【保存版】SQLiteのUPDATEステートメントの使い方:条件指定、複数テーブル更新、高度なテクニックまで
SQLiteにおける高度な更新テーブルクエリ
UPDATEステートメントの基本構文
UPDATE table_name
SET column1 = value1, column2 = value2, ...
[WHERE condition];
各要素の説明:
- UPDATE table_name: 更新対象のテーブル名を指定します。
- SET column1 = value1, column2 = value2, ...: 更新する列と新しい値をカンマ区切りで指定します。複数列を更新する場合は、カンマで区切ります。
- [WHERE condition]: 任意の条件式を指定することで、更新対象のレコードを絞り込むことができます。条件式を省略すると、テーブル内のすべてのレコードが更新されます。
WHERE句による条件指定
1 等価比較
UPDATE customers
SET email = '[email protected]'
WHERE id = 123;
このクエリは、customers
テーブルのid
が123であるレコードのemail
列を[email protected]
に更新します。
2 論理演算子
UPDATE products
SET price = price * 1.1
WHERE category = 'electronics' AND stock > 50;
このクエリは、products
テーブルでカテゴリーがelectronics
かつ在庫数が50を超えるレコードの価格を10%値上げします。
3 LIKE句による部分一致検索
UPDATE employees
SET department = 'sales'
WHERE name LIKE '%田中%';
このクエリは、employees
テーブルで名前の末尾に「田中」を含むすべてのレコードの部署をsales
に変更します。
JOIN句による複数テーブル更新
1 内結合による更新
UPDATE orders
O
SET O.status = 'shipped'
JOIN order_details
OD
ON O.order_id = OD.order_id
WHERE OD.product_id = 123;
このクエリは、order_details
テーブルでproduct_id
が123であるレコードに関連するorders
テーブルのステータスをshipped
に変更します。
UPDATE customers
C
SET C.last_purchase_date = (
SELECT MAX(order_date)
FROM orders
O
WHERE O.customer_id = C.customer_id
)
WHERE C.last_purchase_date IS NULL;
このクエリは、customers
テーブルでlast_purchase_date
がNULLのレコードについて、orders
テーブルから最新の注文日を取得し、last_purchase_date
列に更新します。
サブクエリによる更新
UPDATE employees
SET manager_id = (
SELECT employee_id
FROM employees
ORDER BY salary DESC
LIMIT 1
)
WHERE department = 'engineering';
このクエリは、engineering
部門の従業員のうち、給与が最も高い従業員のIDをmanager_id
列に更新します。
その他の高度な更新テクニック
- LIMIT句による更新件数の制限:
LIMIT
句を使用して、更新するレコードの数を制限できます。 - ROLLBACKおよびCOMMITによるトランザクション管理: 複数の更新操作をグループ化し、一連の操作として実行することができます。
- トリガーによる自動更新: 特定の条件が満たされた場合に自動的に更新を実行するトリガーを設定できます。
SQLiteのUPDATEステートメントは、様々な条件に基づいてデータを柔軟に更新することができます。WHERE句、JOIN句、サブクエリなどを組み合わせることで、高度な更新操作を実現できます。
上記で説明した内容は、高度な更新テーブルクエリのほんの一例です。より複雑な操作や、具体的な実装例については、SQLiteの公式ドキュメントや書籍などを参照することをお勧めします。
特定の列の値を10%増減する
UPDATE products
SET price = price * (1 + IFNULL(increase_percent, 0.1));
このクエリは、products
テーブルのすべてのレコードの価格を10%値上げします。オプションのincrease_percent
列が存在する場合は、その値を価格の増減率として使用します。
特定のカテゴリに属する商品の価格を10%値上げし、かつ在庫数が50以下の商品は値下げする
UPDATE products
SET price = price * (1 + IFNULL(increase_percent, 0.1))
WHERE category = 'electronics' AND stock <= 50
SET price = price * 0.9;
このクエリは、products
テーブルでカテゴリーがelectronics
