保存前に文字列を正しくフォーマット:Android SQLiteにおける特殊文字エスケープ
Android の SQLite で特殊文字をエスケープする方法
Android アプリ開発において、SQLite データベースはデータ保存に広く使用されています。しかし、SQLite で使用すると特殊な意味を持つ文字(特殊文字)は、思わぬ動作を引き起こす可能性があります。そこで、特殊文字をエスケープすることで、意図したとおりにデータを変換し、SQL クエリが正しく実行されるようにする必要があります。
特殊文字とは?
SQLite で特殊文字とみなされるのは、次の種類があります。
- シングルクォート(')
- バッククォート(`)
- バックスラッシュ(\)
- セミコロン(;)
これらの文字は、クエリの一部を表すためにも使用されるため、データベースに保存する際にはエスケープする必要があります。
特殊文字をエスケープするには、バックスラッシュ(\)を使用します。エスケープする方法は次のとおりです。
- シングルクォートをエスケープするには、\ と入力します。
例
たとえば、以下の名前を含むレコードを SQLite データベースに保存する場合、名前フィールド内のシングルクォートをエスケープする必要があります。
name = 'O'Brien'
エスケープ後は次のようになります。
name = 'O''Brien'
Android コードでのエスケープ
Android アプリ開発において、SQLite データベースで特殊文字をエスケープするには、ContentValues
クラスを使用できます。ContentValues
クラスは、キー - 値ペアとしてデータを格納するオブジェクトです。
次のコード例は、ContentValues
オブジェクトを使用して、エスケープされた名前とアドレスを持つレコードを作成する方法を示しています。
ContentValues values = new ContentValues();
values.put("name", "O'Brien");
values.put("address", "123 Main St.");
// データベースにレコードを挿入
db.insert("contacts", null, values);
上記コードでは、name
フィールドの値には O''Brien が設定されています。これは、シングルクォートがバックスラッシュでエスケープされているためです。
Android の SQLite で特殊文字をエスケープすることは、データの整合性を保ち、予期せぬ動作を回避するために重要です。バックスラッシュ (\
) を使用して特殊文字をエスケープすることで、データベースに保存する前に文字列を正しくフォーマットすることができます。
ご参考になりましたでしょうか?
この節では、AndroidでSQLiteデータベースで特殊文字をエスケープする方法を実演するサンプルコードを提供します。
データベースの設定
まずは、アプリで使用するデータベースを作成し、テーブルを作成します。以下のコード例は、"contacts" という名前のテーブルを作成し、"name" と "address" という 2 つの列を持つことを示します。
public class DatabaseHelper extends SQLiteOpenHelper {
public static final int DATABASE_VERSION = 1;
public static final String DATABASE_NAME = "contacts.db";
public DatabaseHelper(Context context) {
super(context, DATABASE_NAME, null, DATABASE_VERSION);
}
@Override
public void onCreate(SQLiteDatabase db) {
String CREATE_TABLE_SQL =
"CREATE TABLE contacts (" +
"id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, " +
"name TEXT NOT NULL, " +
"address TEXT)";
db.execSQL(CREATE_TABLE_SQL);
}
@Override
public void onUpgrade(SQLiteDatabase db, int oldVersion, int newVersion) {
// データベースのアップグレード処理
}
}
データの挿入
次に、ContentValues
クラスを使用して、特殊文字を含むレコードを作成し、データベースに挿入します。
ContentValues values = new ContentValues();
values.put("name", "O'Brien");
values.put("address", "123 Main St.");
SQLiteDatabase db = databaseHelper.getWritableDatabase();
long rowId = db.insert("contacts", null, values);
db.close();
データベースからレコードを取得するには、Cursor
クラスを使用します。
String sql = "SELECT * FROM contacts WHERE name = ?";
String[] args = new String[] {"O'Brien"};
SQLiteDatabase db = databaseHelper.getReadableDatabase();
Cursor cursor = db.rawQuery(sql, args);
while (cursor.moveToNext()) {
String name = cursor.getString(cursor.getColumnIndex("name"));
String address = cursor.getString(cursor.getColumnIndex("address"));
Log.d("TAG", "Name: " + name + ", Address: " + address);
}
cursor.close();
db.close();
このコードでは、name
フィールドが O'Brien に一致するレコードを取得し、ログに名前と住所を出力します。
データベース内のレコードを更新するには、update()
メソッドを使用します。
ContentValues values = new ContentValues();
values.put("name", "O'Brien-Smith");
String whereClause = "name = ?";
String[] args = new String[] {"O'Brien"};
SQLiteDatabase db = databaseHelper.getWritableDatabase();
int rowsAffected = db.update("contacts", values, whereClause, args);
db.close();
このコードでは、name
フィールドが O'Brien に一致するレコードの name
フィールドを O'Brien-Smith に更新します。
String whereClause = "name = ?";
String[] args = new String[] {"O'Brien-Smith"};
SQLiteDatabase db = databaseHelper.getWritableDatabase();
int rowsAffected = db.delete("contacts", whereClause, args);
db.close();
上記サンプルコードは、Android SQLiteにおける特殊文字エスケープの 基本的な実装を示します。 状況に応じて、ご自身のアプリに合わせて適宜コードを修正してください。
Android SQLite で特殊文字をエスケープする方法: 他の方法
上記で紹介したサンプルコードは、ContentValues
クラスを使用した方法に特化していました。ここでは、Android で SQLite データベースで特殊文字をエスケープするその他の方法を紹介します。
PreparedStatement
クラスは、クエリのパラメータを安全にバインドする機能を提供します。これにより、手動で文字列をエスケープする必要性がなくなり、SQL インジェクションなどの脆弱性を回避することができます。
String sql = "INSERT INTO contacts (name, address) VALUES (?, ?)";
SQLiteDatabase db = databaseHelper.getWritableDatabase();
PreparedStatement statement = db.compileStatement(sql);
statement.setString(1, "O'Brien");
statement.setString(2, "123 Main St.");
statement.execute();
statement.close();
db.close();
このコード例では、PreparedStatement
クラスを使用して、エスケープ処理を内部的に行うクエリを実行しています。
単純置換を使用すると、特定の文字を他の文字に置き換えることができます。
String name = "O'Brien";
String escapedName = name.replace("'", "''");
ContentValues values = new ContentValues();
values.put("name", escapedName);
values.put("address", "123 Main St.");
// データベースにレコードを挿入
db.insert("contacts", null, values);
このコード例では、String
クラスの replace()
メソッドを使用して、name
変数内のすべてのシングルクォート (') を 2 つのシングルクォート ('') に置き換えています。
正規表現を使用すると、より複雑な文字列処理を行うことができます。
String name = "O'Brien";
String escapedName = name.replaceAll("'", "''");
ContentValues values = new ContentValues();
values.put("name", escapedName);
values.put("address", "123 Main St.");
// データベースにレコードを挿入
db.insert("contacts", null, values);
サードライブラリを使用
Android 向けの SQLite ライブラリは多数存在し、その中には特殊文字エスケープ機能を内蔵しているものがあります。代表的なライブラリとして、GreenDAO や SugarORM などが挙げられます。
これらのライブラリを使用すると、複雑なクエリやデータ操作をより簡単に処理することができます。
Android で SQLite データベースで特殊文字をエスケープするには、さまざまな方法があります。それぞれの方法には利点と欠点があり、状況に応じて最適な方法を選択します。
上記で紹介した方法は、あくまでも参考です。状況に合わせて、ご自身のアプリに最適な方法を選択してください。
android sqlite special-characters