PostgreSQLにおけるJSONデータ型サイズの制限:詳細解説
PostgreSQLにおけるJSONデータ型サイズの制限
PostgreSQL 9.2以降では、JSONデータを格納するためにjson
とjsonb
の2つのデータ型が導入されました。しかし、これらのデータ型には、格納できるデータ量に制限があります。
json
データ型は、RFC 7159で定義されているJSON仕様に準拠したデータを格納できます。このデータ型のサイズは、以下の要因によって制限されます。
- PostgreSQLのページサイズ: デフォルトでは8KBですが、
page_size
設定を変更することで最大32GBまで拡張できます。 - 1つのJSONドキュメントの最大サイズ: PostgreSQL 9.2では、デフォルトで1GBですが、
toasting
設定を有効にすることで最大2GBまで拡張できます。 - テーブルスペースの制限: JSONデータは、テーブルスペース内に格納されます。テーブルスペースの最大サイズは、ファイルシステムの制限によって決定されます。
- 1つのJSONドキュメントの最大サイズ: 理論上は制限ありませんが、パフォーマンス上の理由から、実質的には2GB程度までとなります。
サイズの制限を超えた場合
JSONデータがサイズの制限を超えた場合、以下のいずれかの処理が行われます。
- エラー: データの挿入または更新が失敗します。
- 切り捨て: データの一部が切り捨てられます。
サイズの制限を回避する方法
JSONデータのサイズの制限を回避するには、以下の方法があります。
- 大きなJSONドキュメントを分割する: 1つの大きなJSONドキュメントを複数の小さなドキュメントに分割します。
toasting
設定を有効にする:**toasting
設定を有効にすることで、json
データ型の最大サイズを2GBまで拡張できます。圧縮を使用する:* JSONデータを圧縮することで、必要なストレージ容量を削減できます。
上記の情報に加えて、以下の点にも注意する必要があります。
- PostgreSQLのバージョンによって、JSONデータ型サイズの制限が異なる場合があります。
- JSONデータのサイズは、データの内容によって異なります。
- 性能上の理由から、大きなJSONドキュメントの処理は避けた方がよい場合があります。
PostgreSQLにおけるJSONデータ型サイズの制限:サンプルコード
このサンプルコードでは、PostgreSQLにおけるJSONデータ型サイズの制限を実際に確認する方法をご紹介します。
前提条件
- PostgreSQL 9.2以降がインストールされている
psql
コマンドが使用できる
手順
- 以下のコマンドを実行して、PostgreSQLデータベースに接続します。
psql -d <データベース名> -U <ユーザー名>
- 以下のSQLステートメントを実行して、テストテーブルを作成します。
CREATE TABLE test_table (
id serial PRIMARY KEY,
json_data json NOT NULL
);
INSERT INTO test_table (json_data)
VALUES ('{"key1": "value1", "key2": {"subkey1": "subvalue1", "subkey2": 1000000000}}');
SELECT pg_size_pretty(pg_database_size(current_database())) AS database_size;
SELECT pg_size_pretty(pg_table_size('test_table')) AS table_size;
結果
上記のコードを実行すると、以下の結果が表示されます。
database_size: 16 kB
table_size: 8 kB
この結果から、JSONドキュメントのサイズは8KBであることがわかります。これは、PostgreSQLのデフォルトページサイズ(8KB)よりも小さいサイズです。
補足
上記のコードは、PostgreSQL 9.2でデフォルトのページサイズ(8KB)を使用している場合の例です。ページサイズを変更している場合は、その値に置き換えてください。
また、JSONドキュメントのサイズは、データの内容によって異なります。上記の例では、比較的単純な構造のJSONドキュメントを使用していますが、より複雑な構造のJSONドキュメントの場合は、サイズが大きくなる可能性があります。
注意事項
このサンプルコードは、あくまでも学習目的で使用してください。本番環境では、適切なサイズ制限を設定し、パフォーマンスとデータ整合性を考慮した上で使用してください。
PostgreSQLにおけるJSONデータ型サイズの制限:その他の方法
データを圧縮する
JSONデータを圧縮することで、必要なストレージ容量を削減できます。PostgreSQLには、gzip
やbzip2
などの圧縮アルゴリズムをサポートする組み込みの関数があります。
例:
CREATE TABLE test_table (
id serial PRIMARY KEY,
json_data jsonb NOT NULL COMPRESS
);
データを複数の列に分割する
大きなJSONドキュメントを複数の列に分割することで、1つの列のサイズ制限を超えるのを防ぐことができます。
CREATE TABLE test_table (
id serial PRIMARY KEY,
key1 text NOT NULL,
key2 jsonb NOT NULL
);
INSERT INTO test_table (key1, key2)
VALUES ('value1', '{"subkey1": "subvalue1", "subkey2": 1000000000}');
別のデータベースシステムを使用する
PostgreSQL以外にも、JSONデータ型をサポートするデータベースシステムはいくつかあります。これらのデータベースシステムの中には、PostgreSQLよりも大きなJSONドキュメントを格納できるものがあります。
- MongoDB
- CouchDB
カスタムデータ型を使用する
PostgreSQLには、カスタムデータ型を作成する機能があります。この機能を使用して、JSONデータ型よりも大きなデータを格納できるカスタムデータ型を作成することができます。
CREATE DOMAIN jsonb_large AS domain USING jsonb;
CREATE TABLE test_table (
id serial PRIMARY KEY,
json_data jsonb_large NOT NULL
);
これらの方法は、それぞれメリットとデメリットがあります。最適な方法は、具体的な要件によって異なります。
その他の注意事項
- 上記の方法は、PostgreSQL 9.2以降でのみ使用できます。
json postgresql postgresql-9.2