PostgreSQLで全てのテーブルのOWNERを一括変更する代替方法
PostgreSQLで全てのテーブルのOWNERを一括変更する方法
PostgreSQLでは、SQLのALTER TABLE
コマンドを使用して、個々のテーブルのOWNERを変更することができます。しかし、データベース内のすべてのテーブルのOWNERを同時に変更したい場合は、以下の方法が有効です。
SQLスクリプトの作成
まず、すべてのテーブルのOWNERを変更するためのSQLスクリプトを作成します。スクリプトは、INFORMATION_SCHEMA
スキーマのTABLES
ビューを使用して、すべてのテーブルの情報を取得し、各テーブルに対してALTER TABLE
コマンドを実行します。
DO $$
BEGIN
FOR table_record IN SELECT table_name FROM information_schema.tables WHERE table_schema = 'public' LOOP
EXECUTE 'ALTER TABLE ' || table_record.table_name || ' OWNER TO new_owner';
END LOOP;
END $$;
このスクリプトでは、public
スキーマ内のすべてのテーブルのOWNERをnew_owner
に変更しています。実際のスクリプトでは、'public'
を適切なスキーマ名に、'new_owner'
を新しいOWNER名に置き換えてください。
スクリプトの実行
作成したスクリプトをPostgreSQLクライアント(例えば、pgAdminやpsql)を使用して実行します。スクリプトを実行すると、すべてのテーブルのOWNERが同時に変更されます。
注意:
- OWNERを変更する前に、データベースのバックアップを作成することを強く推奨します。
- この方法では、システムテーブルや他のスキーマのテーブルのOWNERも変更されます。必要に応じて、スクリプトを調整してください。
例
以下は、public
スキーマ内のすべてのテーブルのOWNERをpostgres
に変更するスクリプトの例です。
DO $$
BEGIN
FOR table_record IN SELECT table_name FROM information_schema.tables WHERE table_schema = 'public' LOOP
EXECUTE 'ALTER TABLE ' || table_record.table_name || ' OWNER TO postgres';
END LOOP;
END $$;
DO $$
BEGIN
FOR table_record IN SELECT table_name FROM information_schema.tables WHERE table_schema = 'public' LOOP
EXECUTE 'ALTER TABLE ' || table_record.table_name || ' OWNER TO new_owner';
END LOOP;
END $$;
DO $$
BEGIN
FOR table_record IN SELECT table_name FROM information_schema.tables WHERE table_schema = 'public' LOOP
EXECUTE 'ALTER TABLE ' || table_record.table_name || ' OWNER TO postgres';
END LOOP;
END $$;
解説:
FOR table_record IN SELECT table_name FROM information_schema.tables WHERE table_schema = 'public'
:public
スキーマ内のすべてのテーブルの情報を取得し、table_record
変数に格納します。EXECUTE 'ALTER TABLE ' || table_record.table_name || ' OWNER TO postgres'
:table_record.table_name
のテーブルのOWNERをpostgres
に変更するSQL文を実行します。
SQLスクリプトの作成(既存の方法)
- これは、最も一般的な方法であり、上述のスクリプトを使用します。
PostgreSQLのALTER DATABASEコマンド
- PostgreSQL 10以降では、
ALTER DATABASE
コマンドを使用して、データベース内のすべてのオブジェクトのOWNERを変更することができます。
ALTER DATABASE your_database_name OWNER TO new_owner;
- この方法では、データベース内のすべてのオブジェクト(テーブル、ビュー、シーケンスなど)のOWNERが同時に変更されます。
PL/pgSQL関数を使用
- PL/pgSQL関数を作成し、その中で
ALTER TABLE
コマンドをループを使用して実行することもできます。
CREATE OR REPLACE FUNCTION change_table_owners() RETURNS void AS
$$
DECLARE
table_record RECORD;
BEGIN
FOR table_record IN SELECT table_name FROM information_schema.tables WHERE table_schema = 'public ' LOOP
EXECUTE 'ALTER TABLE ' || table_record.table_name || ' OWNER TO new_owner';
END LOOP;
END;
$$
LANGUAGE plpgsql;
- この関数を呼び出すことで、すべてのテーブルのOWNERを変更することができます。
外部ツールを使用
- PostgreSQLの外部ツール(例えば、pgAdminやpg_dump)を使用して、データベースのバックアップを作成し、新しいOWNERで復元することもできます。
選択基準:
- データベース全体を変更したい場合:
ALTER DATABASE
コマンドが最も簡単です。 - 特定のスキーマまたはテーブルのみを変更したい場合: SQLスクリプトまたはPL/pgSQL関数を使用します。
- バックアップと復元が必要な場合: 外部ツールを使用します。
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