MariaDB への接続で発生する "Can't connect to local MySQL server through socket '/var/run/mysqld/mysqld.sock' (2 "No such file or directory")" エラー: 原因と解決策

"Can't connect to local MySQL server through socket '/var/run/mysqld/mysqld.sock' (2 "No such file or directory")" エラー: ソケットと MariaDB に関する詳細解説

概要

このエラーメッセージは、MariaDB (MySQL と互換性のあるデータベース管理システム) に接続しようとしたときに発生します。エラーメッセージは、MariaDB が実行されていない、またはソケットファイルが見つからないことを示しています。

ソケットは、プロセス間通信(IPC) を可能にするオペレーティングシステムの機能です。MariaDB は、クライアントアプリケーションと通信するために Unix ソケットを使用します。このソケットファイルは通常、/var/run/mysqld/mysqld.sock にあります。

エラーの原因

このエラーが発生する主な原因は次のとおりです。

• MariaDB が実行されていない: MariaDB が起動されていない場合、ソケットファイルは作成されません。
• ソケットファイルが見つからない: ソケットファイルが削除されたか、破損している可能性があります。
• ソケットファイルのアクセス許可が正しくない: ソケットファイルのアクセス許可が正しく設定されていない場合、MariaDB クライアントアプリケーションはアクセスできません。
• ソケットファイルの場所が異なる: MariaDB が非標準の場所にある場合、ソケットファイルの場所も異なる可能性があります。

解決策

このエラーを解決するには、次の手順を実行します。

1. MariaDB が実行されていることを確認する: systemctl status mariadb コマンドを実行して、MariaDB が実行されているかどうかを確認します。実行されていない場合は、systemctl start mariadb コマンドを実行して起動します。
2. ソケットファイルが存在することを確認する: ls /var/run/mysqld/mysqld.sock コマンドを実行して、ソケットファイルが存在するかどうかを確認します。存在しない場合は、MariaDB を再起動するか、手動でソケットファイルを作成する必要があります。
3. ソケットファイルのアクセス許可を確認する: ls -l /var/run/mysqld/mysqld.sock コマンドを実行して、ソケットファイルのアクセス許可を確認します。ソケットファイルのグループが mysql であることを確認してください。そうでない場合は、sudo chown mysql:mysql /var/run/mysqld/mysqld.sock コマンドを実行してアクセス許可を変更します。
4. ソケットファイルの場所を確認する: MariaDB が非標準の場所にある場合は、mysqld_safe --defaults-file=/etc/my.cnf コマンドを実行して、ソケットファイルの場所を確認できます。ソケットファイルの場所が異なる場合は、mysql コマンドを実行するときに -S オプションを使用して正しい場所を指定する必要があります。

MariaDB の再インストール

上記の手順で問題が解決しない場合は、MariaDB を再インストールする必要があります。再インストールを行う前に、MariaDB データをバックアップすることを忘れないでください。

補足

このエラーメッセージは、MariaDB だけでなく、MySQL でも発生する可能性があります。解決策も基本的に同じです。

以下のコードは、MariaDB に接続し、ソケットエラーを処理する例です。

import mariadb

def connect_to_db():
    try:
        # MariaDB に接続する
        db = mariadb.connect(
            user="username",
            password="password",
            host="localhost",
            port=3306,
            database="database_name"
        )
        print("データベースに接続しました")
        return db
    except mariadb.Error as e:
        # ソケットエラーの場合
        if e.errno == 2:
            print("ソケットファイルが見つかりません。")
        else:
            print(f"エラーが発生しました: {e}")
        return None

def main():
    db = connect_to_db()
    if db:
        # データベース操作を実行する
        cursor = db.cursor()
        cursor.execute("SELECT * FROM users")
        for row in cursor:
            print(row)

        # データベースを閉じる
        db.close()

if __name__ == "__main__":
    main()

説明

• connect_to_db() 関数は、MariaDB に接続を試みます。
• try...except ブロックを使用して、接続エラーを処理します。
• mariadb.Error 例外が発生した場合、e.errno 属性を使用してエラーコードを確認します。
• e.errno が 2 の場合、ソケットファイルが見つからないことを示します。
• その他のエラーが発生した場合は、エラーメッセージを印刷します。
• 接続が成功した場合は、データベース操作を実行します。
• 最後に、データベースを閉じます。

注記

• このコードはあくまで例であり、実際のアプリケーションではエラー処理をより詳細に行う必要があります。
• パスワードなどの機密情報はコードにハードコーディングしないでください。

MariaDB に接続するその他の方法

前述の通り、「Can't connect to local MySQL server through socket '/var/run/mysqld/mysqld.sock' (2 "No such file or directory")」エラーは、MariaDB サーバーが実行されていない、ソケットファイルが存在しないまたは破損している、ソケットファイルのアクセス許可が正しくないなどが原因で発生します。

このエラーを解決するには、以下の 3つの代替方法 で MariaDB に接続することができます。

TCP/IP 接続を使用する

MariaDB は、Unix ソケットだけでなく、TCP/IP 接続経由でもクライアントからの接続を受け付けることができます。TCP/IP 接続を使用するには、以下の手順を実行します。

1. MariaDB サーバーの設定ファイル (/etc/my.cnf) を編集し、bind-address パラメータを 127.0.0.1 から 0.0.0.0 に変更します。
2. MariaDB サーバーを再起動します。
3. 以下のコマンドを使用して、クライアントアプリケーションから MariaDB に接続します。

mysql -u username -p -h localhost -P 3306

例:

mysql -u root -p -h 127.0.0.1 -P 3306

利点:

• Unix ソケットファイルにアクセスできない場合でも接続可能
• ファイアウォールを経由したリモート接続が可能

• Unix ソケット接続よりも若干オーバーヘッドが大きい

SSH トンネルを使用して、リモートマシン上の MariaDB サーバーに安全に接続することができます。SSH トンネルを使用するには、以下の手順を実行します。

1. リモートマシンに SSH で接続します。
2. 以下のコマンドを使用して、SSH トンネルを作成します。

ssh -L 3306:localhost:3306 username@remote_host

ssh -L 3306:localhost:3306 [email protected]

1. ローカルマシン上のクライアントアプリケーションから、以下のコマンドを使用して MariaDB に接続します。

mysql -u username -p -h localhost -P 3306

• データを暗号化して送信できる

• SSH トンネルのセットアップと管理が複雑

クラウドホスティングサービスを使用する

Amazon RDS や Google Cloud SQL などのクラウドホスティングサービスを利用して、MariaDB サーバーをホストすることができます。クラウドホスティングサービスを使用すれば、サーバーのセットアップや管理を自分で行う必要がなく、スケーラブルで高可用性のデータベース環境を構築することができます。

• サーバーのセットアップや管理が不要
• スケーラブルで高可用性のデータベース環境を構築できる
• インターネット経由でどこからでも接続可能

• オンプレミスソリューションよりもコストがかかる場合がある

MariaDB に接続する方法には、Unix ソケット接続、TCP/IP 接続、SSH トンネル、クラウドホスティングサービスなどがあります。それぞれの方法には利点と欠点があるため、要件に応じて最適な方法を選択する必要があります。