SQL Server でデータの整合性を保ちながらパフォーマンスを向上させる方法
この文書では、SQL Server の WITH NOLOCK テーブルヒントとビューの関係について解説します。
WITH NOLOCK テーブルヒントは、テーブルに対するロックを取得せずに行を読み取ることをクエリオプティマイザーに指示します。これにより、クエリの応答速度が向上しますが、データの整合性が犠牲になる可能性があります。
ビューと WITH NOLOCK
ビューは、複数のテーブルからデータを結合して作成する仮想的なテーブルです。WITH NOLOCK テーブルヒントをビューに対して使用すると、ビューを構成するベーステーブルに対するロックを取得せずにデータを読み取ることができます。
注意点
WITH NOLOCK テーブルヒントをビューに対して使用する場合、以下の点に注意が必要です。
- データの整合性が犠牲になる可能性があります。
- ビューを構成するベーステーブルに対するロックを取得しないため、他のユーザーがデータの更新や削除を行う可能性があります。
- ビューを構成するベーステーブルのスキーマが変更された場合、ビューの動作が変わる可能性があります。
例
以下の例では、Customers
ビューに対して WITH NOLOCK テーブルヒントを使用しています。
SELECT *
FROM Customers WITH (NOLOCK);
このクエリは、Customers
ビューのデータをロックを取得せずに読み取ります。
WITH NOLOCK テーブルヒントは、ビューに対して使用することができます。ただし、データの整合性や他のユーザーによるデータの更新や削除の影響を受ける可能性があるため、注意が必要です。
環境
- SQL Server 2019
データベース
CREATE DATABASE WITHNOLOCK;
USE WITHNOLOCK;
GO
CREATE TABLE Customers (
CustomerID int NOT NULL IDENTITY(1, 1),
FirstName varchar(50) NOT NULL,
LastName varchar(50) NOT NULL,
Age int NOT NULL,
CONSTRAINT PK_Customers PRIMARY KEY (CustomerID)
);
GO
CREATE VIEW CustomersView AS
SELECT *
FROM Customers;
GO
クエリ
-- WITH NOLOCK を使用しないクエリ
SELECT *
FROM CustomersView;
GO
-- WITH NOLOCK を使用するクエリ
SELECT *
FROM CustomersView WITH (NOLOCK);
GO
結果
上記のクエリを実行すると、以下の結果が表示されます。
-- WITH NOLOCK を使用しないクエリ
CustomerID | FirstName | LastName | Age
----------+-----------+---------+-----
1 | John | Doe | 30
2 | Jane | Doe | 25
-- WITH NOLOCK を使用するクエリ
CustomerID | FirstName | LastName | Age
----------+-----------+---------+-----
1 | John | Doe | 30
2 | Jane | Doe | 25
解説
最初のクエリは WITH NOLOCK を使用していないため、Customers
テーブルに対するロックを取得してデータを読み取ります。2番目のクエリは WITH NOLOCK を使用しているため、Customers
テーブルに対するロックを取得せずにデータを読み取ります。
注意事項
WITH NOLOCK テーブルヒントを使用しない方法
スナップショットを使用すると、特定の時点のデータベースの状態をキャプチャすることができます。スナップショットを使用することで、データの整合性を保ちながら、読み取りクエリのパフォーマンスを向上させることができます。
READ COMMITTED トランザクションを使用すると、コミットされたデータのみを読み取ることができます。READ COMMITTED トランザクションを使用することで、データの整合性を保ちながら、読み取りクエリのパフォーマンスを向上させることができます。
NOLOCK ヒントをテーブルではなくクエリに使用する場合は、特定のテーブルに対するロックを取得せずにデータを読み取ることができます。ただし、この方法を使用すると、データの整合性が犠牲になる可能性があります。
インデックスを作成することで、クエリのパフォーマンスを向上させることができます。
WITH NOLOCK テーブルヒントは、データの整合性を犠牲にする可能性があるため、使用を避けるべき場合があります。WITH NOLOCK テーブルヒントを使用しない代わりに、上記の代替方法を検討することができます。
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