MySQL、SQL、MariaDBでエラーを回避する:バッククォートとアポストロフィの正しい使い方
MySQL、SQL、MariaDBにおけるバッククォートとアポストロフィの違い
MySQL、SQL、MariaDBなどのデータベースでは、バッククォート()とアポストロフィ(' ')は区切り文字として使用されます。しかし、両者の間には重要な違いがあり、混同するとエラーが発生する可能性があります。
バッククォート
- テーブル名、列名、データベース名など、識別子を囲むために使用されます。
- 予約語や特殊文字を含む識別子を囲む必要がある場合に使用されます。
- 例:
`users` テーブル
`first_name` 列
`my_database` データベース
アポストロフィ
- 文字列リテラルを囲むために使用されます。
'John Doe'
'This is a string with a space.'
主な違い
機能 | バッククォート | アポストロフィ |
---|---|---|
使用目的 | 識別子を囲む | 文字列リテラルを囲む |
予約語を含む識別子 | 使用可能 | 使用不可 |
複数文字の識別子 | 使用可能 | 使用不可 |
空白を含む文字列 | 使用可能 | 使用不可 |
例
# テーブル名
CREATE TABLE `users` (
`id` INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
`name` VARCHAR(255) NOT NULL,
PRIMARY KEY (`id`)
);
# 文字列リテラル
SELECT 'John Doe' FROM `users`;
# 予約語を含む識別子
SELECT `user_id` FROM `users`;
# 複数文字の識別子
SELECT `first name` FROM `users`;
# 空白を含む文字列
SELECT 'This is a string with a space.' FROM `users`;
バッククォートとアポストロフィは、MySQL、SQL、MariaDBなどのデータベースで区切り文字として使用されます。しかし、両者の間には重要な違いがあり、混同するとエラーが発生する可能性があります。それぞれの用途を理解し、正しく使い分けることが重要です。
# テーブル名
CREATE TABLE `users` (
`id` INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
`name` VARCHAR(255) NOT NULL,
PRIMARY KEY (`id`)
);
# 文字列リテラル
SELECT 'John Doe' FROM `users`;
# 予約語を含む識別子
SELECT `user_id` FROM `users`;
# 複数文字の識別子
SELECT `first name` FROM `users`;
# 空白を含む文字列
SELECT 'This is a string with a space.' FROM `users`;
# バッククォートとアポストロフィの比較
SELECT `name`, 'name' FROM `users`;
# エラー例
-- 予約語をアポストロフィで囲む
SELECT 'user_id' FROM `users`;
-- 複数文字の識別子をアポストロフィで囲む
SELECT 'first name' FROM `users`;
-- 空白を含む文字列をバッククォートで囲む
SELECT `This is a string with a space.` FROM `users`;
上記のサンプルコードは、バッククォートとアポストロフィの使用方法を示しています。
- 最初の
CREATE TABLE
ステートメントは、users
という名前のテーブルを作成します。このテーブルには、id
、name
という2つの列があります。id
列は主キーです。 - 2番目の
SELECT
ステートメントは、users
テーブルからname
列の値を選択します。 - 3番目の
SELECT
ステートメントは、user_id
という名前の列を選択します。この列名は予約語なので、バッククォートで囲む必要があります。 - 5番目の
SELECT
ステートメントは、空白を含む文字列を選択します。この文字列はアポストロフィで囲む必要があります。 - 6番目の
SELECT
ステートメントは、name
列とname
という文字列を比較します。 - 最後の2つの
SELECT
ステートメントは、エラー例です。予約語や複数文字の識別子をアポストロフィで囲むと、エラーが発生します。
このサンプルコードを実行することで、バッククォートとアポストロフィの違いを理解することができます。
バッククォートとアポストロフィの代わりに使える方法
予約語をエスケープする
MySQL、SQL、MariaDBでは、予約語をエスケープすることで、識別子として使用することができます。エスケープするには、予約語の前にバックスラッシュ (\
) を追加します。
SELECT `user_id` FROM `users`;
上記の例では、user_id
は予約語なので、バックスラッシュでエスケープする必要があります。
識別子を二重引用符で囲む
MySQL 8.0以降では、識別子を二重引用符 ("
) で囲むことで、バッククォートやアポストロフィを使用せずに使用することができます。
SELECT "user_id" FROM "users";
識別子を大文字と小文字で区別する
MySQL、SQL、MariaDBでは、識別子はデフォルトで大文字と小文字を区別しません。しかし、lower_case_table_names
システム変数を 0
に設定することで、識別子を大文字と小文字で区別することができます。
SET lower_case_table_names = 0;
CREATE TABLE Users (
Id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
Name VARCHAR(255) NOT NULL,
PRIMARY KEY (Id)
);
SELECT Name FROM Users;
上記の例では、lower_case_table_names
システム変数を 0
に設定しているので、Users
テーブル名は users
ではなく Users
と記述する必要があります。
別のデータベースを使用する
PostgreSQLなどのデータベースでは、バッククォートとアポストロフィの区別がありません。
注意事項
上記の方法を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- エスケープされた予約語は、データベースによっては動作しない場合があります。
- 二重引用符で囲まれた識別子は、パフォーマンスに影響を与える場合があります。
- 識別子を大文字と小文字で区別すると、コードの可読性が低下する可能性があります。
- 別のデータベースを使用すると、既存のコードを変更する必要がある場合があります。
上記の方法は、バッククォートとアポストロフィの代わりに使用できる方法です。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、状況に応じて使い分ける必要があります。
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