SQL Serverで集計関数を極める!UPDATEクエリをパワーアップするテクニック集
SQL UPDATE クエリにおける集計関数:詳細ガイド
SQL UPDATE クエリで集計関数を使用すると、データベース内のデータを効率的に更新できます。このガイドでは、SQL Server(T-SQL を含む)における UPDATE クエリでの集計関数の使用方法について、詳細な説明と実用的例を交えて解説します。
従来の UPDATE クエリでは、個々のレコード値を直接更新していましたが、集計関数を使用すると、条件に基づいて複数レコードを一括更新することができ、大幅な処理効率化と記述量の削減を実現できます。
よく使用される集計関数
- COUNT: 指定された条件に一致するレコード数をカウントします。
- SUM: 指定された列の値の合計を算出します。
基本的な構文
UPDATE table_name
SET column_name = aggregate_function(column_name)
WHERE condition;
使用例
例 1:特定のカテゴリーの全商品価格を10%値上げする
UPDATE products
SET price = price * 1.1
WHERE category = 'Electronics';
例 2:各顧客の注文個数合計を「注文履歴」テーブルに追加
INSERT INTO order_history (customer_id, total_orders)
SELECT customer_id, COUNT(order_id)
FROM orders
GROUP BY customer_id;
例 3:在庫切れ商品のステータスを更新
UPDATE products
SET stock_status = 'Out of Stock'
WHERE quantity = 0;
注意事項
- 集計関数は、UPDATE 対象となる列と同じデータ型である必要があります。
- WHERE 句を使用して、更新対象レコードを絞り込むことができます。
- NULL 値は、集計関数によっては無視される場合があります。
- 更新処理を実行する前に、必ずバックアップを取るようにしてください。
高度な応用例
- GROUP BY 句と組み合わせて、グループごとの集計結果に基づいて更新を実行できます。
- HAVING 句と組み合わせて、集計結果に基づいて更新対象レコードをさらに絞り込むことができます。
- サブクエリを使用して、集計関数の引数に動的な値を渡すことができます。
注記:
- 上記の例はあくまで基本的な使用方法であり、より複雑な処理には応用できます。
- 具体的な構文やオプションは、使用している SQL Server のバージョンによって異なる場合があります。
この例では、orders
テーブルから特定の期間における注文合計金額を算出し、customers
テーブルの total_spent
列に更新します。
UPDATE customers
SET total_spent = (
SELECT SUM(amount)
FROM orders
WHERE orders.customer_id = customers.customer_id
AND orders.order_date BETWEEN '2023-01-01' AND '2023-12-31'
);
各商品の在庫状況を更新:在庫切れの場合は「在庫切れ」、在庫がある場合は「在庫あり」
この例では、products
テーブルの stock_status
列を、在庫数量に基づいて「在庫切れ」または「在庫あり」に更新します。
UPDATE products
SET stock_status = CASE
WHEN quantity = 0 THEN 'Out of Stock'
ELSE 'In Stock'
END;
顧客の平均注文金額を「顧客履歴」テーブルに追加
この例では、orders
テーブルから顧客ごとの平均注文金額を算出し、customer_history
テーブルに新しいレコードとして挿入します。
INSERT INTO customer_history (customer_id, average_order_amount)
SELECT customer_id, AVG(amount)
FROM orders
GROUP BY customer_id;
売上ランキング上位10商品を「ベストセラー」テーブルに抽出
この例では、products
テーブルから売上ランキング上位10商品を抽出し、bestsellers
テーブルに新しいレコードとして挿入します。
INSERT INTO bestsellers (product_id, sales_rank)
SELECT product_id, ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY quantity DESC) AS sales_rank
FROM products
WHERE quantity > 0
ORDER BY sales_rank
LIMIT 10;
各部門の給与総額を「部門別給与」テーブルに更新
この例では、employees
テーブルから各部門の給与総額を算出し、department_salaries
テーブルに新しいレコードとして挿入または更新します。
MERGE INTO department_salaries AS target
USING (
SELECT department_id, SUM(salary) AS total_salary
FROM employees
GROUP BY department_id
) AS source
ON target.department_id = source.department_id
WHEN MATCHED THEN
UPDATE SET total_salary = source.total_salary
WHEN NOT MATCHED THEN
INSERT (department_id, total_salary)
VALUES (source.department_id, source.total_salary);
- 上記の例はあくまで応用例であり、実際の使用状況に合わせて調整する必要があります。
サブクエリを使用すると、UPDATE 対象となる列の値を動的に計算することができます。
例: 特定の顧客の注文合計金額を orders
テーブルの total_amount
列に更新する
UPDATE orders
SET total_amount = (
SELECT SUM(order_details.quantity * order_details.unit_price)
FROM order_details
WHERE order_details.order_id = orders.order_id
);
CTE(共通表式)を使用した更新
CTE(共通表式)を使用すると、複雑なクエリをより読みやすく、再利用しやすいモジュールに分割することができます。
例: 売上ランキング上位10商品を bestsellers
テーブルに抽出する
WITH bestsellers_data AS (
SELECT product_id, ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY quantity DESC) AS sales_rank
FROM products
WHERE quantity > 0
)
INSERT INTO bestsellers (product_id, sales_rank)
SELECT * FROM bestsellers_data
LIMIT 10;
窓関数を使用した更新
窓関数を使用すると、特定の行グループ内の他の行を参照した値を計算することができます。
例: 各商品の前月比売上変化を products
テーブルの sales_change
列に更新する
UPDATE products
SET sales_change = (
SELECT (current_month_sales - previous_month_sales) / NULLIF(previous_month_sales, 0) * 100
FROM (
SELECT product_id, SUM(quantity) AS sales, MONTH(order_date) AS order_month
FROM orders
GROUP BY product_id, MONTH(order_date)
ORDER BY product_id, order_month
) AS sales_data
OVER (PARTITION BY product_id ORDER BY order_month ROWS BETWEEN PRECEDING 1 AND PRECEDING 2)
)
WHERE quantity > 0;
トランザクションを使用した更新
トランザクションを使用すると、複数の UPDATE 操作を原子的に実行することができます。
例: 顧客の注文ステータスを変更し、注文履歴を更新する
BEGIN TRANSACTION;
UPDATE orders
SET order_status = 'Shipped'
WHERE order_id = 12345;
INSERT INTO order_history (order_id, status_change_date)
VALUES (12345, GETDATE());
COMMIT TRANSACTION;
これらの方法は、SQL UPDATE クエリにおける集計関数の高度な機能と、複雑なデータ操作を効率的に実行する能力を示しています。
- 上記の例はあくまで高度な方法であり、基本的な概念を理解した上で適用する必要があります。
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