削除処理は、非同期で実行することで、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
using (var context = new MyDbContext())
{
// 非同期で削除処理を実行
await context.Products
.Where(p => p.DiscontinuedDate < new DateTime(2023, 1, 1))
.DeleteAsync();
}
- 上記の方法を使用する場合は、それぞれの特性と制限事項を理解した上で、適切な方法を選択してください。
- データの整合性やパフォーマンスを考慮し、必要に応じてトランザクションを使用してください。
LINQ to Entities には、大量データを効率的に削除するための様々な方法があります。
状況に応じて適切な方法を選択することで、パフォーマンスとデータ整合性のバランスを保つことができます。
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