ウィンドウ関数、サブクエリ、CTE、結合:PostgreSQLで前の非NULL値を取得するベストプラクティス

2024-06-27

PostgreSQLで前の非NULL値を効率的に取得する方法

ウィンドウ関数を使う

PostgreSQL 8.4以降では、ウィンドウ関数を使用して前の非NULL値を簡単に取得できます。最も汎用性が高く、柔軟な方法です。

SELECT
  id,
  value,
  LAG(value, 1) OVER (ORDER BY id) AS previous_value
FROM your_table;

このクエリは、your_table テーブルの id 列で順序付けし、各行の value 列の前の非NULL値を previous_value 列として返します。

サブクエリを使う

ウィンドウ関数が使えない場合は、サブクエリを使用して前の非NULL値を取得できます。ただし、ウィンドウ関数よりも冗長で非効率になる可能性があります。

SELECT
  id,
  value,
  (
    SELECT value
    FROM your_table AS sub
    WHERE sub.id < your_table.id
    ORDER BY sub.id DESC
    LIMIT 1
  ) AS previous_value
FROM your_table;

COMMON TABLE EXPRESSION (CTE) を使う

サブクエリよりも効率的な方法として、CTEを使用して前の非NULL値を取得できます。

WITH previous_values AS (
  SELECT
    id,
    value,
    ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY id) AS row_num
  FROM your_table
)
SELECT
  pv.id,
  pv.value,
  (
    SELECT value
    FROM previous_values AS prev
    WHERE prev.id < pv.id
    AND prev.row_num = (SELECT MAX(row_num) FROM previous_values AS prev2 WHERE prev2.id < pv.id)
  ) AS previous_value
FROM previous_values AS pv;

結合を使う

SELECT
  t1.id,
  t1.value,
  t2.value AS previous_value
FROM your_table AS t1
LEFT JOIN your_table AS t2 ON t2.id < t1.id
AND t2.value IS NOT NULL
ORDER BY t1.id;
  • シンプルで効率的な方法が必要な場合: ウィンドウ関数を使用します。
  • ウィンドウ関数が使えない場合: サブクエリまたは CTE を使用します。
  • 結合で簡単に解決できる場合: 結合を使用します。

その他の注意点

  • 上記のクエリは、value 列が非NULL値のみを含むことを前提としています。
  • 複数の列で順序付けする必要がある場合は、ORDER BY 句を変更する必要があります。
  • 性能が重要な場合は、使用するクエリを適切に分析し、最適化することが重要です。



    PostgreSQLで前の非NULL値を取得するサンプルコード

    ウィンドウ関数を使う

    SELECT
      id,
      value,
      LAG(value, 1) OVER (ORDER BY id) AS previous_value
    FROM your_table;
    

    説明:

    • LAG() 関数は、指定したオフセット前の行の値を返します。この場合、オフセットは 1 なので、前の行の値が返されます。
    • ORDER BY 句は、LAG() 関数でどの行を基準にするかを指定します。この場合、id 列で昇順に並べ替えます。

    サブクエリを使う

    SELECT
      id,
      value,
      (
        SELECT value
        FROM your_table AS sub
        WHERE sub.id < your_table.id
        ORDER BY sub.id DESC
        LIMIT 1
      ) AS previous_value
    FROM your_table;
    
    • 外部クエリで your_table テーブルの各行を処理します。
    • 内部クエリは、id が小さい方の行から value 列を ORDER BY 句で降順に並べ替え、最初の 1 行のみを LIMIT 句で取得します。
    • 取得した値を previous_value 列として返します。

    CTEを使う

    WITH previous_values AS (
      SELECT
        id,
        value,
        ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY id) AS row_num
      FROM your_table
    )
    SELECT
      pv.id,
      pv.value,
      (
        SELECT value
        FROM previous_values AS prev
        WHERE prev.id < pv.id
        AND prev.row_num = (SELECT MAX(row_num) FROM previous_values AS prev2 WHERE prev2.id < pv.id)
      ) AS previous_value
    FROM previous_values AS pv;
    
    • WITH 句を使用して、CTE previous_values を定義します。
    • previous_values は、your_table テーブルの id 列で昇順に並べ替えられた結果に、行番号 (row_num) を追加したものです。
    • 外部クエリで previous_values CTE を処理します。
    • 内部クエリは、id が小さい方の行から previous_values CTE を遡り、row_num が最大の行 (つまり、最初の非NULL値を含む行) の value 列を取得します。

    結合を使う

    SELECT
      t1.id,
      t1.value,
      t2.value AS previous_value
    FROM your_table AS t1
    LEFT JOIN your_table AS t2 ON t2.id < t1.id
    AND t2.value IS NOT NULL
    ORDER BY t1.id;
    
    • LEFT JOIN を使用して、t1 テーブルのすべての行と、t2 テーブルの idt1 テーブルの id より小さい行を結合します。
    • t2.value IS NOT NULL という条件で、t2 テーブルの value 列がNULLではない行のみを結合対象とします。
    • ORDER BY t1.id



    RECURSIVE サブクエリを使う

    PostgreSQL 9.1以降では、RECURSIVE サブクエリを使用して前の非NULL値を取得できます。ただし、複雑で分かりにくいコードになる可能性があるため、注意が必要です。

    WITH RECURSIVE cte AS (
      SELECT
        id,
        value,
        LAG(value, 1) OVER (ORDER BY id) AS previous_value
      FROM your_table
      WHERE previous_value IS NULL
      UNION ALL
      SELECT
        cte.id,
        your_table.value,
        cte.previous_value
      FROM cte
      JOIN your_table ON cte.id = your_table.id
      WHERE your_table.value IS NOT NULL
    )
    SELECT * FROM cte ORDER BY id;
    
    • このクエリは、your_table テーブルの value 列がNULLである行を再帰的に処理し、前の非NULL値を取得します。
    • WITH RECURSIVE 句を使用して、再帰 CTE cte を定義します。
    • cte は、2つの部分クエリで構成されています。
      • 最初の部分クエリは、value 列がNULLである行のみを選択し、previous_value 列に前の行の value 列 (NULL) を設定します。
      • 2番目の部分クエリは、cteyour_table テーブルを結合し、your_table テーブルの value 列がNULLではない行のみを選択して、previous_value 列に cteprevious_value 列の値を設定します。
    • 外部クエリで cte CTE を処理し、id 列で昇順に並べ替えて結果を返します。

    特殊な関数を使う

    PostgreSQLには、特定の状況で前の非NULL値を取得するために役立つ特殊な関数があります。

    • coalesce() 関数: 最初の引数がNULLでない最初の値を返します。
    • lead() 関数: 指定したオフセット後の行の値を返します。
    • dense_rank() 関数: 各行に、その行を含むグループ内の順位を割り当てます。

    これらの関数は、状況によってはより簡潔で効率的な解決策を提供できる可能性があります。

    トリガーを使用して、行が挿入または更新されるたびに前の非NULL値を自動的に計算することもできます。ただし、複雑なロジックが必要になる場合は、他の方法よりも非効率になる可能性があります。

    使用する方法は、状況、データ量、パフォーマンス要件によって異なります。

    • 複雑なロジックが必要な場合: サブクエリ、CTE、または特殊関数を使用します。
    • データ量が多い場合: CTEまたは特殊関数を検討します。
    • リアルタイムでの更新が必要な場合: トリガーを使用します。

      上記以外にも、状況によってはもっと良い方法があるかもしれません。データベース設計やクエリのパフォーマンスについて専門家に相談することをお勧めします。


      postgresql


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