パフォーマンスチューニングのベストプラクティス:SQLite 共有キャッシュモードで複数接続から一時テーブルを共有
SQLite の共有キャッシュモードにおける一時テーブルの共有について
SQLite の共有キャッシュモードでは、複数の接続間で一時テーブルを共有することができます。これは、複数の接続が同じデータベースファイルにアクセスしている場合に、パフォーマンスを向上させるのに役立ちます。
詳細
SQLite の共有キャッシュモードでは、各接続はデータベースファイルのキャッシュされたコピーを保持します。このキャッシュには、テーブル、インデックス、およびその他のデータベースオブジェクトが含まれます。一時テーブルもこのキャッシュに保存されます。
複数の接続が同じデータベースファイルにアクセスしている場合、各接続はキャッシュされた一時テーブルを使用することができます。これにより、各接続が独自の一時テーブルを作成する必要がなくなり、パフォーマンスが向上します。
注意事項
一時テーブルを共有するには、いくつかの注意事項があります。
- 一時テーブルは、接続が閉じられたときに自動的に削除されます。
- 一時テーブルは、他の接続によって変更される可能性があります。
- 一時テーブルは、データベースファイルのキャッシュサイズによって制限されます。
例
次の例では、2 つの接続が同じデータベースファイルにアクセスし、一時テーブルを共有する方法を示します。
import sqlite3
# 1 つ目の接続を作成する
conn1 = sqlite3.connect('test.db')
# 一時テーブルを作成する
conn1.execute('CREATE TEMPORARY TABLE temp (id INTEGER PRIMARY KEY, value TEXT)')
# 2 つ目の接続を作成する
conn2 = sqlite3.connect('test.db')
# 一時テーブルに値を挿入する
conn2.execute('INSERT INTO temp (value) VALUES (?)', ('Hello, world!'))
# 一時テーブルの値を取得する
cursor = conn1.execute('SELECT * FROM temp')
for row in cursor:
print(row)
# 接続を閉じる
conn1.close()
conn2.close()
この例では、conn1
と conn2
の両方の接続が temp
という一時テーブルを使用することができます。conn2
は temp
テーブルに値を挿入し、conn1
はその値を取得することができます。
このサンプルコードは、SQLite の共有キャッシュモードにおける一時テーブルの共有を実演します。2つの接続を作成し、同じデータベースファイルにアクセスし、一時テーブルを共有します。
コード
import sqlite3
# データベースファイル名
db_file = 'test.db'
# 1 つ目の接続を作成する
conn1 = sqlite3.connect(db_file)
# 一時テーブルを作成する
conn1.execute('CREATE TEMPORARY TABLE temp (id INTEGER PRIMARY KEY, value TEXT)')
# 2 つ目の接続を作成する
conn2 = sqlite3.connect(db_file)
# 一時テーブルに値を挿入する
conn2.execute('INSERT INTO temp (value) VALUES (?)', ('Hello, world!'))
# 一時テーブルの値を取得する
cursor = conn1.execute('SELECT * FROM temp')
for row in cursor:
print(row)
# 接続を閉じる
conn1.close()
conn2.close()
説明
sqlite3
モジュールをインポートします。- データベースファイル名
db_file
を変数db_file
に格納します。 conn1
という名前の最初の接続を作成します。CREATE TEMPORARY TABLE temp (id INTEGER PRIMARY KEY, value TEXT)
という SQL ステートメントを実行して、temp
という名前の一時テーブルを作成します。INSERT INTO temp (value) VALUES (?)
という SQL ステートメントを実行して、temp
テーブルに"Hello, world!"
という値を挿入します。SELECT * FROM temp
という SQL ステートメントを実行して、temp
テーブルの値を取得します。- 取得した値をループし、各行をプリントします。
conn1
とconn2
の接続を閉じます。
実行方法
このコードを実行するには、次の手順を実行します。
- Python インタプリタを開きます。
- 上記のコードをコピーして、インタプリタに貼り付けます。
- Enter キーを押します。
結果
次の出力が表示されます。
(1, 'Hello, world!')
これは、temp
テーブルに "Hello, world!"
という値が挿入され、2つの接続によって共有されていることを示しています。
- このコードは、Python 3.x でのみ動作します。
- SQLite バージョン 3.8.2 以降が必要です。
SQLite の共有キャッシュモードにおける一時テーブルの共有: 他の方法
SQLite の共有キャッシュモード以外にも、複数の接続間で一時テーブルを共有する方法があります。
方法
- メモリ内データベースを使用する: SQLite は、メモリ内データベースを作成することができます。メモリ内データベースは、ディスク上のデータベースファイルよりも高速ですが、永続的なものではありません。
- 一時ファイルを使用する: 各接続が独自の一時ファイルを作成し、そのファイルを共有することができます。
- メッセージキューを使用する: 各接続は、メッセージキューを使用して他の接続と一時テーブルのデータをやり取りすることができます。
各方法の詳細
メモリ内データベースを使用するには、sqlite3.connect()
関数の memory
オプションを使用します。
import sqlite3
# メモリ内データベースに接続する
conn = sqlite3.connect(':memory:')
# 一時テーブルを作成する
conn.execute('CREATE TEMPORARY TABLE temp (id INTEGER PRIMARY KEY, value TEXT)')
# ...
# 接続を閉じる
conn.close()
メモリ内データベースは、ディスク上のデータベースファイルよりも高速ですが、永続的なものではありません。接続が閉じられると、データベース内のすべてのデータが失われます。
一時ファイルを使用するには、tempfile
モジュールを使用します。
import sqlite3
import tempfile
# 一時ファイルを作成する
fd, temp_file = tempfile.mkstemp()
# データベースファイルとして一時ファイルを開く
conn = sqlite3.connect(temp_file)
# 一時テーブルを作成する
conn.execute('CREATE TEMPORARY TABLE temp (id INTEGER PRIMARY KEY, value TEXT)')
# ...
# 接続を閉じる
conn.close()
# 一時ファイルを削除する
os.remove(temp_file)
一時ファイルを使用するには、各接続が独自の一時ファイルを作成し、そのファイルを共有する必要があります。これは、複数の接続が同じディレクトリにアクセスできる場合にのみ可能です。
メッセージキューを使用するには、zmq
などのライブラリを使用します。
import sqlite3
import zmq
# メッセージキューコンテキストを作成する
context = zmq.Context()
# メッセージキューソケットを作成する
socket = context.socket(zmq.REQ)
# メッセージキューに接続する
socket.connect('tcp://localhost:5555')
# 一時テーブルを作成する
message = 'CREATE TEMPORARY TABLE temp (id INTEGER PRIMARY KEY, value TEXT)'
socket.send(message.encode('utf-8'))
# ...
# 接続を閉じる
socket.close()
メッセージキューを使用するには、各接続がメッセージキューサーバーに接続して、一時テーブルのデータをやり取りする必要があります。これは、複雑な方法ですが、最も柔軟な方法です。
SQLite の共有キャッシュモード以外にも、複数の接続間で一時テーブルを共有する方法があります。それぞれの方法には長所と短所があるため、要件に応じて最適な方法を選択する必要があります。
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