ソフトデリートとは? データベースからデータを安全に削除する方法
ソフトデリートの実装方法
ソフトデリートとは?
ソフトデリートには、以下のような利点があります。
- 誤削除の防止: 誤ってデータを削除してしまった場合でも、ソフトデリートであれば復元することができます。
- データの監査: 削除されたデータも含めて、すべてのデータ履歴を保持することができます。
- 論理的な整合性の維持: データの参照整合性を維持することができます。
ソフトデリートの実装方法は、データベースやフレームワークによって異なります。ここでは、一般的な方法を紹介します。
削除フラグカラムの追加
テーブルに deleted_at
などの名前の削除フラグカラムを追加します。このカラムは、datetime
型または boolean
型が一般的です。
削除処理の変更
データを削除する処理を変更します。物理的に削除する代わりに、削除フラグを更新します。
UPDATE table_name
SET deleted_at = CURRENT_TIMESTAMP
WHERE id = :id;
データの復元
削除されたデータを復元するには、削除フラグを NULL
に更新します。
UPDATE table_name
SET deleted_at = NULL
WHERE id = :id;
論理削除の適用範囲
ソフトデリートは、すべてのデータに適用する必要はありません。重要なデータや、参照整合性の維持が必要なデータにのみ適用するのが一般的です。
フレームワークでのソフトデリート
多くのフレームワークは、ソフトデリート機能を備えています。以下は、代表的なフレームワークの例です。
- Rails:
acts_as_paranoid
gem を使用することで、ソフトデリート機能を実装できます。 - Django:
soft_delete
モデルマネージャーを使用することで、ソフトデリート機能を実装できます。 - Eloquent:
withTrashed
メソッドを使用することで、削除されたデータを取得できます。
テーブル定義
CREATE TABLE users (
id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) NOT NULL,
deleted_at DATETIME NULL,
PRIMARY KEY (id)
);
データ挿入
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('John Doe', '[email protected]');
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('Jane Doe', '[email protected]');
UPDATE users
SET deleted_at = CURRENT_TIMESTAMP
WHERE id = 1;
データの確認
SELECT * FROM users;
# 結果
# id | name | email | deleted_at
#---|---|---|---
# 1 | John Doe | johndoe@example.com | 2024-04-04 04:52:00
# 2 | Jane Doe | janedoe@example.com | NULL
削除されたデータの復元
UPDATE users
SET deleted_at = NULL
WHERE id = 1;
SELECT * FROM users WHERE deleted_at IS NOT NULL;
# 結果
# id | name | email | deleted_at
#---|---|---|---
# 1 | John Doe | johndoe@example.com | 2024-04-04 04:52:00
ビットフラグ
削除フラグカラムに複数のビットを設け、それぞれ異なる意味を持たせることができます。例えば、以下のような意味を持たせることができます。
- ビット1: 論理削除フラグ
- ビット3: アーカイブフラグ
トリガー
削除処理時にトリガーを呼び出し、関連するデータの処理を行うことができます。例えば、以下のような処理を行うことができます。
- 削除されたデータのバックアップを取る
- 削除されたデータのログを記録する
- 削除されたデータに関連する他のデータを更新する
ビュー
削除されたデータも含めて、すべてのデータを表示するビューを作成することができます。
CREATE VIEW all_users AS
SELECT * FROM users;
外部キー制約
外部キー制約を使用することで、参照整合性を維持することができます。
CREATE TABLE orders (
id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
user_id INT NOT NULL,
...
FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (id) ON DELETE RESTRICT
);
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