PostgreSQL: COPY FROMで重複キーを効率的に処理する2つの方法

2024-06-09

PostgreSQLにおけるCOPY FROMで重複キーを無視する方法

このような状況を回避するために、以下の2つの主要な方法があります。

一時テーブルを利用する

  1. 重複を許容する一時テーブルを作成します。
  2. COPY FROMコマンドを使って、重複キーを含めても一時テーブルにデータをロードします。
  3. INSERT INTO SELECT ステートメントを使用して、一時テーブルから重複キーを除いたデータをターゲットテーブルに挿入します。
-- 一時テーブルを作成
CREATE TEMPORARY TABLE temp_table (
  -- 既存のテーブルと同じ列を定義
);

-- 重複キーを含めても一時テーブルにロード
COPY FROM 'data.csv' DELIMITER ',' CSV HEADER INTO temp_table;

-- 重複キーを除いたデータをターゲットテーブルに挿入
INSERT INTO target_table
SELECT * FROM temp_table;

-- 不要な一時テーブルを削除
DROP TABLE temp_table;

ON CONFLICT句を利用する

PostgreSQL 9.5以降では、INSERTコマンドにON CONFLICT句を追加することで、重複キーによるエラーを処理することができます。この句には、以下の3つのオプションがあります。

  • DO NOTHING: 重複キーが検出された場合、何も処理せずに次のレコードに進みます。
  • UPDATE: 重複キーが検出された場合、既存のレコードを新しい値で更新します。
  • RAISE EXCEPTION: 重複キーが検出された場合、エラーを発生させます。(デフォルト)

ON CONFLICT DO NOTHINGオプションを使用することで、重複キーを無視してデータを挿入することができます。

INSERT INTO target_table (
  -- 既存のテーブルと同じ列を定義
)
VALUES (
  -- データの値
)
ON CONFLICT DO NOTHING;

補足

  • 上記の方法に加えて、pg_bulkloadなどの高速データロードユーティリティを使用する方法もあります。これらのユーティリティは、PostgreSQLのコピーコマンドよりも効率的にデータをロードすることができ、重複キーの処理オプションも提供している場合があります。
  • 重複キーを無視する前に、データソースの整合性を確認することが重要です。データに意図せぬ重複が含まれている場合は、ロード前に修正する必要があります。



    PostgreSQLにおけるCOPY FROMで重複キーを無視するサンプルコード

    -- データソースファイル
    CREATE TABLE data_source (
      id INT PRIMARY KEY,
      name TEXT,
      age INT
    );
    
    -- データソースファイルの内容
    1,Taro,20
    2,Jiro,30
    1,Hanako,40
    3,Saburo,50
    
    -- 一時テーブルを作成
    CREATE TEMPORARY TABLE temp_table (
      id INT PRIMARY KEY,
      name TEXT,
      age INT
    );
    
    -- 重複キーを含めても一時テーブルにロード
    COPY FROM 'data.csv' DELIMITER ',' CSV HEADER INTO temp_table;
    
    -- 重複キーを除いたデータをターゲットテーブルに挿入
    INSERT INTO target_table (id, name, age)
    SELECT id, name, age
    FROM temp_table
    GROUP BY id;
    
    -- 不要な一時テーブルを削除
    DROP TABLE temp_table;
    
    -- データソースファイル
    -- (上記と同じ)
    
    -- ターゲットテーブル
    CREATE TABLE target_table (
      id INT PRIMARY KEY,
      name TEXT,
      age INT
    );
    
    -- 重複キーがあっても挿入し、既存のレコードを更新
    COPY FROM 'data.csv' DELIMITER ',' CSV HEADER INTO target_table
    ON CONFLICT (id) DO UPDATE SET
      name = EXCLUDED.name,
      age = EXCLUDED.age;
    

    説明

    1. CREATE TEMPORARY TABLEステートメントを使用して、一時テーブルを作成します。一時テーブルの列定義は、ターゲットテーブルと同じである必要があります。
    2. COPY FROMコマンドを使用して、データソースファイルからデータを一時テーブルにロードします。このとき、DELIMITER句で区切り文字を指定し、CSV HEADER句でヘッダー行があることを指定します。
    3. DROP TABLEステートメントを使用して、不要になった一時テーブルを削除します。
    1. COPY FROMコマンドにON CONFLICT句を追加します。
    2. ON CONFLICT句にはDO UPDATEを指定し、重複キーが検出された場合に既存のレコードを更新する処理を記述します。EXCLUDEDキーワードを使用して、新しく挿入されるレコードの値を参照することができます。

    注意事項

    • 上記のコードはあくまで一例であり、状況に合わせて変更する必要があります。
    • データソースファイルの形式やターゲットテーブルの構造に合わせて、SQLステートメントを修正する必要があります。
    • 重複キーを無視する前に、データソースの整合性を確認することが重要です。



    PostgreSQLにおけるCOPY FROMで重複キーを無視するその他の方法

    トリガーを使用して、COPY FROM操作中に挿入されるレコードを監視し、重複キーを検出した場合は処理を中断することができます。この方法は、より柔軟な制御が可能ですが、複雑さも増します。

    排他ロックを利用する

    COPY FROM操作中にターゲットテーブルに対して排他ロックを取得することで、他のプロセスによるデータの挿入をブロックすることができます。この方法は、データ整合性を保証するのに役立ちますが、他のプロセスをブロックするため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

    事前に重複キーを削除する

    COPY FROM操作を実行する前に、データソースファイルから重複キーを削除することができます。この方法は、最も単純な方法ですが、データソースファイルを変更する必要があるため、常に実行できるとは限りません。

    pg_upsert を使用する

    pg_upsertは、PostgreSQLの拡張モジュールであり、UPSERT操作を実行するための便利な機能を提供します。UPSERT操作は、既存のレコードを更新するか、新しいレコードを挿入するかのどちらかを1つの操作で行うことができます。pg_upsertを使用すると、COPY FROM操作で重複キーを簡単に無視することができます。

    各方法の比較

    方法利点欠点
    一時テーブルシンプル複数回のINSERT操作が必要
    ON CONFLICTシンプル排他ロックを使用するため、パフォーマンスに影響を与える可能性がある
    トリガー柔軟性が高い複雑
    排他ロックデータ整合性を保証できるパフォーマンスに影響を与える可能性がある
    事前に重複キーを削除するシンプルデータソースファイルを変更する必要がある
    pg_upsertシンプル、高速pg_upsertモジュールのインストールが必要

    最適な方法は、データの量、パフォーマンス要件、データソースファイルの形式などの要件によって異なります。


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