であるレコードの価格を10%値上げします。ただし、在庫数が50以下のレコードは値下げします。
顧客の最終購入日を、最新の注文日から更新する
UPDATE customers
SET last_purchase_date = (
SELECT MAX(order_date)
FROM orders
O
WHERE O.customer_id = C.customer_id
)
FROM customers
C
WHERE C.last_purchase_date IS NULL;
各部門の給与最上位者のIDをマネージャーIDに設定する
UPDATE employees
E
SET E.manager_id = (
SELECT employee_id
FROM employees
WHERE department = E.department
ORDER BY salary DESC
LIMIT 1
)
WHERE E.manager_id IS NULL;
このクエリは、employees
テーブルでマネージャーIDがNULLのレコードについて、所属する部門の給与最上位者のIDをmanager_id
列に更新します。
古い注文をキャンセルする
UPDATE orders
SET status = 'canceled'
WHERE order_date < (
SELECT date('now') - INTERVAL 30 DAY
);
このクエリは、30日以上前の注文をキャンセル状態に変更します。
説明:
上記のサンプルコードは、いずれも基本的なUPDATEステートメントを組み合わせることで、高度な更新操作を実現しています。これらの例を参考に、具体的なニーズに合わせたクエリを構築することができます。
補足:
- 上記のサンプルコードはあくまでも例であり、実際の状況に合わせて調整する必要があります。
- データベースを更新する前に、必ずバックアップを取るようにしてください。
- 複雑なクエリを作成する場合は、一時テーブルやビューを使用して、処理を分割することを検討すると良いでしょう。
SQLiteにおける高度な更新テーブルクエリのその他の方法
CTE (Common Table Expression) を使用する
CTEを使用すると、複雑なクエリをより読みやすく、モジュール化することができます。更新操作を含む複雑なクエリを、複数の CTE に分割することで、処理をより明確にすることができます。
例:
WITH customer_updates AS (
SELECT customer_id,
COALESCE(last_purchase_date, (
SELECT MAX(order_date)
FROM orders
O
WHERE O.customer_id = C.customer_id
)) AS last_purchase_date
FROM customers
C
)
UPDATE customers
SET last_purchase_date = cu.last_purchase_date
FROM customer_updates AS cu
WHERE customers.customer_id = cu.customer_id;
このクエリは、上記のサンプルコード4と同様の処理を実行しますが、CTEを使用して、last_purchase_date
列の更新ロジックを別の CTE にカプセル化しています。
ウィンドウ関数を使用すると、特定の行グループに関連する集計値を算出し、その結果を更新に使用することができます。
UPDATE products
SET price = price * (1 + (
SELECT AVG(price_increase_percent)
OVER (PARTITION BY category)
))
WHERE category = 'electronics';
このクエリは、electronics
カテゴリーに属する商品の価格を、そのカテゴリー全体の平均値上げ率に基づいて更新します。
トリガーを使用すると、特定のイベントが発生したときに自動的に更新を実行することができます。例えば、新しい顧客が登録されたときに、その顧客の最終購入日をNULL
に設定するトリガーを作成することができます。
CREATE TRIGGER customer_last_purchase_date_update
AFTER INSERT ON customers
FOR EACH ROW
BEGIN
UPDATE customers
SET last_purchase_date = NULL
WHERE customer_id = NEW.customer_id;
END;
このトリガーは、customers
テーブルに新しいレコードが挿入された後、そのレコードのlast_purchase_date
列をNULL
に設定します。
外部スクリプトを使用する
より複雑な更新処理が必要な場合は、SQLiteと連携する外部スクリプト (Python、Perl、Rubyなど) を使用することができます。スクリプトを使用して、データベースへのアクセス、データの加工、更新処理の実行などを柔軟に行うことができます。
これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。複雑な更新操作を行う場合は、パフォーマンスと可読性を考慮して、最適な方法を選択してください。
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