MySQL の CONCAT 関数:NULL 値の罠を回避して完璧な結合を実現

2024-07-27

MySQL CONCAT 関数と NULL 値

MySQL の CONCAT() 関数は、複数の文字列を結合するために使用されます。しかし、引数のうち一つでも NULL 値である場合、CONCAT() 関数は NULL を返します。これは、多くの場合予期せぬ結果をもたらす可能性があります。

次の例を見てみましょう。

SELECT CONCAT(name, ' ', surname) AS full_name
FROM customers;

このクエリは、customers テーブル内の name 列と surname 列の値を結合して full_name という新しい列を作成します。しかし、name 列または surname 列のいずれかに NULL 値が含まれている場合、full_name 列にも NULL 値が格納されます。

| full_name |
|---|---|
| 山田 太郎 |
| 田中 花子 |
| 鈴木 NULL | <- NULL 値を含む行
| 佐藤 NULL |

CONCAT() 関数と NULL 値の扱い

CONCAT() 関数による NULL 値の扱いを回避するには、以下の方法があります。

  • IFNULL() 関数を使用する

IFNULL() 関数は、最初の引数が NULL でない場合、その引数を返し、NULL である場合は 2 番目の引数を返します。

SELECT CONCAT(IFNULL(name, ''), ' ', IFNULL(surname, '')) AS full_name
FROM customers;

上記のクエリでは、name 列または surname 列が NULL であっても、full_name 列には空文字列が格納されます。

| full_name |
|---|---|
| 山田 太郎 |
| 田中 花子 |
| 鈴木  | <- 空白を含む行
| 佐藤  |
  • COALESCE() 関数を使用する

COALESCE() 関数は、引数のリストを上から順に調べ、最初の非 NULL 値を返します。すべての引数が NULL である場合は、NULL を返します。

SELECT COALESCE(name, '') || ' ' || COALESCE(surname, '') AS full_name
FROM customers;

上記のクエリは、IFNULL() 関数と同様の効果を持ちますが、|| 演算子を使用して文字列を結合します。

  • CONCAT() 関数は、引数のうち一つでも NULL 値である場合、NULL を返します。
  • IFNULL() 関数または COALESCE() 関数を使用して、NULL 値を含む場合でも結合結果に適切な値を設定することができます。
  • 上記の方法は、データベース設計やクエリの目的によって使い分ける必要があります。
  • MySQL 8.0 以降では、CONCAT_WS() 関数を使用することができます。この関数は、NULL 値を無視して文字列を結合することができます。



テーブル定義

CREATE TABLE customers (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  surname VARCHAR(255) NOT NULL
);

データ挿入

INSERT INTO customers (name, surname) VALUES
  ('田中', '太郎'),
  ('佐藤', '花子'),
  ('鈴木', NULL),
  ('高橋', NULL);

CONCAT() 関数を使用した場合

SELECT id, name, surname, CONCAT(name, ' ', surname) AS full_name
FROM customers;

出力結果:

| id | name     | surname | full_name          |
|---|---|---|---|
| 1 | 田中     | 太郎     | 田中 太郎          |
| 2 | 佐藤     | 花子     | 佐藤 花子          |
| 3 | 鈴木     | NULL     | NULL               |
| 4 | 高橋     | NULL     | NULL               |

CONCAT() 関数は、surname 列に NULL 値が含まれている行の full_name 列にも NULL 値を格納します。

SELECT id, name, surname, CONCAT(IFNULL(name, ''), ' ', IFNULL(surname, '')) AS full_name
FROM customers;
| id | name     | surname | full_name          |
|---|---|---|---|
| 1 | 田中     | 太郎     | 田中 太郎          |
| 2 | 佐藤     | 花子     | 佐藤 花子          |
| 3 | 鈴木     | NULL     | 鈴木              |
| 4 | 高橋     | NULL     | 高橋              |
SELECT id, name, surname, COALESCE(name, '') || ' ' || COALESCE(surname, '') AS full_name
FROM customers;
| id | name     | surname | full_name          |
|---|---|---|---|
| 1 | 田中     | 太郎     | 田中 太郎          |
| 2 | 佐藤     | 花子     | 佐藤 花子          |
| 3 | 鈴木     | NULL     | 鈴木              |
| 4 | 高橋     | NULL     | 高橋              |



MySQL で CONCAT 関数以外の方法で文字列を結合する方法

+ 演算子

最も単純な方法は、+ 演算子を使用することです。

SELECT name + ' ' + surname AS full_name
FROM customers;

この方法は、CONCAT 関数と同じ結果を返し、可読性も高くなります。ただし、+ 演算子は数値と文字列の両方を結合できるため、注意が必要です。

FORMAT() 関数

FORMAT() 関数は、数値をフォーマットするために使用されますが、文字列の結合にも使用できます。

SELECT FORMAT('%s %s', name, surname) AS full_name
FROM customers;

この方法は、CONCAT 関数よりも柔軟性が高く、小数点以下の桁数や区切り文字などを指定することができます。

SUBSTRING() 関数と INSERT() 関数

SUBSTRING() 関数と INSERT() 関数を組み合わせて、文字列を結合することもできます。

SELECT
  SUBSTRING(CONCAT(name, ' ', surname), 1, LENGTH(name) + LENGTH(' ') + LENGTH(surname)) AS full_name
FROM customers;

この方法は、複雑で可読性が低くなりますが、高度な制御が必要な場合に役立ちます。

CONCAT_WS() 関数 (MySQL 8.0 以降)

SELECT CONCAT_WS(' ', name, surname) AS full_name
FROM customers;

CONCAT_WS() 関数は、CONCAT 関数の NULL 値の扱いに関する問題を解決するのに役立ちます。

上記以外にも、MySQL で文字列を結合する方法はいくつかあります。それぞれの方法には長所と短所があるため、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。

  • 結合する文字列の長さに制限がある場合は、SUBSTRING() 関数を使用して文字列を切り詰める必要があります。
  • 結合する文字列に特殊文字が含まれている場合は、エスケープ処理が必要になる場合があります。
  • 複数の文字列を結合する必要がある場合は、ループを使用して結合することができます。

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