データ分析の精度向上とガバナンス強化を実現! データベースとデータウェアハウスにおけるデータ系統とデータ来歴の追跡

2024-07-27

データ系統とデータ来歴の違い:データベースとデータウェアハウスにおける詳細解説

データ系統とは?

データ系統は、データが作成されてから使用されるまでの道のりを指します。これは、データがどこから来て、どのように変換され、最終的にどのように使用されるかを追跡する詳細な記録です。データ系統は、データの信頼性、品質、整合性を理解するために不可欠です。

データ系統の主な要素:

  • データソース: データが最初に取得された場所 (例:センサー、トランザクションシステム、ソーシャルメディア)
  • 変換: データが元の形式から別の形式に変換されるステップ (例:集計、フィルタリング、クリーニング)
  • ターゲットシステム: データが最終的に格納または使用される場所 (例:データベース、データウェアハウス、分析ツール)

データ系統を可視化する方法:

  • データ系統図: データの流れを矢印とノードで表すダイアグラム
  • データカタログ: データソース、変換、ターゲットシステムに関する情報を格納するメタデータリポジトリ

データ来歴は、データが特定のポイントに到達するまでの履歴を指します。これは、データの作成者、変更者、アクセス者に関する情報を提供します。データ来歴は、データのコンプライアンス、監査、セキュリティを管理するために重要です。

  • データ作成者: データを作成した人またはエンティティ
  • アクセス者: データにアクセスした人またはエンティティ
  • 変更日時: データがいつ変更されたか

データ来歴を記録する方法:

  • 監査ログ: データへのアクセスと変更に関する情報を記録するファイル
  • バージョン管理システム: データの異なるバージョンを管理するシステム

データベースとデータウェアハウスにおける実装の違い

データベースとデータウェアハウスは、それぞれ異なる目的に使用されるため、データ系統とデータ来歴を実装する方法も異なります。

データベース:

  • データ系統は、主にトランザクションデータの整合性を追跡するために使用されます。
  • データ来歴は、監査とコンプライアンス目的で使用されることが多くなります。
  • データ系統とデータ来歴は、通常、データベース管理システム (DBMS) に組み込まれた機能によって追跡されます。

データウェアハウス:

  • データ系統は、データの品質と信頼性を理解するために使用されます。
  • データ来歴は、データガバナンスと規制コンプライアンスに使用されることが多くなります。
  • データ系統とデータ来歴は、データウェアハウス専用のツールまたはサードパーティのツールによって追跡されることがよくあります。

プログラミング実装例

以下の例は、Python でデータ系統をどのように追跡できるかを示しています。

def track_data_lineage(data_source, transformations, target_system):
  # データソースからデータを取得
  data = get_data(data_source)

  # データを変換
  for transformation in transformations:
    data = transformation(data)

  # データをターゲットシステムにロード
  load_data(target_system, data)

  # データ系統をログに記録
  log_data_lineage(data_source, transformations, target_system)

この例では、track_data_lineage 関数は、データソース、変換、ターゲットシステムに関する情報をログに記録します。これは、データの流れを追跡し、データの品質と信頼性を理解するのに役立ちます。




-- データソースからデータを取得
CREATE TABLE raw_data (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  value INT NOT NULL
);

INSERT INTO raw_data (value)
VALUES (10), (20), (30);

-- データを変換
CREATE TABLE transformed_data (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  filtered_value INT NOT NULL
);

INSERT INTO transformed_data (filtered_value)
SELECT value
FROM raw_data
WHERE value > 20;

-- データをターゲットシステムにロード
CREATE TABLE target_system (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  final_value INT NOT NULL
);

INSERT INTO target_system (final_value)
SELECT filtered_value
FROM transformed_data;

この例では、raw_data テーブルからデータを取得し、filtered_value テーブルに 20 より大きい値のみを格納する transformed_data テーブルにフィルター処理します。その後、final_value テーブルに transformed_data テーブルの値をロードします。

データ系統を追跡するためのトリガーの使用:

