SQL Serverで「CREATE OR REPLACE VIEW」をエミュレートする方法: MERGE 構文を使用して既存のビューを更新または作成する

2024-04-06

SQL Serverにおける「CREATE OR REPLACE VIEW」の代替手段

Oracleデータベースでは、既存のビューを置き換えるために CREATE OR REPLACE VIEW 構文を使用できます。一方、SQL Serverにはこの構文が存在せず、既存のビューを置き換えるには、いくつかの代替手段を用いる必要があります。

代替手段

  1. DROP AND CREATE

最も基本的な方法は、既存のビューを DROP VIEW 構文で削除してから、新しいビューを CREATE VIEW 構文で作成する方法です。この方法はシンプルですが、以下の点に注意が必要です。

  • 既存のビューに依存するアプリケーションやクエリが動作しなくなる可能性があります。
  • トランザクション内でビュー操作を実行する場合は、DROP VIEWCREATE VIEW を別々のトランザクションに分割する必要があります。
  1. IF EXISTS

IF EXISTS 構文を使用することで、既存のビューが存在するかどうかを確認してから、適切な操作を実行することができます。以下の例では、my_view という名前のビューが存在する場合は ALTER VIEW 構文で更新し、存在しない場合は CREATE VIEW 構文で作成します。

IF EXISTS (SELECT * FROM sys.views WHERE name = 'my_view')
    ALTER VIEW my_view
    AS
    SELECT ...;
ELSE
    CREATE VIEW my_view
    AS
    SELECT ...;
  1. MERGE

SQL Server 2008以降では、MERGE 構文を使用して、既存のビューを更新または作成することができます。以下の例では、my_view という名前のビューが存在する場合は WHEN MATCHED 節で更新し、存在しない場合は WHEN NOT MATCHED 節で作成します。

MERGE INTO sys.views AS target
USING (
    SELECT ...
) AS source
ON (target.name = source.name)
WHEN MATCHED THEN
    UPDATE SET
        ...
WHEN NOT MATCHED THEN
    INSERT (name, definition)
    VALUES ('my_view', ...);

それぞれの方法の比較

方法利点欠点
DROP AND CREATEシンプル既存のビューに依存する処理が停止する可能性がある
IF EXISTS既存のビューの有無を考慮できるやや冗長
MERGESQL Server 2008以降でのみ利用可能複雑

推奨される方法

  • 既存のビューに依存する処理が存在しない場合は、DROP AND CREATE が最もシンプルです。
  • 既存のビューの有無を判定する必要がある場合は、IF EXISTS を使用します。
  • SQL Server 2008以降を使用している場合は、MERGE を使用すると、より柔軟な処理が可能になります。

補足

  • 上記以外にも、サードパーティ製のツールを使用して、CREATE OR REPLACE VIEW 構文をエミュレートする方法もあります。
  • SQL Server 2016以降では、ALTER VIEW 構文に新しいオプションが追加されており、既存のビューの定義を部分的に変更することが可能になっています。



SQL Serverにおける「CREATE OR REPLACE VIEW」の代替手段 - サンプルコード

DROP AND CREATE

-- 既存のビューを削除
DROP VIEW IF EXISTS my_view;

-- 新しいビューを作成
CREATE VIEW my_view
AS
SELECT
    ...;

IF EXISTS

IF EXISTS (SELECT * FROM sys.views WHERE name = 'my_view')
    ALTER VIEW my_view
    AS
    SELECT ...;
ELSE
    CREATE VIEW my_view
    AS
    SELECT ...;

MERGE

MERGE INTO sys.views AS target
USING (
    SELECT ...
) AS source
ON (target.name = source.name)
WHEN MATCHED THEN
    UPDATE SET
        ...
WHEN NOT MATCHED THEN
    INSERT (name, definition)
    VALUES ('my_view', ...);

注記

  • 上記のコードはあくまで例であり、実際の状況に合わせて変更する必要があります。
  • ビューの定義は、ご自身のデータ構造や要件に合わせて変更してください。



SQL Serverにおける「CREATE OR REPLACE VIEW」の代替手段 - その他の方法

システムビューの活用

SQL Serverには、システムビューと呼ばれる、データベースに関する情報を格納するビューが用意されています。これらのシステムビューを活用することで、既存のビューに関する情報を確認したり、操作したりすることができます。

例えば、sys.views ビューには、すべてのビューに関する情報が格納されています。このビューを使用して、既存のビューの名前、定義、所有者などの情報を確認することができます。

SELECT * FROM sys.views;

また、sp_rename システムプロシージャを使用して、既存のビューの名前を変更することができます。

sp_rename 'old_view_name', 'new_view_name';

動的SQLを使用することで、実行時にSQL文を生成することができます。この機能を活用することで、既存のビューが存在するかどうかを判定し、状況に応じて適切な操作を実行することができます。

例えば、以下のコードは、my_view という名前のビューが存在する場合は ALTER VIEW 構文で更新し、存在しない場合は CREATE VIEW 構文で作成する動的SQLの例です。

DECLARE @sql NVARCHAR(4000);

IF EXISTS (SELECT * FROM sys.views WHERE name = 'my_view')
    SET @sql = N'ALTER VIEW my_view AS SELECT ...;';
ELSE
    SET @sql = N'CREATE VIEW my_view AS SELECT ...;';

EXEC sp_executesql @sql;

トランザクションを使用することで、複数の操作を原子的に実行することができます。この機能を活用することで、既存のビューを削除してから新しいビューを作成する操作を、安全かつ確実に実行することができます。

BEGIN TRANSACTION;

IF EXISTS (SELECT * FROM sys.views WHERE name = 'my_view')
    ALTER VIEW my_view
    AS
    SELECT ...;
ELSE
    CREATE VIEW my_view
    AS
    SELECT ...;

COMMIT;

注意事項

  • システムビューや動的SQLを使用する場合は、十分な知識と注意が必要です。
  • トランザクションを使用する場合は、デッドロックなどの問題に注意する必要があります。

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