データベースの効率化に役立つ!主キーとインデックスキーの基礎知識
データベースにおける主キーとインデックスキーの違い
主キーは、テーブル内の行を一意に識別する列または列のグループです。以下の条件を満たす必要があります。
- 各値は一意である必要がある。つまり、同じ値を持つ行が2つ以上存在することはできません。
- 各値はNULLであってはなりません。
主キーは、データベースの整合性を保ち、特定の行を効率的に検索するために不可欠です。
一方、インデックスキーは、特定の列または列のグループに基づいてテーブル内のデータの検索を高速化するために使用されます。主キーとは異なり、インデックスキーには以下の制約はありません。
- 値が一意である必要はない。
- 値がNULLであってもよい。
インデックスは、主キー以外の列で頻繁に検索を行う場合に特に有効です。
主キーとインデックスキーの主な違いを以下に表にまとめました。
項目 | 主キー | インデックスキー |
---|---|---|
目的 | 行を一意に識別する | データ検索を高速化 |
制約 | 値は一意でNULLでない必要がある | 値は一意である必要はなく、NULLであってもよい |
作成方法 | PRIMARY KEY制約を定義することで自動的に作成される | CREATE INDEX文を使用して手動で作成する |
用途 | 外部キー制約の参照列として使用される | WHERE句で使用して特定の行を検索する |
例
社員情報テーブルを例に考えてみましょう。このテーブルには、社員ID、氏名、部署、入社日などの列が含まれているとします。
- 主キーとして適切なのは、社員ID列です。なぜなら、社員IDは各社員を一意に識別し、NULL値を持つことはあり得ないからです。
- インデックスキーとして適切なのは、氏名列または部署列です。なぜなら、これらの列で社員を検索することが多いと考えられるからです。
主キーとインデックスキーは、どちらもデータベースでデータを効率的に管理するために重要な役割を果たします。それぞれの違いを理解し、適切に使い分けることが重要です。
CREATE TABLE employees (
employee_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
department VARCHAR(255) NOT NULL,
hire_date DATE NOT NULL,
INDEX idx_name (name),
INDEX idx_department (department)
);
このコードでは、以下の操作が行われています。
employees
という名前のテーブルを作成します。employee_id
という列を定義します。この列は、以下の特性を持ちます。- データ型は
INT
です。 - 主キーとして定義されます。
- 自動的にインクリメントされる値を持つ列です。
- データ型は
name
という列を定義します。この列は、以下の特性を持ちます。- データ型は
VARCHAR(255)
です。 - NULL値を許しません。
- データ型は
name
列に基づいてインデックスを作成します。このインデックスはidx_name
という名前で参照されます。
このコードは、MySQL などの多くのデータベースシステムで使用できます。
補足
- 主キーは、テーブル内に1つしか定義できません。
- インデックスキーは、テーブル内に複数定義できます。
- インデックスキーを作成すると、データの更新や削除が遅くなる可能性があります。そのため、インデックスキーは、実際に検索で使用される列のみを作成するようにしましょう。
ユニーク制約
ユニーク制約は、列の値が一意であることを保証するために使用されます。主キーと異なり、ユニーク制約にはNULL値を含めることができます。
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL,
name VARCHAR(255) NOT NULL
);
この例では、email
列にユニーク制約が設定されています。つまり、customers
テーブル内に同じメールアドレスを持つ顧客が2人以上存在することはできません。
外部キー制約
外部キー制約は、2つのテーブル間のリレーションシップを定義するために使用されます。外部キー列は、参照先のテーブルの主キー列を参照する必要があります。
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
customer_id INT NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
この例では、orders
テーブルの customer_id
列は、customers
テーブルの customer_id
列を参照する外部キーです。つまり、orders
テーブルに存在するすべての顧客IDは、customers
テーブル内に存在する顧客IDと一致する必要があります。
チェック制約
チェック制約は、列の値が特定の条件を満たしていることを保証するために使用されます。
CREATE TABLE products (
product_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL,
CHECK (price > 0)
);
この例では、products
テーブルの price
列にチェック制約が設定されています。つまり、products
テーブルに存在するすべての価格は、0より大きい値である必要があります。
パーティショニング
パーティショニングは、大きなテーブルを複数の小さな部分に分割するために使用されます。これにより、特定のパーティションのみをクエリすることで、データ検索のパフォーマンスを向上させることができます。
マテリアライズドビュー
マテリアライズドビューは、データベース内の別のテーブルから生成されるテーブルです。マテリアライズドビューは、元のテーブルと常に同期されます。これにより、複雑なクエリのパフォーマンスを向上させることができます。
これらの方法は、それぞれ異なる目的で使用されます。データベースを設計する際には、それぞれの方法の特徴を理解し、適切な方法を選択することが重要です。
データベースには、データを整理するために使用できるさまざまな方法があります。主キーとインデックスキーは、最も基本的な方法ですが、他にもユニーク制約、外部キー制約、チェック制約、パーティショニング、マテリアライズドビューなどがあります。それぞれの方法の特徴を理解し、適切な方法を選択することで、効率的で効果的なデータベースを設計することができます。
database primary-key