MySQLでスマートにクエリを書く! 複数回のSELECT文を1つにまとめるテクニック集
MySQLで複数のSELECT文を1つのクエリで実行する方法
UNION句
用途: 互換性のある構造を持つ複数のSELECT結果を結合する場合
構文:
SELECT * FROM table1
UNION
SELECT * FROM table2;
説明:
UNION
句は、2つのSELECT結果を結合します。- 結果セットの列数は、最初のSELECT結果と同じになります。
- 重複する行は除外されます。
- UNION句を使用する場合は、結合するSELECT結果の列の型と順序が一致している必要があります。
例:
-- 顧客IDと名前、注文IDと商品名をそれぞれ選択して結合する
SELECT customer_id, name FROM customers
UNION
SELECT order_id, product_name FROM orders;
UNION ALL句
SELECT * FROM table1
UNION ALL
SELECT * FROM table2;
UNION ALL
句は、UNION
句と同様に2つのSELECT結果を結合しますが、重複する行も含まれます。
-- 顧客IDと名前、注文IDと商品名をそれぞれ選択して結合し、重複する行も含める
SELECT customer_id, name FROM customers
UNION ALL
SELECT order_id, product_name FROM orders;
INTERSECT句
用途: 複数のSELECT結果の共通部分のみ抽出する場合
SELECT * FROM table1
INTERSECT
SELECT * FROM table2;
INTERSECT
句は、2つのSELECT結果の共通部分のみを抽出します。
-- 在庫数が10個以上の商品IDと商品名をそれぞれ選択し、共通部分のみ抽出する
SELECT product_id, product_name FROM products
WHERE stock > 10
INTERSECT
SELECT product_id, product_name FROM orders;
EXCEPT句
SELECT * FROM table1
EXCEPT
SELECT * FROM table2;
EXCEPT
句は、最初のSELECT結果から、2番目のSELECT結果に存在する行を除外した結果を抽出します。
-- 注文済みの商品IDと商品名をそれぞれ選択し、まだ注文されていない商品のみ抽出する
SELECT product_id, product_name FROM products
EXCEPT
SELECT product_id, product_name FROM orders;
WITH句
用途: 複雑なクエリを複数の部分クエリに分割し、読みやすくする場合
WITH subquery_name AS (
SELECT * FROM table1
WHERE condition1
)
SELECT * FROM subquery_name
WHERE condition2;
WITH
句を使用すると、部分クエリに名前を付けて、他のクエリで使用することができます。- これにより、複雑なクエリをより読みやすく、理解しやすくすることができます。
-- 顧客IDと名前、注文数、注文合計金額をそれぞれ選択し、注文合計金額が1万円以上の顧客のみ抽出する
WITH customer_orders AS (
SELECT customer_id, name, COUNT(*) AS order_count, SUM(amount) AS total_amount
FROM customers
JOIN orders ON customers.customer_id = orders.customer_id
GROUP BY customer_id, name
)
SELECT * FROM customer_orders
WHERE total_amount > 10000;
上記で紹介した方法は、それぞれ異なる用途に適しています。状況に応じて適切な方法を選択してください。
- [MySQLドキュメント - UNION
-- 顧客IDと名前、注文IDと商品名をそれぞれ選択して結合する
SELECT customer_id, name FROM customers
UNION
SELECT order_id, product_name FROM orders;
-- 顧客IDと名前、注文IDと商品名をそれぞれ選択して結合し、重複する行も含める
SELECT customer_id, name FROM customers
UNION ALL
SELECT order_id, product_name FROM orders;
-- 在庫数が10個以上の商品IDと商品名をそれぞれ選択し、共通部分のみ抽出する
SELECT product_id, product_name FROM products
WHERE stock > 10
INTERSECT
SELECT product_id, product_name FROM orders;
-- 注文済みの商品IDと商品名をそれぞれ選択し、まだ注文されていない商品のみ抽出する
SELECT product_id, product_name FROM products
EXCEPT
SELECT product_id, product_name FROM orders;
-- 顧客IDと名前、注文数、注文合計金額をそれぞれ選択し、注文合計金額が1万円以上の顧客のみ抽出する
WITH customer_orders AS (
SELECT customer_id, name, COUNT(*) AS order_count, SUM(amount) AS total_amount
FROM customers
JOIN orders ON customers.customer_id = orders.customer_id
GROUP BY customer_id, name
)
SELECT * FROM customer_orders
WHERE total_amount > 10000;
上記のサンプルコードは、各句の使い方を示しています。実際の使用例では、テーブル名やカラム名、条件などを置き換えて使用してください。
補足:
- 上記のサンプルコードは、MySQL 5.7以降で動作します。
WITH
句は、MySQL 8.0以降で推奨されています。
MySQLで複数のSELECT文を1つのクエリで実行するその他の方法
サブクエリ
用途: 複雑な条件式を記述する場合
SELECT * FROM table1
WHERE column1 IN (
SELECT column2 FROM table2
WHERE condition
);
- サブクエリは、別のクエリを括弧内に記述したものです。
- サブクエリの結果は、主クエリで使用することができます。
- 上記の例では、
table1
のcolumn1
が、table2
のcondition
を満たすレコードのcolumn2
に一致するレコードのみを選択します。
-- 注文金額が1000円以上の注文IDと商品IDをそれぞれ選択する
SELECT order_id, product_id FROM orders
WHERE amount > 1000;
EXISTS句
用途: サブクエリで一致するレコードがあるかどうかを確認する場合
SELECT * FROM table1
WHERE EXISTS (
SELECT 1 FROM table2
WHERE condition
);
EXISTS
句は、サブクエリに一致するレコードが存在するかどうかを確認します。- サブクエリが1件以上のレコードを返す場合、
EXISTS
句はTRUE
を返し、主クエリはそのレコードを返します。
-- 顧客IDが注文表に存在する顧客のみの顧客IDと名前を選択する
SELECT customer_id, name FROM customers
WHERE EXISTS (
SELECT 1 FROM orders
WHERE customer_id = customers.customer_id
);
CORRELATED SUBQUERY句
用途: サブクエリで主クエリの結果を参照する場合
SELECT * FROM table1
WHERE column1 = (
SELECT column2 FROM table2
WHERE condition
);
CORRELATED SUBQUERY
句は、サブクエリで主クエリの結果を参照することができます。
-- 各顧客の注文件数と顧客ID、名前をそれぞれ選択する
SELECT customer_id, name, COUNT(*) AS order_count
FROM customers
JOIN orders ON customers.customer_id = orders.customer_id
GROUP BY customer_id, name;
上記以外にも、MySQLで複数のSELECT文を1つのクエリで実行する方法があります。詳しくは、MySQLのドキュメントを参照してください。
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