MySQL/MariaDB で IPv6 アドレス範囲判定:サブネットマスク、空間データ型、ライブラリ

2024-05-19

MySQL/MariaDB で IPv6 アドレス範囲内かどうかを判定するプログラミング解説

この解説では、MySQL/MariaDB で IPv6 アドレスが特定の範囲内に属するかどうかを判定するプログラミングについて、わかりやすく日本語で説明します。

対象読者

  • MySQL/MariaDB で IPv6 アドレスを扱うプログラミングに興味がある方
  • IPv6 アドレス範囲判定のロジックを理解したい方
  • プログラミング初心者の方

前提知識

  • MySQL/MariaDB の基本的な操作方法
  • IPv6 アドレスの表記法
  • SQL 文の基本的な構文

解説

IPv6 アドレス範囲は、CIDR 表記と呼ばれる形式で表現されます。CIDR 表記では、ネットワークアドレスとサブネットマスクの長さをスラッシュで区切って表記します。

例:

  • 2001:db8::/32:ネットワークアドレスが 2001:db8::、サブネットマスクの長さが 32 ビットの範囲

MySQL/MariaDB では、INET6_ATON() 関数と INET6_NTOA() 関数を使用して、IPv6 アドレス範囲判定を行うことができます。

INET6_ATON() 関数は、文字列形式の IPv6 アドレスをバイナリ形式に変換します。

SELECT INET6_ATON('2001:db8::');
SELECT INET6_NTOA(INET6_ATON('2001:db8::'));

3 範囲判定ロジック

以下の SQL 文は、ipv6_address カラムの値が network_addresssubnet_mask で指定された範囲内に属するかどうかを判定します。

SELECT *
FROM table_name
WHERE INET6_ATON(ipv6_address) & INET6_ATON(subnet_mask)
= INET6_ATON(network_address);

4 例

以下の例は、ipv6_addresses テーブルに IPv6 アドレスとネットワークアドレス、サブネットマスクが格納されている場合、network_addresssubnet_mask で指定された範囲内に属する IPv6 アドレスをすべて取得する方法です。

SELECT ipv6_address
FROM ipv6_addresses
WHERE INET6_ATON(ipv6_address) & INET6_ATON(subnet_mask)
= INET6_ATON(network_address);

補足

  • 上記のロジックは、IPv6 アドレスがバイナリ形式で比較されることに基づいています。そのため、ネットワークアドレスとサブネットマスクがバイナリ形式で格納されていることを確認する必要があります。
  • MySQL/MariaDB のバージョンによっては、INET6_ATON() 関数と INET6_NTOA() 関数が存在しない場合があります。その場合は、INET6_ATON_BUFFER() 関数と INET6_NTOA_BUFFER() 関数を使用することができます。
  • IPv6 アドレス範囲判定には、上記以外にもさまざまな方法があります。必要に応じて、適切な方法を選択してください。

まとめ




以下の SQL 文を使用して、ipv6_addresses テーブルを作成します。

CREATE TABLE ipv6_addresses (
  ipv6_address INET6,
  network_address INET6,
  subnet_mask INET6
);

データの挿入

INSERT INTO ipv6_addresses (ipv6_address, network_address, subnet_mask)
VALUES
  ('2001:db8::1', '2001:db8::', 'ffff:ffff:ffff:ffff::'),
  ('2001:db8::2', '2001:db8::', 'ffff:ffff:ffff:ffff::'),
  ('2001:db8::3', '2001:db8::', 'ffff:ffff:ffff:ffff::'),
  ('2002:db8::1', '2002:db8::', 'ffff:ffff:ffff:ffff::');

範囲判定

以下の SQL 文を使用して、network_addresssubnet_mask で指定された範囲内に属する IPv6 アドレスをすべて取得します。

SELECT ipv6_address
FROM ipv6_addresses
WHERE INET6_ATON(ipv6_address) & INET6_ATON(subnet_mask)
= INET6_ATON('2001:db8::')
AND INET6_NTOA(INET6_ATON(ipv6_address)) NOT LIKE '%ffff:ffff:ffff:ffff%';

結果

上記の SQL 文を実行すると、以下の結果が出力されます。

ipv6_address
--------------
2001:db8::1
2001:db8::2
2001:db8::3
  • 上記のサンプルコードでは、network_addresssubnet_mask として 2001:db8::ffff:ffff:ffff:ffff:: を指定しています。
  • INET6_NTOA(INET6_ATON(ipv6_address)) NOT LIKE '%ffff:ffff:ffff:ffff%' という条件式は、ipv6_addressffff:ffff:ffff:ffff で終わらない IPv6 アドレスのみを抽出するために使用されています。

応用例

  • 特定のネットワークに属する IPv6 アドレスをすべて取得する
  • ファイアウォールルールで特定の IPv6 アドレス範囲を許可する
  • IPv6 アドレスに基づいてデータをフィルタリングする

注意点

  • サンプルコードはあくまでも一例であり、状況に合わせて変更する必要があります。
  • IPv6 アドレス範囲判定ロジックは複雑になる可能性があります。必要に応じて、専門家に相談することをお勧めします。



MySQL/MariaDB で IPv6 アドレス範囲内かどうかを判定するその他の方法

サブネットマスクとビット演算を使用して、IPv6 アドレスが特定の範囲内に属するかどうかを判定することができます。

SELECT ipv6_address
FROM ipv6_addresses
WHERE ipv6_address & subnet_mask = network_address;

MySQL の空間データ型

MySQL 5.7 以降では、空間データ型を使用して IPv6 アドレス範囲判定を行うことができます。

SELECT ipv6_address
FROM ipv6_addresses
WHERE ST_CONTAINS(network_polygon, ST_PointFromText('POINT(2001:db8::)'));

外部ライブラリ

MySQL/MariaDB には標準で IPv6 アドレス範囲判定機能が備わっていない場合、外部ライブラリを使用することができます。

比較

各方法にはそれぞれ利点と欠点があります。

  • サブネットマスクとビット演算: シンプルで処理速度が速いですが、複雑な範囲判定には向いていません。
  • MySQL の空間データ型: 複雑な範囲判定に適していますが、MySQL 5.7 以降でのみ使用可能です。
  • 外部ライブラリ: 柔軟性がありますが、設定や管理が複雑になる可能性があります。

状況に応じて、適切な方法を選択する必要があります。


mysql mariadb ipv6


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