PostgreSQL: string_aggによる文字列結合とdistinctによる重複除去の落とし穴と対策

2024-06-30

PostgreSQL における string_agg と distinct の問題

しかし、これらの機能を組み合わせると、予期しない結果が生じる場合があります。

問題

string_aggdistinct を一緒に使用すると、結合された文字列リストから重複する文字列が すべて 除去されてしまう可能性があります。これは、distinct が個々の文字列ではなく、結合された文字列リスト全体に対して適用されるためです。

SELECT string_agg(DISTINCT column_name, ',') AS result
FROM table_name;

このクエリは、table_name テーブルの column_name 列のすべての値をカンマ区切りのリストに結合しようとします。しかし、distinct キーワードが使用されているため、結合された文字列リストから重複する文字列がすべて除去されてしまいます。

解決策

この問題を解決するには、以下のいずれかの方法を使用する必要があります。

distinct を使用しない

重複する文字列を許可する場合は、distinct キーワードを使用しないでください。

SELECT string_agg(column_name, ',') AS result
FROM table_name;

重複する文字列を個別に処理する

重複する文字列を除去する必要がある場合は、distinct キーワードを使用する代わりに、個別に処理する必要があります。

SELECT string_agg(DISTINCT subquery.result, ',') AS result
FROM (
    SELECT column_name
    FROM table_name
    GROUP BY column_name
) AS subquery;

このクエリは、table_name テーブルの column_name 列のすべての値をグループ化し、各グループの最初の値のみを string_agg 関数に渡します。これにより、結合された文字列リストから重複する文字列が除去されます。

array_agg 関数は、複数の値を配列に結合するために使用できます。distinct キーワードは配列に対して適用されないため、重複する値が保持されます。

SELECT array_agg(DISTINCT column_name) AS result
FROM table_name;

このクエリは、table_name テーブルの column_name 列のすべての値をカンマ区切りのリストではなく、配列に結合します。

string_aggdistinct を一緒に使用するときは、予期しない結果が生じる可能性があることに注意する必要があります。重複する文字列の処理方法に応じて、適切な解決策を選択してください。




PostgreSQLにおけるstring_aggとdistinctのサンプルコード

以下のテーブル customers があり、city 列の重複する値を除去して、各顧客の出身都市をカンマ区切りのリストに結合したいとします。

CREATE TABLE customers (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  city VARCHAR(255) NOT NULL
);

INSERT INTO customers (name, city) VALUES
  ('Alice', 'New York'),
  ('Bob', 'Chicago'),
  ('Charlie', 'New York'),
  ('David', 'Chicago'),
  ('Eve', 'San Francisco');

誤った方法

以下のクエリは、distinct キーワードを使用していますが、期待通りの結果が得られません。

SELECT string_agg(DISTINCT city, ',') AS distinct_cities
FROM customers;

このクエリを実行すると、以下の結果が出力されます。

distinct_cities: New York, Chicago

これは、distinct キーワードが個々の文字列ではなく、結合された文字列リスト全体に対して適用されるためです。そのため、New YorkChicago はそれぞれ 1 回しか出現しません。

SELECT string_agg(city, ',') AS all_cities
FROM customers;
all_cities: New York, Chicago, New York, Chicago, San Francisco
SELECT string_agg(DISTINCT subquery.result, ',') AS distinct_cities
FROM (
    SELECT city
    FROM customers
    GROUP BY city
) AS subquery;
distinct_cities: New York, Chicago, San Francisco

解決策3:array_agg 関数を使用する

SELECT array_agg(DISTINCT city) AS distinct_cities
FROM customers;
distinct_cities: {"New York", "Chicago", "San Francisco"}



PostgreSQLにおけるstring_aggとdistinctのその他の方法

ウィンドウ関数を使用する

PostgreSQLのウィンドウ関数は、特定の行のグループに対して集計を実行するために使用できます。この場合、DISTINCTウィンドウ関数は、各行グループ内の重複する値を除去するために使用できます。

SELECT
  customer_name,
  string_agg(DISTINCT city, ',') OVER (PARTITION BY customer_name) AS distinct_cities
FROM customers;

このクエリは、各顧客ごとにdistinct_cities列を生成します。

サブクエリを使用して、distinct処理を個別に実行することもできます。

SELECT
  customer_name,
  (
    SELECT string_agg(DISTINCT city, ',')
    FROM customers AS subquery
    WHERE subquery.customer_name = customers.customer_name
  ) AS distinct_cities
FROM customers;

このクエリは、前述のウィンドウ関数クエリと同じ結果を生成します。

CTE (Common Table Expression)を使用する

WITH distinct_cities AS (
  SELECT customer_name, string_agg(DISTINCT city, ',') AS distinct_city
  FROM customers
  GROUP BY customer_name
)
SELECT * FROM distinct_cities;

このクエリは、distinct_citiesという名前のCTEを作成し、そのCTEを使用して最終結果を生成します。

外部ライブラリを使用する

PostgreSQLには、string_aggdistinctを組み合わせる問題に対処するために使用できるいくつかの外部ライブラリがあります。

    これらのライブラリは、追加の機能とユーティリティを提供し、string_aggdistinctを組み合わせる問題をより簡単に解決できるようにします。

    string_aggdistinctを組み合わせる問題に対処するには、さまざまな方法があります。上記の解決策は、それぞれ長所と短所があります。ニーズに合った適切な解決策を選択してください。

    補足

    上記の解決策に加えて、CASE式やその他の条件式を使用して、結合される文字列をさらに制御することもできます。

    例:

    SELECT
      customer_name,
      string_agg(DISTINCT CASE WHEN city = 'New York' THEN 'NYC' ELSE city END, ',') AS distinct_cities
    FROM customers;
    

    このクエリは、New YorkNYC に置き換えて、distinct_cities 列を生成します。

    これらの方法は、string_aggdistinctを柔軟に使用し、ニーズに合った結果を生成するのに役立ちます。


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