【保存版】PostgreSQLでユニーク列にNULLを許可する際に絶対に知っておきたいポイント

2024-06-27

PostgreSQLでユニーク列にNULLを許可する方法

PostgreSQLにおいて、ユニーク制約は列の値が重複することを防ぎます。デフォルトでは、NULL値も重複チェックの対象となりますが、状況によってはNULLを許可したい場合もあります。

本記事では、PostgreSQLでユニーク列にNULLを許可する方法について、2つの方法に分けて詳しく解説します。

方法1:UNIQUE INDEX WITH NULLS NOT DISTINCT

PostgreSQL 15では、UNIQUE INDEX に新しいオプション NULLS NOT DISTINCT が導入されました。このオプションを使用することで、NULL値を区別し、重複を許可しないユニーク制約を作成できます。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255) UNIQUE INDEX WITH NULLS NOT DISTINCT
);

上記のように、name 列にユニーク制約を設定した場合、NULL以外の値が重複することは許可されません。一方、2つのNULL値は重複として扱われません。

方法2:CHECK制約と部分インデックスの組み合わせ

PostgreSQL 15以前のバージョンでは、CHECK 制約と部分インデックスを組み合わせることで、ユニーク列にNULLを許可する方法があります。

  1. CHECK制約でNULL以外の値の重複を禁止
CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255),
  CHECK (name IS UNIQUE OR name IS NULL)
);

上記のように、CHECK 制約を使用して、name 列にNULL以外の値が重複することを禁止します。

  1. 部分インデックスでNULL値を検索
CREATE INDEX idx_users_name_not_null ON users (name) WHERE name IS NOT NULL;

部分インデックスを作成することで、name 列のNULL以外の値を高速に検索できます。

  • PostgreSQL 15以降を使用している場合:

補足事項

  • 外部キー制約を参照する列には、NULLを許可しないことをお勧めします。
  • NULL値の扱いについては、アプリケーションロジックで適切に処理する必要があります。



      PostgreSQLでユニーク列にNULLを許可するサンプルコード

      方法1:UNIQUE INDEX WITH NULLS NOT DISTINCT

      -- テーブルの作成
      CREATE TABLE users (
        id SERIAL PRIMARY KEY,
        name VARCHAR(255) UNIQUE INDEX WITH NULLS NOT DISTINCT
      );
      
      -- データの挿入
      INSERT INTO users (name) VALUES ('Taro');
      INSERT INTO users (name) VALUES (NULL);
      INSERT INTO users (name) VALUES ('Jiro');
      INSERT INTO users (name) VALUES (NULL);
      
      -- 既存のデータの更新
      UPDATE users
      SET name = NULL
      WHERE id = 2;
      
      -- データの削除
      DELETE FROM users
      WHERE id = 3;
      

      方法2:CHECK制約と部分インデックスの組み合わせ

      -- テーブルの作成
      CREATE TABLE users (
        id SERIAL PRIMARY KEY,
        name VARCHAR(255),
        CHECK (name IS UNIQUE OR name IS NULL)
      );
      
      -- 部分インデックスの作成
      CREATE INDEX idx_users_name_not_null ON users (name) WHERE name IS NOT NULL;
      
      -- データの挿入
      INSERT INTO users (name) VALUES ('Taro');
      INSERT INTO users (name) VALUES (NULL);
      INSERT INTO users (name) VALUES ('Jiro');
      INSERT INTO users (name) VALUES (NULL);
      
      -- 既存のデータの更新
      UPDATE users
      SET name = NULL
      WHERE id = 2;
      
      -- データの削除
      DELETE FROM users
      WHERE id = 3;
      

      上記のコード例では、以下の操作を行っています。

      1. テーブルの作成:
        • users テーブルを作成します。
        • id 列を主キーとして定義します。
        • name 列を文字列型 (VARCHAR(255)) で定義します。
      2. ユニーク制約の設定:
        • 方法1では、UNIQUE INDEX WITH NULLS NOT DISTINCT オプションを使用して、name 列にユニーク制約を設定します。
      3. データの挿入:
        • TaroNULL の2つのレコードを name 列に挿入します。
        • 方法1では、2つのNULL値が重複として扱われないことを確認します。
      4. 既存のデータの更新:
        • id が2番目のレコードの name 列をNULLに更新します。
        • 方法1では、更新後も2つのNULL値が存在することを確認します。
      5. データの削除:



        PostgreSQLでユニーク列にNULLを許可するその他の方法

        方法3:デフォルト値とUNIQUE制約の組み合わせ

        この方法は、デフォルト値を使用してNULL以外の値を自動的に設定することで、ユニーク制約を満たすようにします。

        CREATE TABLE users (
          id SERIAL PRIMARY KEY,
          name VARCHAR(255) UNIQUE DEFAULT 'default_name'
        );
        

        上記のように、name 列にデフォルト値 'default_name' を設定した場合、明示的に値を挿入しない場合、すべてのレコードに 'default_name' が格納されます。

        この方法の利点は、コードが簡潔になることです。一方で、デフォルト値が適切でない場合や、NULLを許容する必要がある場合に適していないという欠点があります。

        CREATE TABLE users (
          id SERIAL PRIMARY KEY,
          name VARCHAR(255) UNIQUE
        );
        
        CREATE OR REPLACE FUNCTION trigger_set_default_name()
        RETURNS TRIGGER AS $$
        BEGIN
          IF NEW.name IS NULL THEN
            UPDATE users
            SET name = 'default_name'
            WHERE id = NEW.id
            RETURNING NEW;
          ELSE
            RETURN NEW;
          END IF;
        END $$ LANGUAGE plpgsql;
        
        CREATE TRIGGER set_default_name
        BEFORE INSERT ON users
        FOR EACH ROW
        EXECUTE PROCEDURE trigger_set_default_name();
        

        上記のように、トリガー set_default_name を作成し、users テーブルへの挿入前に実行するように設定します。このトリガーは、name 列の値がNULLの場合に、デフォルト値 'default_name' を設定します。

        この方法の利点は、柔軟性が高いことです。一方で、トリガーのロジックが複雑になるという欠点があります。

        この方法は、ビューを使用して、name 列からNULL値を除外した仮想テーブルを作成し、そのビューに対してユニーク制約を設定します。

        CREATE VIEW view_users AS
        SELECT id, name
        FROM users
        WHERE name IS NOT NULL;
        
        CREATE UNIQUE INDEX idx_view_users_name ON view_users (name);
        

        上記のように、view_users ビューを作成し、name 列からNULL値を除外します。その後、このビューに対してユニーク制約 idx_view_users_name を設定します。

        この方法の利点は、既存のテーブルを変更せずに、ユニーク制約を適用できることです。一方で、ビューを使用するたびに元のテーブルを参照するため、パフォーマンスが低下する可能性があるという欠点があります。

        最適な方法は、要件状況によって異なります。

        • デフォルト値で問題ない場合: 方法3 (デフォルト値とUNIQUE制約の組み合わせ)
        • 既存のテーブルを変更したくない場合: 方法5 (ビューとUNIQUE制約の組み合わせ)

          sql postgresql database-design


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