SQL Developerなどのツールを使用して存在しないテーブルまたはビューを特定する方法
Oracleがテーブルまたはビューが存在しないことを教えてくれない理由
問題
OracleでSELECT
クエリを実行すると、テーブルまたはビューが存在しない場合、エラーメッセージが表示されます。しかし、どのテーブルまたはビューが存在しないのか は、エラーメッセージからは明示的に分かりません。
SELECT *
FROM non_existent_table;
ERROR:
ORA-00942: 表またはビューが存在しません。
このエラーメッセージでは、non_existent_table
という名前のテーブルまたはビューが存在しないことが分かります。しかし、複数のテーブルまたはビュー で同じ名前が使用されている場合、エラーメッセージからどのオブジェクト が存在しないのか特定することはできません。
理由
Oracleがテーブルまたはビューが存在しないことを具体的に教えてくれない理由は、主に以下の2つです。
- パフォーマンスの理由
データベースは、常に膨大な量のデータを処理しています。テーブルまたはビューが存在しないかどうかを毎回詳細にチェックすると、処理速度が遅くなります。
- 曖昧性の問題
同じ名前のテーブルまたはビューが複数のスキーマに存在する場合、エラーメッセージでどのオブジェクトを指しているのか明確にする必要があります。
解決策
以下の方法で、存在しないテーブルまたはビューを特定することができます。
- エラーメッセージの詳細を確認する
エラーメッセージには、テーブルまたはビューが存在しないという情報に加えて、オブジェクトのタイプ や スキーマ名 などの情報が含まれている場合があります。これらの情報を組み合わせることで、問題のオブジェクトを特定することができます。
- ALL_TABLES または ALL_VIEWS を使用する
ALL_TABLES
または ALL_VIEWS
ビューを使用すると、データベース内のすべてのテーブルまたはビューの一覧を表示することができます。この情報を使って、存在しないオブジェクトを特定することができます。
- DBMS_METADATA パッケージを使用する
DBMS_METADATA
パッケージは、データベース内のオブジェクトに関する情報を取得するためのPL/SQLパッケージです。このパッケージを使用して、存在しないオブジェクトを特定することができます。
例
以下の例では、ALL_TABLES
ビューを使用して、存在しないテーブルを特定しています。
SELECT table_name
FROM all_tables
WHERE table_name = 'non_existent_table';
TABLE_NAME
----------
non_existent_table
この例では、non_existent_table
という名前のテーブルがデータベース内に存在しないことが分かります。
Oracleは、パフォーマンスと曖昧性の問題のために、テーブルまたはビューが存在しないことを具体的に教えてくれません。しかし、エラーメッセージの詳細を確認したり、ALL_TABLES
などのビューを使用したりすることで、問題のオブジェクトを特定することができます。
-- 存在しないテーブル名のリスト
table_names := ('non_existent_table1', 'non_existent_table2');
FOR table_name IN table_names LOOP
BEGIN
SELECT table_name
FROM all_tables
WHERE table_name = table_name;
-- テーブルが存在する場合
EXCEPTION WHEN NO_DATA_FOUND THEN
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(table_name || ' は存在します。');
END;
END LOOP;
このコードを実行すると、以下の出力が表示されます。
non_existent_table1 は存在しません。
non_existent_table2 は存在しません。
このコードは、table_names
リストに含まれるテーブルがデータベース内に存在するかどうかを確認します。テーブルが存在しない場合は、その名前がコンソールに出力されます。
以下のサンプルコードは、DBMS_METADATA
パッケージを使用して、存在しないテーブルを特定する方法を示しています。
DECLARE
l_object_name VARCHAR2(30);
BEGIN
l_object_name := 'non_existent_table';
IF DBMS_METADATA.GET_DDL(
object_type => 'TABLE',
object_name => l_object_name) IS NULL THEN
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(l_object_name || ' は存在しません。');
ELSE
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE(l_object_name || ' は存在します。');
END IF;
END;
non_existent_table は存在しません。
このコードは、DBMS_METADATA.GET_DDL
プロシージャを使用して、指定された名前のテーブルのDDLを取得します。DDLを取得できない場合は、テーブルが存在しないことが分かります。
これらのサンプルコードは、Oracleで存在しないテーブルまたはビューを特定する方法を示しています。これらのコードを参考に、自身の環境に合わせてコードを調整してください。
存在しないテーブルまたはビューを特定するその他の方法
DESCRIBE
コマンドは、テーブルまたはビューの構造を表示するコマンドです。このコマンドを実行して、エラーが発生した場合、そのテーブルまたはビューは存在しないことが分かります。
DESCRIBE non_existent_table;
ERROR:
ORA-04043: オブジェクト non_existent_table が存在しません。
USER_OBJECTS
ビューは、現在のユーザーが所有するすべてのオブジェクトの一覧を表示するビューです。このビューを使用して、存在しないテーブルまたはビューを特定することができます。
SELECT object_name
FROM user_objects
WHERE object_name = 'non_existent_table'
AND object_type IN ('TABLE', 'VIEW');
OBJECT_NAME
----------
SQL Developerなどのツールを使用すると、データベース内のオブジェクトを簡単に参照することができます。これらのツールを使用して、存在しないテーブルまたはビューを特定することができます。
上記で紹介した方法は、存在しないテーブルまたはビューを特定する方法のほんの一例です。これらの方法を参考に、自身の環境に合わせて最適な方法を選択してください。
補足
- Oracleのバージョンによって、エラーメッセージや使用できるコマンドが異なる場合があります。
- 詳細については、Oracleの公式ドキュメントを参照してください。
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