MySQL 5.7.5 以降で発生するエラー "only_full_group_by" の原因と解決方法
MySQL でクエリを実行時に発生する only_full_group_by 関連エラーについて
MySQL 5.7.5 以降では、only_full_group_by
という新しい SQL モードがデフォルトで有効になっています。このモードは、GROUP BY 句で選択されていない列を関数で集計する場合に、エラーが発生するようになります。
エラーメッセージ例
ERROR 1055 (HY000): 'only_full_group_by' フラグが有効なため、GROUP BY 句で選択されていない列 'country_code' を関数 'COUNT()' で使用できません。
原因
このエラーが発生するのは、GROUP BY 句で選択されていない列を関数で集計しようとしているためです。only_full_group_by
モードが有効な場合、集計対象となるすべての列を GROUP BY 句で選択する必要があります。
解決策
このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を試してください。
- GROUP BY 句で集計対象となるすべての列を選択する
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code;
- only_full_group_by モードを無効にする
SET SQL_MODE = 'NO_ONLY_FULL_GROUP_BY';
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code;
- 集計関数に GROUP BY オプションを使用する
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code WITH ROLLUP;
詳細
only_full_group_by
モードについて詳しくは、以下のドキュメントを参照してください。
補足
only_full_group_by
モードは、MySQL 5.7.5 以降でデフォルトで有効になっています。- このモードを無効にすることはできますが、セキュリティ上のリスクがあるため、推奨されません。
- GROUP BY 句で選択されていない列を関数で集計する必要がある場合は、上記の解決策を参考にしてください。
- 上記以外にも、エラーが発生する原因はいくつか考えられます。詳細な情報は、エラーメッセージの内容や、使用している MySQL のバージョンなどを考慮する必要があります。
- 問題解決に困難を感じている場合は、専門家に相談することをおすすめします。
例1: エラーが発生する例
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code;
このコードを実行すると、以下のエラーが発生します。
ERROR 1055 (HY000): 'only_full_group_by' フラグが有効なため、GROUP BY 句で選択されていない列 'country_code' を関数 'COUNT()' で使用できません。
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code,
country_name;
このコードでは、country_code
と country_name
の両方を GROUP BY 句で選択しているので、エラーは発生しません。
SET SQL_MODE = 'NO_ONLY_FULL_GROUP_BY';
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code;
このコードでは、SET SQL_MODE
ステートメントを使用して、only_full_group_by
モードを無効にしています。
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code WITH ROLLUP;
このコードでは、COUNT(*)
関数に GROUP BY
オプションを使用しています。このオプションを使用すると、GROUP BY 句で選択されていない列も含めて集計することができます。
only_full_group_by エラーに対処するその他の方法
CASE 式を使用する
GROUP BY 句で選択されていない列を条件として使用したい場合は、CASE 式を使用することができます。
SELECT
country_code,
COUNT(CASE WHEN country_name = 'Japan' THEN 1 END) AS total_count_japan
FROM
customers
GROUP BY
country_code;
このコードでは、country_name
列が 'Japan' かどうかを条件として、COUNT()
関数を使用して集計しています。
サブクエリを使用する
SELECT
country_code,
(SELECT COUNT(*) FROM customers WHERE country_code = c.country_code) AS total_count
FROM
customers AS c
GROUP BY
c.country_code;
このコードでは、サブクエリを使用して、country_code
ごとの顧客数を集計しています。
集計結果を後から結合する
GROUP BY 句で選択されていない列を関数で集計したい場合は、まず GROUP BY 句で必要な列を絞り込み、その後別のクエリで集計結果を結合することができます。
-- 1. GROUP BY で必要な列を絞り込む
SELECT
country_code
FROM
customers
GROUP BY
country_code;
-- 2. 集計結果を結合する
SELECT
c.country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
(
SELECT
country_code
FROM
customers
GROUP BY
country_code
) AS c
LEFT JOIN
(
SELECT
country_code,
COUNT(*) AS total_count
FROM
customers
GROUP BY
country_code
) AS t
ON
c.country_code = t.country_code;
このコードでは、まず 1 番目のクエリで country_code
ごとのグループを作成し、2 番目のクエリで country_code
ごとの顧客数を集計し、最後に結合しています。
- シンプルな方法でエラーに対処したい場合は、GROUP BY 句で集計対象となるすべての列を選択するのがおすすめです。
- より複雑な条件で集計を行いたい場合は、CASE 式やサブクエリを使用することができます。
- パフォーマンスを考慮する場合は、集計結果を後から結合する方法が有効な場合があります。
mysql sql group-by