PostgreSQLでCTEを使用して3つのテーブルに一度にデータを挿入する方法
PostgreSQLでCTEを使用して3つのテーブルに一度にデータを挿入する方法
PostgreSQLでは、CTE (Common Table Expression)と呼ばれる機能を使用して、複雑なクエリをより読みやすく、メンテナンスしやすいモジュール化された部分に分割することができます。CTEを使用して、3つのテーブルに一度にデータを挿入することもできます。
例
以下の例では、customers
、orders
、order_items
という3つのテーブルがあると仮定します。
-- customersテーブル
CREATE TABLE customers (
customer_id serial PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL
);
-- ordersテーブル
CREATE TABLE orders (
order_id serial PRIMARY KEY,
customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id),
order_date DATE NOT NULL
);
-- order_itemsテーブル
CREATE TABLE order_items (
order_item_id serial PRIMARY KEY,
order_id INT NOT NULL REFERENCES orders(order_id),
product_id INT NOT NULL,
quantity INT NOT NULL
);
以下のCTEを使用して、3つのテーブルにデータを挿入できます。
WITH customer_data AS (
VALUES
('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]')
),
order_data AS (
SELECT customer_id, current_date
FROM customer_data
),
order_items_data AS (
VALUES
(1, 123, 1),
(1, 456, 2),
(2, 789, 3)
)
INSERT INTO customers (name, email)
SELECT * FROM customer_data;
INSERT INTO orders (customer_id, order_date)
SELECT * FROM order_data;
INSERT INTO order_items (order_id, product_id, quantity)
SELECT * FROM order_items_data;
この例では、まず3人の顧客のデータをcustomer_data
というCTEに挿入します。次に、order_data
というCTEを使用して、各顧客の新しい注文の日付を現在の日に設定します。最後に、order_items_data
というCTEを使用して、各注文の注文品目を挿入します。
CTEを使用する利点は次のとおりです。
- 可読性: 複雑なクエリをより小さな、理解しやすい部分に分割できます。
- メンテナンス性: CTEを変更するだけで、クエリ全体を変更する必要はありません。
- 再利用性: CTEを別のクエリで使用できます。
PostgreSQLのCTEを使用して、3つのテーブルに一度にデータを挿入することは、複雑なデータ挿入操作をより簡単に、効率的に実行する方法です。
補足
- 上記の例は単純化されたものであり、実際の使用例ではより複雑なクエリが必要になる場合があります。
PostgreSQLでCTEを使用して3つのテーブルに一度にデータを挿入する - サンプルコード
-- customersテーブルを作成
CREATE TABLE customers (
customer_id serial PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL
);
-- ordersテーブルを作成
CREATE TABLE orders (
order_id serial PRIMARY KEY,
customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id),
order_date DATE NOT NULL
);
-- order_itemsテーブルを作成
CREATE TABLE order_items (
order_item_id serial PRIMARY KEY,
order_id INT NOT NULL REFERENCES orders(order_id),
product_id INT NOT NULL,
quantity INT NOT NULL
);
-- 顧客データを挿入
WITH customer_data AS (
VALUES
('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]')
)
INSERT INTO customers (name, email)
SELECT * FROM customer_data;
-- 各顧客の注文データを作成
WITH order_data AS (
SELECT customer_id, current_date
FROM customer_data
)
INSERT INTO orders (customer_id, order_date)
SELECT * FROM order_data;
-- 各注文の注文品目データを挿入
WITH order_items_data AS (
VALUES
(1, 123, 1),
(1, 456, 2),
(2, 789, 3)
)
INSERT INTO order_items (order_id, product_id, quantity)
SELECT * FROM order_items_data;
説明
CREATE TABLE
ステートメントを使用して、customers
、orders
、order_items
という3つのテーブルを作成します。各テーブルには、そのテーブルのデータを説明する列が含まれます。WITH
ステートメントを使用して、customer_data
、order_data
、order_items_data
という3つのCTEを作成します。各CTEは、3つのテーブルに挿入するデータのサブセットを表します。INSERT
ステートメントを使用して、CTEのデータを選択し、対応するテーブルに挿入します。
このコードは、3つのテーブルにデータを挿入するための基本的な例です。実際の使用例では、より多くのデータや複雑なクエリが必要になる場合があります。
- 上記のコードは、PostgreSQL 10以降で使用できます。
PostgreSQLで3つのテーブルにデータを挿入するその他の方法
個別のINSERTステートメントを使用する
最も単純な方法は、個別のINSERT
ステートメントを使用して、各テーブルにデータを挿入することです。
-- customersテーブルにデータを挿入
INSERT INTO customers (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]');
-- ordersテーブルにデータを挿入
INSERT INTO orders (customer_id, order_date)
VALUES (1, current_date),
(2, current_date);
-- order_itemsテーブルにデータを挿入
INSERT INTO order_items (order_id, product_id, quantity)
VALUES (1, 123, 1),
(1, 456, 2),
(2, 789, 3);
この方法は、データ量が少ない場合や、テーブル間の関係が単純な場合に適しています。
COPY
コマンドは、テキストファイルからデータをテーブルに高速にロードするためのものです。
-- customers.csvというファイルに顧客データがある場合
COPY INTO customers (name, email)
FROM 'customers.csv' CSV HEADER;
-- orders.csvというファイルに注文データがある場合
COPY INTO orders (customer_id, order_date)
FROM 'orders.csv' CSV HEADER;
-- order_items.csvというファイルに注文品目データがある場合
COPY INTO order_items (order_id, product_id, quantity)
FROM 'order_items.csv' CSV HEADER;
この方法は、大量のデータを挿入する場合に適しています。
PL/pgSQLは、PostgreSQLに組み込まれた拡張言語であり、より複雑なデータ挿入操作を実行するために使用できます。
CREATE OR REPLACE FUNCTION insert_data()
RETURNS void
AS $$
BEGIN
-- 顧客データを挿入
INSERT INTO customers (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]');
-- 各顧客の注文データを作成
INSERT INTO orders (customer_id, order_date)
SELECT customer_id, current_date
FROM customers;
-- 各注文の注文品目データを挿入
INSERT INTO order_items (order_id, product_id, quantity)
VALUES
(1, 123, 1),
(1, 456, 2),
(2, 789, 3);
END; $$ LANGUAGE plpgsql;
-- 関数を実行
CALL insert_data();
この方法は、条件分岐やループなどの複雑なロジックが必要な場合に適しています。
最適な方法の選択
使用する方法は、データ量、テーブル間の関係、および必要な処理の複雑さによって異なります。
- データ量が少ない場合は、個別の
INSERT
ステートメントを使用するのが最も簡単です。 - 大量のデータを挿入する場合は、
COPY
コマンドを使用すると高速化できます。 - 複雑なデータ挿入操作が必要な場合は、PL/pgSQLを使用できます。
- 上記に記載されている方法はほんの一例です。PostgreSQLには、データ挿入のための他にも様々な機能が用意されています。
- データを挿入する前に、必ずバックアップを取ってください。
sql postgresql common-table-expression