大文字小文字の区別でデータベース操作を劇的に変える!MySQLの照合順序のしくみ

2024-05-19

MySQLにおける大文字小文字を区別する照合順序

大文字小文字を区別する照合順序大文字小文字を区別しない照合順序の2種類があり、それぞれ異なる挙動を示します。

大文字小文字を区別する照合順序

この照合順序では、Aaは完全に異なる文字として扱われます。そのため、以下のクエリは一致しません:

SELECT * FROM users WHERE name = 'John';

もし、テーブル内に**'John''john'という名前のユーザーが存在する場合、上記のクエリでは'John'**のみが検索結果に表示されます。

この照合順序は、パスワードやユーザー名など、大文字小文字の違いによって意味が大きく異なる場合に適しています。

大文字小文字を区別しない照合順序

SELECT * FROM users WHERE name = 'John';

上記のクエリでは、'John''john'という名前のユーザー両方が検索結果に表示されます。

この照合順序は、検索の柔軟性を高めたい場合や、大文字小文字の誤入力の影響を受けにくくしたい場合に適しています。

照合順序の確認と設定

既存のデータベースの照合順序を確認するには、以下のクエリを使用できます。

SHOW CREATE TABLE your_table_name;

出力結果の中にCOLLATEというキーワードと照合順序の名前が表示されます。

CREATE TABLE your_table_name (
  ...
  your_column_name VARCHAR(255) COLLATE collation_name
  ...
);

collation_nameの部分には、使用したい照合順序の名前を指定します。

代表的な照合順序

MySQLには様々な照合順序が用意されていますが、代表的なものは以下の通りです。

  • utf8mb4_bin: バイナリ照合順序。文字列をバイト列として比較します。大文字小文字を区別します。
  • utf8mb4_general_ci: 大文字小文字を区別しない照合順序。英語の大小文字のみを区別せず、その他の言語の文字は区別します。
  • utf8mb4_case_sensitive: 大文字小文字を区別する照合順序。すべての言語の文字を区別します。

MySQLにおける大文字小文字の区別は、照合順序によって設定されます。適切な照合順序を選択することで、データの検索や比較をより正確に行うことができます。

補足:

  • 照合順序は、データベース全体だけでなく、テーブルやカラムごとに個別に設定することも可能です。
  • MySQL 8.0以降では、デフォルトの照合順序がutf8mb4_general_ciに変更されています。
  • 古いバージョンのMySQLを使用している場合は、デフォルトの照合順序が異なる可能性があるため注意が必要です。



大文字小文字を区別する照合順序

-- 新しいテーブルを作成し、大文字小文字を区別する照合順序を設定
CREATE TABLE users (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) COLLATE utf8mb4_case_sensitive,
  email VARCHAR(255) UNIQUE COLLATE utf8mb4_case_sensitive
);

-- 'John'という名前のユーザーを2人登録
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('John', '[email protected]');
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('john', '[email protected]');

-- 名前でユーザーを検索 (大文字小文字を区別するため、'John'のみが検索結果に表示される)
SELECT * FROM users WHERE name = 'John';

-- 結果:
-- id | name       | email
-- --- | -------- | --------
-- 1  | John       | [email protected]

大文字小文字を区別しない照合順序

-- 新しいテーブルを作成し、大文字小文字を区別しない照合順序を設定
CREATE TABLE articles (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  title VARCHAR(255) COLLATE utf8mb4_general_ci,
  content TEXT COLLATE utf8mb4_general_ci
);

-- 'MySQL Tutorial'というタイトルの記事を2つ登録 (1つはすべて大文字、もう1つはすべて小文字)
INSERT INTO articles (title, content) VALUES ('MySQL TUTORIAL', 'This is a MySQL tutorial.');
INSERT INTO articles (title, content) VALUES ('mysql tutorial', 'This is another MySQL tutorial.');

-- タイトルで記事を検索 (大文字小文字を区別しないため、両方の記事が検索結果に表示される)
SELECT * FROM articles WHERE title = 'MySQL Tutorial';

-- 結果:
-- id | title                | content
-- --- | --------            | --------
-- 1  | MySQL TUTORIAL      | This is a MySQL tutorial.
-- 2  | mysql tutorial      | This is another MySQL tutorial.



SQLクエリ内で照合順序を指定する

-- SELECTクエリ内で照合順序を指定
SELECT * FROM users WHERE name = 'John' COLLATE utf8mb4_case_sensitive;

-- UPDATEクエリ内で照合順序を指定
UPDATE users SET name = 'John' WHERE name = 'john' COLLATE utf8mb4_case_sensitive;

この方法を使用すると、クエリごとに個別に照合順序を指定することができます。状況に応じて使い分けることができます。

クライアントライブラリの設定を変更する

MySQLクライアントライブラリによっては、デフォルトの照合順序を設定できるものがあります。設定を変更することで、すべてのクエリでその照合順序が適用されます。

アプリケーションの設定を変更する

アプリケーションによっては、データベース接続時に照合順序を指定できるものがあります。設定を変更することで、そのアプリケーション内で使用されるすべてのクエリでその照合順序が適用されます。

留意点

  • 照合順序を変更すると、既存のデータの比較結果が変わる可能性があります。変更を行う前に、十分な注意とテストが必要です。
  • 異なる照合順序で比較を行うと、予期しない結果になる可能性があります。常に同じ照合順序を使用するようにしてください。
  • 古いバージョンのMySQLを使用している場合は、照合順序に関する機能が制限されている可能性があります。最新バージョンへのアップグレードを検討してください。

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