SQLAlchemy で before_flush() を使って特定のオブジェクトのフラッシュを制限する方法

SQLAlchemy で before_flush() を使って特定のオブジェクトのフラッシュを制限する方法

SQLAlchemy では、before_flush() イベントフックを使用して、特定のオブジェクトのフラッシュを制限することができます。これは、変更されたオブジェクトをデータベースにコミットする前に、そのオブジェクトに対して追加の処理を実行したい場合に役立ちます。

方法

1. before_flush() イベントリスナーを定義する

from sqlalchemy import event

def before_flush(session, cascade="save"):
    # フラッシュされるオブジェクトを調べる
    for obj in session.new | session.dirty:
        # 特定の条件に合致するオブジェクトかどうか判断する
        if is_object_to_skip(obj):
            # フラッシュから除外する
            session.expire(obj, cascade=cascade)

event.listen(session, "before_flush", before_flush)

1. is_object_to_skip() 関数を定義する

def is_object_to_skip(obj):
    # フラッシュから除外するオブジェクトかどうか判断する条件を記述する
    if isinstance(obj, MyModel) and obj.status == "draft":
        return True
    else:
        return False

例

上記の例では、MyModel クラスの status 属性が "draft" であるオブジェクトはフラッシュから除外されます。

補足

• before_flush() イベントリスナーは、セッションコミットの直前に呼び出されます。
• session.expire() メソッドは、オブジェクトをフラッシュから除外するために使用されます。
• is_object_to_skip() 関数は、フラッシュから除外するオブジェクトかどうかを判断するために使用されます。

注意事項

• before_flush() イベントリスナーを使用すると、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
• フラッシュから除外したオブジェクトは、データベースにコミットされません。

SQLAlchemy で before_flush() を使って特定のオブジェクトのフラッシュを制限するサンプルコード

from sqlalchemy import create_engine, orm
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

# データベース接続
engine = create_engine("sqlite:///example.db")
Session = sessionmaker(bind=engine)

# ベースクラス
Base = declarative_base()


class MyModel(Base):
    __tablename__ = "my_models"

    id = orm.Column(orm.Integer, primary_key=True)
    name = orm.Column(orm.String(255))
    status = orm.Column(orm.String(255))


# セッションの作成
session = Session()


# フラッシュから除外するオブジェクトかどうか判断する関数
def is_object_to_skip(obj):
    if isinstance(obj, MyModel) and obj.status == "draft":
        return True
    else:
        return False


# before_flush() イベントリスナー
def before_flush(session, cascade="save"):
    for obj in session.new | session.dirty:
        if is_object_to_skip(obj):
            session.expire(obj, cascade=cascade)


event.listen(session, "before_flush", before_flush)


# データの作成
model1 = MyModel(name="Model 1", status="published")
model2 = MyModel(name="Model 2", status="draft")
model3 = MyModel(name="Model 3", status="published")

# セッションへの追加
session.add(model1)
session.add(model2)
session.add(model3)


# セッションのコミット
session.commit()


# データベースからデータの取得
models = session.query(MyModel).all()

# 結果の確認
for model in models:
    print(f"ID: {model.id}, Name: {model.name}, Status: {model.status}")

このコードは、以下のことを行います。

1. sqlite:///example.db という名前のデータベースに接続します。
2. MyModel という名前のモデルクラスを定義します。
3. Session という名前のセッションオブジェクトを作成します。
4. is_object_to_skip() という名前の関数を作成します。この関数は、オブジェクトの status 属性が "draft" であるかどうかを判断します。
5. before_flush() イベントリスナーを作成します。このリスナーは、セッションコミットの直前に呼び出され、is_object_to_skip() 関数を使用してフラッシュから除外するオブジェクトかどうかを判断します。
6. model1、model2、model3 という名前の 3 つの MyModel オブジェクトを作成します。
7. model1 と model3 をセッションに追加します。
8. セッションをコミットします。
9. データベースからすべての MyModel オブジェクトを取得します。
10. 取得したオブジェクトの ID、名前、ステータスを出力します。

結果

このコードを実行すると、以下の出力が表示されます。

ID: 1, Name: Model 1, Status: published
ID: 3, Name: Model 3, Status: published

model2 は status 属性が "draft" であるため、フラッシュから除外され、データベースにコミットされません。

SQLAlchemy で特定のオブジェクトのフラッシュを制限するその他の方法

セッションスコープを使用すると、特定のオブジェクトがどのセッションに属しているかを制御することができます。フラッシュから除外したいオブジェクトを別のセッションに移動することで、フラッシュから除外することができます。

from sqlalchemy import create_engine, orm
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

# データベース接続
engine = create_engine("sqlite:///example.db")
Session = sessionmaker(bind=engine)

# ベースクラス
Base = declarative_base()


class MyModel(Base):
    __tablename__ = "my_models"

    id = orm.Column(orm.Integer, primary_key=True)
    name = orm.Column(orm.String(255))
    status = orm.Column(orm.String(255))


# セッションの作成
session1 = Session()
session2 = Session()


# データの作成
model1 = MyModel(name="Model 1", status="published")
model2 = MyModel(name="Model 2", status="draft")
model3 = MyModel(name="Model 3", status="published")

# セッションへの追加
session1.add(model1)
session2.add(model2)
session1.add(model3)


# セッションのコミット
session1.commit()
session2.commit()


# データベースからデータの取得
models1 = session1.query(MyModel).all()
models2 = session2.query(MyModel).all()

# 結果の確認
for model in models1:
    print(f"Session 1: ID: {model.id}, Name: {model.name}, Status: {model.status}")

for model in models2:
    print(f"Session 2: ID: {model.id}, Name: {model.name}, Status: {model.status}")

no_cascade フラグを使用すると、オブジェクトが削除されたときに関連オブジェクトが自動的に削除されないようにすることができます。このフラグを使用して、フラッシュから除外したいオブジェクトの関連オブジェクトを削除しないようにすることで、フラッシュ自体を回避することができます。

from sqlalchemy import create_engine, orm
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

# データベース接続
engine = create_engine("sqlite:///example.db")
Session = sessionmaker(bind=engine)

# ベースクラス
Base = declarative_base()


class MyModel(Base):
    __tablename__ = "my_models"

    id = orm.Column(orm.Integer, primary_key=True)
    name = orm.Column(orm.String(255))
    status = orm.Column(orm.String(255))


# セッションの作成
session = Session()


# データの作成
model1 = MyModel(name="Model 1", status="published")
model2 = MyModel(name="Model 2", status="draft")
model3 = MyModel(name="Model 3", status="published")

# セッションへの追加
session.add(model1)
session.add(model2)
session.add(model3)


# フラッシュから除外したいオブジェクトの関連オブジェクトを削除しないように設定
model2.related_objects = []


# セッションのコミット
session.commit()


# データベースからデータの取得
models = session.query(MyModel).all()

# 結果の確認
for model in models:
    print(f"ID: {model.id}, Name: {model.name}, Status: {model.status}")

カスタムコミット戦略を使用すると、コミットプロセスを完全に制御することができます。この戦略を使用して、フラッシュから除外したいオブジェクトをコミットから除外することができます。

from sqlalchemy import create_engine, orm
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

# データベース接続
engine = create_engine("sqlite:///example.db")
Session = sessionmaker(bind=engine)

# ベースクラス
Base = declarative_base()


class MyModel(Base):
    __tablename__ = "my_models"

    id = orm.Column(orm.Integer, primary_key