PostgreSQLバックアップの完全ガイド:フルバックアップ、増分バックアップ、WALバックアップ、pg_rmanを比較

2024-06-09

PostgreSQLの増分バックアップ:最適な方法とは?

完全バックアップは、データベースのすべてのデータを単一のファイルにバックアップします。この方法はシンプルで確実ですが、データ量が多い場合、バックアップとリストアの時間が長くなります。

増分バックアップは、前回の完全バックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップします。この方法は、完全バックアップよりも時間が短く済みますが、完全バックアップと増分バックアップを組み合わせて使用する必要があります。

PostgreSQLの増分バックアップには、以下の3つの方法があります。

  1. WALバックアップ: PostgreSQLは、Write-Ahead Logging(WAL)と呼ばれる方法を使用して、すべての変更をログファイルに記録します。WALバックアップは、前回のバックアップ以降のWALファイルをすべてコピーすることで実行できます。この方法は、最も高速な増分バックアップ方法ですが、WALログが破損している場合はリストアできないという欠点があります。
  2. 差分バックアップ: 差分バックアップは、pg_dumpコマンドを使用して前回の完全バックアップ以降に変更されたデータベースオブジェクトのSQLスクリプトを作成することで実行できます。この方法は、WALバックアップよりも復元が容易ですが、スクリプトの適用に時間がかかる場合があります。
  3. pg_rman: pg_rmanは、PostgreSQLに付属のバックアップおよびリカバリツールです。pg_rmanは、WALバックアップ、差分バックアップ、および完全バックアップを含む、さまざまな種類のバックアップをサポートしています。pg_rmanは、他の方法よりも複雑ですが、最も強力で柔軟な増分バックアップソリューションです。

最適な増分バックアップ方法は、ワークロードの要件によって異なります。

  • データベースの変更が頻繁に行われる場合は、WALバックアップが最適な選択肢です。
  • データの復元にかかる時間を短縮する必要がある場合は、差分バックアップが最適な選択肢です。
  • 最も強力で柔軟なソリューションが必要な場合は、pg_rmanが最適な選択肢です。

以下の表は、それぞれの方法の利点と欠点の要約です。

方法利点欠点
WALバックアップ最も高速WALログが破損している場合はリストアできない
差分バックアップ比較的復元が容易スクリプトの適用に時間がかかる場合がある
pg_rman最も強力で柔軟複雑

その他の考慮事項

  • バックアップの頻度: データベースの変更頻度に応じて、バックアップの頻度を設定する必要があります。
  • バックアップの場所: バックアップは、オフサイトの場所に保存する必要があります。
  • 復元方法: バックアップから復元する方法をテストしておく必要があります。



PostgreSQL の増分バックアップ - サンプルコード

WAL バックアップ

以下のコマンドは、前回の完全バックアップ以降のすべての WAL ファイルをバックアップします。

pg_waldump database_name > backup.wal

このコマンドを実行するには、pg_waldump ツールがインストールされている必要があります。このツールは、PostgreSQL の配布物に含まれています。

差分バックアップ

以下のコマンドは、前回の完全バックアップ以降に変更されたデータベースオブジェクトの SQL スクリプトを生成します。

pg_dump -c -O incremental --schema-only database_name > backup.sql

pg_rman は、さまざまな種類のバックアップを実行できる包括的なバックアップおよびリカバリ ツールです。以下のコマンドは、前回の完全バックアップ以降に変更されたデータのみをバックアップします。

pg_rman backup incremental database_name

このコマンドを実行するには、pg_rman がインストールされている必要があります。pg_rman は、PostgreSQL の配布物に含まれていませんが、pg_rman の Web サイト からダウンロードできます。

復元

WAL バックアップ、差分バックアップ、または pg_rman バックアップから復元するには、適切な復元コマンドを使用する必要があります。詳細については、PostgreSQL のドキュメントを参照してください。

注意事項

これらは単なるサンプル コードであり、ワークロードに合わせて調整する必要がある場合があります。また、バックアップを実行する前に、必ずデータベースをシャットダウンしていることを確認してください。




クラウドベースのバックアップサービスは、PostgreSQLの増分バックアップを自動的に実行し、オフサイトでデータを保存する簡単な方法を提供します。多くのホスティングプロバイダは、Amazon Relational Database Service (RDS) や Google Cloud SQL などのクラウドベースの PostgreSQL インスタンス用のバックアップサービスを提供しています。

利点:

  • セットアップと管理が簡単
  • オフサイトでのデータ保護
  • 自動化されたバックアップと復元
  • ベンダーロックイン
  • 追加コスト

論理レプリケーションは、データベースの変更を複製サーバーにリアルタイムで伝搬する技術です。論理レプリケーションを使用して、増分バックアップとして機能する複製サーバーのスナップショットを作成できます。

  • リアルタイムのデータ保護
  • 高可用性
  • 増分バックアップの作成
  • パフォーマンスへの影響

カスタムスクリプトを使用して、独自の増分バックアップソリューションを作成することもできます。この方法は、高度な制御と柔軟性を提供しますが、時間と専門知識が必要になります。

  • 高度な制御と柔軟性
  • 特定のニーズに合わせたカスタマイズ
  • 開発と保守に時間と専門知識が必要
  • テストと検証が必要

選択を検討する際に考慮すべきその他の要素:

  • データベースのサイズと変更頻度
  • 必要とされる復元時間目標 (RTO)
  • 回復目標ポイント (RPO)
  • 予算
  • 技術専門知識

複数のバックアップ方法を組み合わせて使用することもできます。たとえば、WAL バックアップを使用して頻繁なバックアップを実行し、完全バックアップを毎晩実行することができます。


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