SQLite3: ATTACH で読み取り専用メインDBと読み書き可能DBを組み合わせるテクニック
SQLite3: メインデータベース読み取り専用と ATTACH
動作原理
SQLite3 では、メインデータベースと ATTACH データベースを単一の接続内で管理することができます。メインデータベースを開く際に SQLITE_OPEN_READONLY
フラグを指定することで、読み取り専用モードで開くことができます。一方、ATTACH するデータベースは読み取り/書き込み可能なモードで開くことができます。
手順
以下の手順で、メインデータベースを読み取り専用モードで開き、別々のデータベースを ATTACH します。
- メインデータベースを
SQLITE_OPEN_READONLY
フラグを使用して開きます。
sqlite3 *db;
sqlite3_open("main.db", &db, SQLITE_OPEN_READONLY, NULL);
- ATTACH するデータベースを
ATTACH DATABASE
コマンドを使用して開きます。
sqlite3_exec(db, "ATTACH DATABASE 'attach.db' AS attach", NULL, NULL, NULL);
- ATTACH したデータベースに対してクエリを実行したり、データ操作を実行したりすることができます。
sqlite3_exec(db, "SELECT * FROM attach.table", callback, NULL, NULL);
- すべての操作が完了したら、ATTACH したデータベースをデタッチします。
sqlite3_exec(db, "DETACH DATABASE attach", NULL, NULL, NULL);
- メインデータベースを閉じます。
sqlite3_close(db);
利点
- 複数のデータベースを単一の接続で管理できるため、コードを簡潔に記述できます。
- メインデータベースを書き込みから保護することで、データの整合性を保ちやすくなります。
- ATTACH するデータベースは読み取り/書き込み可能なので、必要な操作を柔軟に実行できます。
注意点
- メインデータベースを書き込み専用モードで開くと、ATTACH したデータベースに書き込むことはできません。
- ATTACH したデータベースは、メインデータベースと同じフォルダ内に存在する必要があります。
- ATTACH したデータベースに対して行った変更は、デタッチするまでメインデータベースに反映されません。
まとめ
SQLite3 の ATTACH
機能を活用することで、メインデータベースを保護しながら、複数のデータベースを効率的に扱うことができます。このテクニックは、複雑なデータベースアプリケーションを開発する際に役立ちます。
SQLite3: メインデータベース読み取り専用と ATTACH サンプルコード
#include <sqlite3.h>
int main() {
sqlite3 *db;
// メインデータベースを `SQLITE_OPEN_READONLY` フラグを使用して読み取り専用モードで開く
if (sqlite3_open("main.db", &db, SQLITE_OPEN_READONLY, NULL) != SQLITE_OK) {
fprintf(stderr, "Error opening main database: %s\n", sqlite3_errmsg(db));
return 1;
}
// ATTACH するデータベースを開く
if (sqlite3_exec(db, "ATTACH DATABASE 'attach.db' AS attach", NULL, NULL, NULL) != SQLITE_OK) {
fprintf(stderr, "Error attaching database: %s\n", sqlite3_errmsg(db));
sqlite3_close(db);
return 1;
}
// ATTACH したデータベースに対してクエリを実行
sqlite3_stmt *stmt;
if (sqlite3_prepare_v2(db, "SELECT * FROM attach.table", -1, &stmt, NULL) != SQLITE_OK) {
fprintf(stderr, "Error preparing statement: %s\n", sqlite3_errmsg(db));
sqlite3_close(db);
return 1;
}
// クエリ結果を処理
while (sqlite3_step(stmt) == SQLITE_ROW) {
for (int i = 0; i < sqlite3_column_count(stmt); i++) {
printf("%s\t", sqlite3_column_text(stmt, i));
}
printf("\n");
}
// クエリを終了
sqlite3_finalize(stmt);
// ATTACH したデータベースをデタッチ
if (sqlite3_exec(db, "DETACH DATABASE attach", NULL, NULL, NULL) != SQLITE_OK) {
fprintf(stderr, "Error detaching database: %s\n", sqlite3_errmsg(db));
sqlite3_close(db);
return 1;
}
// メインデータベースを閉じる
sqlite3_close(db);
return 0;
}
説明
- このコードは、
main.db
という名前のメインデータベースと、attach.db
という名前の ATTACH するデータベースを使用します。 - ATTACH したデータベースに対して
SELECT * FROM attach.table
というクエリが実行されます。 - クエリ結果はコンソールに出力されます。
- メインデータベースは
sqlite3_close
関数を使用して閉じられます。
実行方法
- 上記のコードを
main.cpp
という名前のファイルに保存します。 - 以下のコマンドを実行してコードをコンパイルします。
g++ main.cpp -o main -lsqlite3
./main
注意事項
- このコードはあくまでサンプルであり、実際のアプリケーションでは必要に応じて修正する必要があります。
SQLite3: メインデータベース読み取り専用と ATTACH の代替方法
MEMORY
キーワードを使用して、メインメモリ内に一時的なデータベースを作成し、ATTACH することができます。この方法は、一時的なデータや、メインデータベースを書き換えずにクエリを実行したい場合に役立ちます。
sqlite3_exec(db, "ATTACH MEMORY AS attach", NULL, NULL, NULL);
仮想テーブル
CREATE VIRTUAL TABLE
句を使用して、別のデータベースからデータを仮想的に表示する仮想テーブルを作成することができます。この方法は、複雑なクエリを簡潔に記述したい場合や、複数のデータベースのデータを結合したい場合に役立ちます。
CREATE VIRTUAL TABLE attach USING FTS5('attach.db', 'main');
外部関数
SQLite3 には、外部関数と呼ばれる、C 言語で記述されたカスタム関数を実行するための機能があります。この機能を使用して、別のデータベースにアクセスするカスタム関数を作成することができます。
CREATE FUNCTION load_data(filename TEXT)
RETURNS TABLE
AS
BEGIN
-- 別のデータベースにアクセスするカスタム関数
SELECT * FROM other_db.table;
END;
UNION
オペレータを使用して、複数のデータベースからのクエリ結果を結合することができます。この方法は、シンプルなクエリを実行したい場合に役立ちます。
SELECT * FROM main.table
UNION
SELECT * FROM attach.table;
それぞれの方法の利点と欠点
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
ATTACH | シンプルで使いやすい | メインデータベースと同じフォルダ内に存在する必要がある |
MEMORY アタッチ | 一時的なデータに適している | メモリ使用量が多くなる可能性がある |
仮想テーブル | 複雑なクエリを簡潔に記述できる | 仮想テーブルの作成とクエリの実行に時間がかかる場合がある |
外部関数 | 柔軟性が高い | C 言語の知識が必要 |
UNION オペレータ | シンプル | 複雑なクエリには適していない |
最適な方法を選択
どの方法が最適かは、具体的な要件によって異なります。シンプルな要件であれば、ATTACH
や UNION
オペレータなどのシンプルな方法で十分です。より複雑な要件の場合は、MEMORY
アタッチ、仮想テーブル、外部関数などのより高度な方法を検討する必要があります。
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