PostgreSQLのバージョン別:Min、Median、Maxの取得方法を徹底比較
PostgreSQLでクエリからMin、Median、Maxを取得する方法
そこで、以下の3つの方法で、クエリからMin、Median、Maxを取得できます。
方法1:サブクエリとCASE式を使用する
- サブクエリを使用して、データの件数をカウントします。
CASE
式を使用して、row_number()
関数とサブクエリを使用して、各行が全体の何番目かを判断します。- 中央値の位置に該当する行の値をMedianとして取得します。
SELECT
min(value) AS min,
percentile_cont(0.5) WITHIN GROUP (ORDER BY value) AS median,
max(value) AS max
FROM your_table;
方法2:PERCENTILE_CONT関数を使用する
PostgreSQL 9.5以降では、PERCENTILE_CONT
関数を使用して、中央値を含む任意のパーセンタイル値を直接取得できます。
SELECT
min(value) AS min,
percentile_cont(0.5) WITHIN GROUP (ORDER BY value) AS median,
max(value) AS max
FROM your_table;
方法3:ウィンドウ関数を使用する
PostgreSQL 12以降では、ウィンドウ関数を使用して、より柔軟な方法でMin、Median、Maxを取得できます。
SELECT
min(value) OVER () AS min,
percentile_cont(0.5) OVER () WITHIN GROUP (ORDER BY value) AS median,
max(value) OVER () AS max
FROM your_table;
各方法の詳細
- 方法1: この方法は、最も汎用性が高く、古いバージョンのPostgreSQLでも動作します。ただし、サブクエリを使用するため、他の方法よりも処理速度が遅くなります。
- 方法2: この方法は、PostgreSQL 9.5以降で使用でき、方法1よりも高速で簡潔です。
- 方法3: この方法は、PostgreSQL 12以降で使用でき、最も柔軟で、さまざまな分析に役立ちます。
補足
- 上記の例では、
value
列を分析対象としていますが、任意の列に置き換えることができます。 - 複数の列でグループ化したい場合は、
GROUP BY
句を使用できます。 - WHERE句を使用して、分析対象となる行を絞り込むことができます。
PostgreSQLでMin、Median、Maxを取得するサンプルコード
-- サンプルテーブルを作成
CREATE TABLE your_table (
id SERIAL PRIMARY KEY,
value INTEGER NOT NULL
);
-- サンプルデータを挿入
INSERT INTO your_table (value) VALUES
(10),
(20),
(30),
(40),
(50);
-- Min、Median、Maxを取得
SELECT
min(value) AS min,
percentile_cont(0.5) WITHIN GROUP (ORDER BY value) AS median,
max(value) AS max
FROM your_table;
説明
- 最初の部分 (
CREATE TABLE...
) は、サンプルテーブルyour_table
を作成します。このテーブルには、id
列とvalue
列があります。 - 2番目の部分 (
INSERT INTO...
) は、サンプルデータとして5つの値をyour_table
テーブルに挿入します。 - 3番目の部分 (
SELECT...
) は、min
、median
、max
を取得するクエリです。
min(value) AS min
は、value
列の最小値を取得します。percentile_cont(0.5) WITHIN GROUP (ORDER BY value) AS median
は、value
列の中央値を取得します。percentile_cont
関数は、指定されたパーセンタイル値 (この場合は0.5) を超える行の割合を計算します。WITHIN GROUP (ORDER BY value)
句は、value
列の値に基づいて行をグループ化し、各グループの中央値を計算することを指定します。
実行結果
min | median | max
------- | -------- | --------
10 | 30 | 50
この例では、Minは10、Medianは30、Maxは50となります。
- このコードは、PostgreSQL 8.0以降で使用できます。
PostgreSQLでMin、Median、Maxを取得するその他の方法
ここでは、より高度な分析や特殊なケースに役立つ、その他の方法を紹介します。
PostgreSQL 11以降では、NTILE
関数を使用して、データを等しいサイズのグループに分割し、各グループのMin、Median、Maxを取得できます。
SELECT
NTILE(4) OVER (ORDER BY value) AS group_number,
min(value) OVER (PARTITION BY NTILE(4) OVER (ORDER BY value)) AS min,
percentile_cont(0.5) OVER (PARTITION BY NTILE(4) OVER (ORDER BY value)) AS median,
max(value) OVER (PARTITION BY NTILE(4) OVER (ORDER BY value)) AS max
FROM your_table
ORDER BY group_number;
方法5:RANK関数とDENSE_RANK関数を使用する
PostgreSQL 12以降では、RANK
関数と DENSE_RANK
関数を使用して、各行に順位を付け、順位に基づいてMin、Median、Maxを取得できます。
SELECT
RANK() OVER (ORDER BY value) AS rank,
DENSE_RANK() OVER (ORDER BY value) AS dense_rank,
min(value) OVER (ORDER BY rank),
percentile_cont(0.5) OVER (ORDER BY rank) AS median,
max(value) OVER (ORDER BY rank) AS max
FROM your_table;
ウィンドウ関数とサブクエリを組み合わせて、より複雑な分析を行うことができます。
例えば、各グループの中央値と、その中央値に最も近い値を取得できます。
SELECT
value,
percentile_cont(0.5) OVER (ORDER BY value) AS median,
(
SELECT value
FROM your_table AS subquery
WHERE subquery.value <= median
ORDER BY abs(subquery.value - median)
LIMIT 1
) AS nearest_value
FROM your_table
ORDER BY value;
方法 | 説明 | 利点 | 欠点 | 必要なPostgreSQLバージョン |
---|---|---|---|---|
方法1 | サブクエリとCASE式を使用する | 汎用性が高い | 処理速度が遅い | 8.0以降 |
方法2 | PERCENTILE_CONT関数を使用する | 方法1より高速で簡潔 | PostgreSQL 9.5以降が必要 | 9.5以降 |
方法3 | ウィンドウ関数を使用する | 柔軟性が高い | PostgreSQL 12以降が必要 | 12以降 |
方法4 | NTILE関数を使用する | 等しいサイズのグループで分析できる | PostgreSQL 11以降が必要 | 11以降 |
方法5 | RANK関数とDENSE_RANK関数を使用する | 順位に基づいて分析できる | PostgreSQL 12以降が必要 | 12以降 |
方法6 | ウィンドウ関数とサブクエリを組み合わせる | 複雑な分析が可能 | 複雑なクエリになる | 8.0以降 |
最適な方法を選択
使用する方法は、分析の要件と使用しているPostgreSQLのバージョンによって異なります。
- シンプルな分析の場合は、方法1 または 方法2 がおすすめです。
- 等しいサイズのグループで分析したい場合は、方法4 がおすすめです。
- 複雑な分析が必要な場合は、方法6 を検討してください。
PostgreSQLには、Min、Median、Maxを取得するための様々な方法があります。
今回紹介した方法は、ほんの一例です。
それぞれの方法の特徴を理解し、状況に合わせて適切な方法を選択してください。
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