ログファイル、pg_stat_statementsビュー、pgBadgerなどを活用!
PostgreSQL で実行されたクエリ履歴を取得する方法
ログファイルによる取得
PostgreSQL は、実行されたクエリに関する情報をログファイルに記録することができます。 ログファイルには、クエリの開始時刻、終了時刻、実行ユーザー、実行内容などが記録されます。 ログファイルは、以下の設定を変更することで有効化できます。
log_statement = 'all'
ログファイルの場所は、postgresql.conf
ファイルで設定できます。 デフォルトでは、data/postgresql.log
ファイルに出力されます。
利点:
- 設定が簡単
- 複雑なクエリでも取得できる
- 長期間の履歴を取得できる
欠点:
- ログファイルが大きくなりやすい
- 解析処理が必要
- リアルタイムでの取得はできない
pg_stat_statements ビューの使用
pg_stat_statements
ビューは、最近実行されたクエリに関する情報を提供します。 このビューには、クエリの開始時刻、終了時刻、実行ユーザー、実行時間、実行回数などが記録されます。
SELECT * FROM pg_stat_statements;
pg_stat_statements
ビューは、定期的に更新されます。 更新間隔は、pg_stat_statements_max
パラメータで設定できます。
- リアルタイムに近いデータを取得できる
- ログファイルよりも取得できる情報が少ない
- 過去の履歴は取得できない
pgBadger などの拡張ツールの利用
pgBadger などの拡張ツールは、PostgreSQL のパフォーマンスを監視し、問題を診断するのに役立ちます。 これらのツールには、クエリ履歴を取得する機能も含まれています。
- ログファイルよりも詳細な情報が取得できる
- クエリのパフォーマンスを分析できる
- 設定や運用が複雑
どの方法を選択するべきか
どの方法を選択するべきかは、要件によって異なります。 以下の点を考慮して選択してください。
- 必要な情報量: ログファイルは最も詳細な情報を提供しますが、pg_stat_statements ビューはよりリアルタイムに近いデータを提供します。 pgBadger は、ログファイルと pg_stat_statements ビューの情報を補完する詳細な情報を提供します。
- 取得対象期間: ログファイルは過去の履歴を取得できますが、pg_stat_statements ビューと pgBadger は最近実行されたクエリのみ取得できます。
- 運用要件: ログファイルは設定が簡単ですが、pgBadger は設定や運用が複雑です。
# ログファイルの内容をすべて表示
cat /var/lib/postgresql/14/data/postgresql.log
# 特定の期間のログのみ表示
tail -f /var/lib/postgresql/14/data/postgresql.log | grep "$(date -d '1 day ago')..$(date)"
SELECT * FROM pg_stat_statements;
# 特定のユーザーが実行したクエリのみ表示
SELECT * FROM pg_stat_statements WHERE usename = 'postgres';
pgBadger の利用
注意事項
- 上記のコードはあくまで例であり、状況に応じて適宜変更する必要があります。
- PostgreSQL のバージョンや環境によって、コマンドやオプションが異なる場合があります。
PostgreSQL には、システムビューと呼ばれる、データベースに関する情報を提供するビューが用意されています。 以下のビューを使用して、クエリ履歴を取得できます。
pg_stat_activity
ビュー: 現在実行中のセッションに関する情報を提供します。pg_stat_statements
ビュー: 最近実行されたクエリに関する情報を提供します。pg_stat_user_tracks
ビュー: ユーザーごとのクエリ実行に関する情報を提供します。
これらのビューは、SQL クエリを使用して照会できます。 例えば、以下のようにして、現在実行中のすべてのセッションに関する情報を取得できます。
SELECT * FROM pg_stat_activity;
拡張モジュールの利用
PostgreSQL には、クエリ履歴を取得するための拡張モジュールがいくつか用意されています。 以下に、いくつかの例をご紹介します。
- pgBadger: クエリのパフォーマンスと実行計画を分析するツールです。
- pg_query_logger: 実行されたすべてのクエリをログファイルに記録するツールです。
- SQL Sentry: PostgreSQL のパフォーマンスを監視および分析する商用ツールです。
これらの拡張モジュールは、個別にインストールして設定する必要があります。
トレース機能の使用
トレース機能を有効にするには、以下の設定を postgresql.conf
ファイルに追加する必要があります。
log_statement = 'all'
log_timeline = 'level 2'
トレース機能を有効にした後、以下のコマンドを使用して、クエリの実行をトレースできます。
postgres -t
このコマンドを実行すると、実行されたすべてのクエリに関する情報がコンソールに出力されます。
- 上記の方法はいずれも、データベースのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
- 使用する前に、各方法のドキュメントをよく読んでください。
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