MySQLレプリケーション徹底解説:マスタースレーブ方式を超えた詳細ガイド

2024-05-24

MySQL の状態「送信中」の詳細解説

バイナリログの送信:

  • マスターサーバーは、スレーブサーバーに複製されるバイナリログエントリをスレーブサーバーに送信しています。
  • この状態は、マスターとスレーブ間の複製が正常に進行していることを示します。

レプリケーション遅延:

  • この状態は、マスターサーバーとスレーブサーバー間に大きな遅延があることを示します。遅延の原因としては、ネットワーク帯域幅の制約、スレーブサーバー側の処理能力不足、マスターサーバー側の書き込み負荷などが考えられます。

マスターフェイルオーバー:

  • マスターサーバーが停止し、新しいマスターサーバーが選出された後、新しいマスターサーバーは古いマスターサーバーのバイナリログをスレーブサーバーに送信しています。
  • この状態は、レプリケーションが正常にフェイルオーバーし、スレーブサーバーが新しいマスターサーバーと同期を取っていることを示します。

「送信中」ステータスの確認方法:

以下のコマンドを使用して、MySQLサーバーのステータスを確認できます。

SHOW SLAVE STATUS;

出力結果の Slave_IO_State 行を確認します。 Slave_IO_StateSending になっている場合、MySQLサーバーは「送信中」ステータスです。

  • 「送信中」ステータスは、必ずしも問題があることを示しているわけではありません。しかし、レプリケーション遅延やマスターフェイルオーバーなどの問題が発生している可能性もありますので、注意が必要です。
  • レプリケーション遅延が問題となっている場合は、ネットワーク帯域幅の増強、スレーブサーバーの処理能力の向上、マスターサーバーの書き込み負荷の軽減などの対策が必要となります。
  • マスターフェイルオーバーが発生した場合は、新しいマスターサーバーが適切に設定されていることを確認する必要があります。



    -- マスターサーバーでスレーブサーバーを追加する
    
    CREATE USER 'slave_user'@'slave_server_ip' IDENTIFIED BY 'slave_password';
    GRANT REPLICATION SLAVE ON *.* TO 'slave_user'@'slave_server_ip';
    FLUSH PRIVILEGES;
    
    CHANGE MASTER TO
      MASTER_HOST='master_server_ip',
      MASTER_USER='master_user',
      MASTER_PASSWORD='master_password',
      MASTER_LOG_FILE='master-bin.log',
      MASTER_LOG_POS=123456;
    
    START SLAVE;
    
    -- スレーブサーバーでマスターサーバーを設定する
    
    STOP SLAVE;
    CHANGE MASTER TO
      MASTER_HOST='master_server_ip',
      MASTER_USER='master_user',
      MASTER_PASSWORD='master_password',
      MASTER_LOG_FILE='master-bin.log',
      MASTER_LOG_POS=123456;
    
    START SLAVE;
    

    上記のコードは、マスターサーバーとスレーブサーバー間でMySQLレプリケーションを設定するためのサンプルコードです。

    マスターサーバー側:

    1. CREATE USER ステートメントを使用して、スレーブサーバーで使用するレプリケーションユーザーを作成します。
    2. GRANT ステートメントを使用して、レプリケーションユーザーにに必要な権限を付与します。
    3. FLUSH PRIVILEGES ステートメントを使用して、権限の変更を適用します。
    4. CHANGE MASTER TO ステートメントを使用して、マスターサーバーの設定を指定します。
    5. START SLAVE ステートメントを使用して、レプリケーションを開始します。

      注意事項:

      • 上記のコードはあくまで例であり、環境に合わせて変更する必要があります。
      • レプリケーションを設定する前に、マスターサーバーとスレーブサーバーが互いに接続できることを確認してください。
      • レプリケーションを設定した後、マスターサーバーとスレーブサーバーのデータが同期されるまで時間がかかる場合があります。



      MySQL レプリケーション: マスター・スレーブ方式以外の方法

      マルチマスターレプリケーション:

      • 複数のマスターサーバーが読み書き可能なレプリケーションに参加できます。
      • 冗長性と可用性を向上させることができます。
      • マスターサーバー間のデータ同期を維持する必要があります。
      • 複雑な設定と管理が必要となります。

      ギャップベースレプリケーション:

      • 特定の時点以降のデータのみを複製します。
      • 大規模なデータセットの複製に適しています。
      • マスターサーバー側の書き込み負荷が増加する可能性があります。

      ピアツーピアレプリケーション:

      • 非常に高い可用性を提供できます。
      • データの整合性を維持する必要があります。

      セミシンクロナスレプリケーション:

      • マスターサーバーが書き込みトランザクションをコミットする前に、スレーブサーバーにトランザクションログを書き込みます。
      • データ損失のリスクを軽減できます。
      • マスターサーバーとスレーブサーバー間のネットワーク帯域幅と処理能力に大きな負荷がかかります。
      • マスターサーバーのバイナリログではなく、トランザクションログを複製します。
      • 柔軟性の高いレプリケーションソリューションを提供できます。

      各方法の比較:

      方法利点欠点
      マスター・スレーブシンプルな設定と管理冗長性と可用性が低い
      マルチマスター冗長性と可用性が高い複雑な設定と管理が必要
      ギャップベース大規模なデータセットの複製に適しているマスターサーバーとスレーブサーバー間のデータ同期に時間がかかる
      ピアツーピア非常に高い可用性を提供できる複雑な設定と管理が必要
      セミシンクロナスデータ損失のリスクを軽減できるマスターサーバーとスレーブサーバー間のネットワーク帯域幅と処理能力に大きな負荷がかかる
      ログベース柔軟性の高いレプリケーションソリューションを提供できるマスターサーバーとスレーブサーバー間のデータ同期に時間がかかる

      最適な方法の選択:

      最適な方法は、要件によって異なります。

      • シンプルで使いやすいレプリケーションソリューションが必要な場合は、マスター・スレーブ方式がおすすめです。
      • 冗長性と可用性を向上させる必要がある場合は、マルチマスターレプリケーションまたはピアツーピアレプリケーションを検討してください。
      • 大規模なデータセットを複製する必要がある場合は、ギャップベースレプリケーションがおすすめです。
      • データ損失のリスクを軽減する必要がある場合は、セミシンクロナスレプリケーションを検討してください。

        mysql


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