トリガーを使用して、データベース内のデータが変更されたときにデータ系統を自動的に追跡することもできます。

CREATE OR REPLACE FUNCTION log_data_lineage()
RETURNS TRIGGER AS $$
BEGIN
  INSERT INTO data_lineage_log (
    table_name,
    operation,
    old_data,
    new_data
  )
  VALUES (
    TG_TABLE_NAME,
    TG_OP,
    NEW.data,
    OLD.data
  );

  RETURN NEW;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;

CREATE TRIGGER log_data_changes
AFTER UPDATE OR DELETE ON raw_data, transformed_data, target_system
FOR EACH ROW
EXECUTE PROCEDURE log_data_lineage();

この例では、log_data_lineage トリガーが作成され、raw_datatransformed_datatarget_system テーブル内のデータが更新または削除されるたびに実行されます。トリガーは、変更されたテーブルの名前、操作の種類、変更前後のデータに関する情報を data_lineage_log テーブルに挿入します。

データウェアハウスでのデータ来歴の追跡

以下の例は、Apache Airflow を使用してデータウェアハウスにおけるデータ来歴をどのように追跡できるかを示しています。

from airflow import DAG
from airflow.operators.python_operator import PythonOperator
from airflow.providers.google.cloud.operators.bigquery_operator import BigQueryOperator

default_args = {
    'owner': 'airflow',
    'start_date': airflow.utils.dates.days_ago(2),
    'depends_on_past': False,
}

dag = DAG('data_provenance_example', default_args=default_args, schedule_interval='@daily')

def extract_data():
    # データソースからデータを取得
    data = [
        {'id': 1, 'value': 10},
        {'id': 2, 'value': 20},
        {'id': 3, 'value': 30},
    ]
    return data

def transform_data(data):
    # データを変換
    transformed_data = []
    for row in data:
        if row['value'] > 20:
            transformed_data.append({'id': row['id'], 'filtered_value': row['value']})
    return transformed_data

def load_data(data):
    # データをターゲットシステムにロード
    client = BigQueryClient()
    dataset_id = 'my_dataset'
    table_id = 'transformed_data'
    job_config = BigQueryJobConfig()
    job_config.write_disposition = 'WRITE_TRUNCATE'

    client.load_table_from_dataframe(
        data,
        f'bq://{dataset_id}/{table_id}',
        job_config=job_config
    )

extract_data_task = PythonOperator(
    task_id='extract_data',
    python_callable=extract_data,
    dag=dag
)

transform_data_task



データ系統を自動的に追跡および可視化できる専用のツールがいくつかあります。これらのツールは、データベース、データウェアハウス、クラウドソースなど、さまざまなデータソースをサポートしています。

代表的なデータ系統ツール:

オープンソースツール:

データ系統とデータ来歴の追跡に使用できるオープンソースツールもいくつかあります。これらのツールは、より多くのカスタマイズと柔軟性を提供しますが、セットアップとメンテナンスにはより多くの労力が必要になる場合があります。

カスタムスクリプト:

独自のスクリプトを作成して、データ系統とデータ来歴を追跡することもできます。これは、特定のニーズや要件がある場合に役立ちます。

スクリプト開発時の考慮事項:

  • 使用するデータソースとターゲットシステム
  • 追跡するデータの量と複雑さ
  • 必要なレベルの詳細と精度
  • セキュリティとガバナンス要件

データベース監査:

多くのデータベースシステムには、データの変更を追跡するための組み込みの監査機能が用意されています。これらの機能を使用して、データ来歴の基本的なビューを取得できます。

監査機能の制限:

  • 追跡できるデータの量と詳細度が限られている場合がある
  • データソースとターゲットシステム間を跨いでデータの流れを追跡できない場合がある
  • データ系統を可視化または分析する機能が備わっていない場合がある

データガバナンスソリューション:

データガバナンスソリューションには、データ系統とデータ来歴の追跡機能が含まれている場合があります。これらのソリューションは、より包括的なデータ管理とコンプライアンス機能を提供します。

データガバナンスソリューションの検討事項:

  • 組織のデータガバナンス要件
  • ソリューションの機能とスケーラビリティ
  • コストと実装時間

最適な方法の選択:

データ系統とデータ来歴を追跡する最適な方法は、組織のニーズと要件によって異なります。上記で紹介したさまざまな方法を検討し、それぞれの長所と短所を比較検討することが重要です。


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