MySQL/MariaDBのパフォーマンス最適化:インデックス作成の落とし穴と解決策

2024-06-23

MySQL/MariaDBで大規模なテーブルにインデックスを作成する際の注意点と高速化のヒント

インデックスは、クエリのパフォーマンスを向上させるために不可欠なツールですが、作成と更新にはコストがかかります。そのため、適切なインデックス戦略を策定することが重要です。

以下では、MySQL/MariaDBで大規模なテーブルにインデックスを作成する際の注意点と高速化のヒントについて詳しく説明します。

インデックスが必要かどうかを判断する

すべての列にインデックスを作成する必要はありません。インデックスを作成する前に、以下の点について検討する必要があります。

  • クエリパターン: どのカラムがWHERE句やORDER BY句で使用されるかを分析します。これらのカラムにインデックスを作成すると、クエリの速度が向上します。
  • データの更新頻度: 更新頻度の高いカラムにインデックスを作成すると、インデックスの更新処理がオーバーヘッドとなり、パフォーマンスが低下する可能性があります。
  • カーディナリティ: 列の値の種類が少ない場合は、その列にインデックスを作成しても効果が薄くなります。

複合インデックスを検討する

複数のカラムで絞り込みを行うクエリの場合は、複合インデックスを作成することを検討します。複合インデックスは、複数のカラムを結合したインデックスです。単一カラムのインデックスよりも効果的な場合がありますが、インデックスのサイズが大きくなり、更新処理のオーバーヘッドが増加する可能性があることに注意する必要があります。

部分インデックスを使用する

テーブル全体ではなく、特定の範囲のみを対象としたクエリの場合は、部分インデックスを使用することができます。部分インデックスは、テーブルの一部のみを対象としたインデックスです。インデックスのサイズが小さくなり、更新処理のオーバーヘッドが軽減されます。

インデックス作成時のパフォーマンスを最適化する

以下の方法で、インデックス作成時のパフォーマンスを最適化することができます。

  • オフピーク時にインデックスを作成する: データベースの負荷が少ない時間帯にインデックスを作成します。
  • ALTER TABLE ... DISABLE KEYS; を使用する: インデックスの使用を無効にしてからインデックスを作成することで、一時的にパフォーマンスを向上させることができます。
  • innodb_buffer_pool_sizeを調整する: インデックスバッファのサイズを調整することで、インデックス作成処理のパフォーマンスを向上させることができます。

その他の高速化のヒント

  • テーブルをパーティショニングする: 大規模なテーブルをパーティション分割することで、インデックス作成処理を分割して実行することができます。
  • 古いバージョンからアップグレードする: 新しいバージョンのMySQL/MariaDBには、インデックス作成処理のパフォーマンスを向上させるための機能が追加されている場合があります。
  • ハードウェアをアップグレードする: CPU、メモリ、ストレージなどのハードウェアをアップグレードすることで、インデックス作成処理のパフォーマンスを向上させることができます。

インデックスは、データベースのパフォーマンスを向上させるために重要なツールですが、適切に使用しなければ逆にパフォーマンスを低下させる可能性があります。上記のヒントを参考に、状況に合ったインデックス戦略を策定することが重要です。




CREATE INDEX idx_customers_customer_id_last_name
ON customers (customer_id, last_name);

このインデックスは、customer_idlast_name カラムの値を同時に使用して顧客を検索するクエリのパフォーマンスを向上させます。

以下のコードは、orders テーブルに order_date カラムの部分インデックスを作成する例です。

CREATE INDEX idx_orders_order_date_partial
ON orders (order_date)
WHERE order_date >= '2023-01-01';

このインデックスは、2023年1月1日以降の注文のみを対象としたクエリのパフォーマンスを向上させます。

上記はあくまでも例であり、具体的なクエリやデータ構造に合わせてインデックスを設計する必要があります。




MySQL/MariaDBで大規模なテーブルにインデックスを作成する際のその他の方法

オンラインインデックス作成ツールを使用する

オンラインインデックス作成ツールは、既存のテーブルにインデックスを作成しながら、テーブルへのアクセスを維持するツールです。従来のインデックス作成方法と比べて、ダウンタイムを抑えることができ、運用中のデータベースへの影響を最小限に抑えることができます。

MySQLには、innodb_online_alter_table テーブルと ALTER TABLE ... ONLINE 句を使用してオンラインインデックス作成を行う機能が組み込まれています。MariaDBにも同様の機能が提供されています。

パーティショニングとインデックスを組み合わせる

パーティショニングインデックスを組み合わせることで、大規模なテーブルのパフォーマンスをさらに向上させることができます。パーティショニングは、テーブルを論理的なサブセットに分割する技術です。各パーティションに個別のインデックスを作成することで、個々のパーティションに対するクエリのパフォーマンスを向上させることができます。

非圧縮カラムを使用する

非圧縮カラムを使用すると、インデックスのサイズを小さくし、作成と更新のパフォーマンスを向上させることができます。ただし、非圧縮カラムは圧縮カラムよりもストレージ容量を多く必要とすることに注意する必要があります。

インデックスモニターを使用する

インデックスモニターは、インデックスの使用状況を監視し、パフォーマンス上の問題を特定するのに役立つツールです。MySQLとMariaDBにはそれぞれ、組み込みのインデックスモニターが提供されています。

専門家に相談する

インデックス戦略の策定に困難を感じている場合は、データベースパフォーマンスの専門家に相談することを検討してください。専門家は、データベースのワークロードを分析し、最適なインデックス戦略を策定することができます。

MySQL/MariaDBで大規模なテーブルにインデックスを作成する際には、パフォーマンスへの影響を慎重に検討する必要があります。上記で紹介したヒントと方法は、インデックス作成処理を最適化し、データベースのパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。

状況に合った最適な方法を選択することが重要です。複雑な場合は、専門家に相談することを検討してください。


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