PostgreSQLのパフォーマンス向上:Bitmap Heap ScanとBitmap Index Scanの活用法

2024-06-26

PostgreSQLにおけるBitmap Heap ScanとBitmap Index Scanの理解

PostgreSQLでは、インデックスを使用して特定の行を効率的に検索することができます。しかし、インデックスが常に最適な解決策とは限りません。場合によっては、Bitmap Heap ScanとBitmap Index Scanと呼ばれる2つのスキャン方法を使用して、より良いパフォーマンスを得ることができます。

Bitmap Index Scanは、インデックスを使用して、検索条件に合致する行の集合を特定します。この集合は、ビットマップと呼ばれるデータ構造に格納されます。ビットマップは、各行が検索条件に合致するかどうかを示すビットで構成されています。

Bitmap Heap Scanは、Bitmap Index Scanによって特定された行を実際に読み取ります。Bitmap Heap Scanは、ビットマップを使用して、読み取る必要がある行を迅速に識別できます。

2つのスキャンの組み合わせ

Bitmap Heap ScanとBitmap Index Scanは、通常、一緒に使用されます。Bitmap Index Scanは、必要な行を特定し、Bitmap Heap Scanはそれらの行を実際に読み取ります。この組み合わせにより、PostgreSQLは、テーブル全体をスキャンする必要なく、必要な行を効率的に見つけることができます。

Bitmap Heap ScanとBitmap Index Scanは、次の場合に役立ちます。

  • 検索条件が複数の列にまたがる場合
  • 検索条件に範囲指定が含まれている場合

EXPLAINを使用してBitmap Heap ScanとBitmap Index Scanを理解する

EXPLAINを使用して、クエリの実行計画を分析できます。実行計画には、Bitmap Heap ScanとBitmap Index Scanの使用に関する情報が含まれています。この情報を使用して、クエリのパフォーマンスを理解し、必要に応じてインデックスを調整することができます。

次のクエリは、customersテーブルにある、注文金額が1000ドルを超えるすべての顧客の名前と住所を取得します。

SELECT name, address
FROM customers
WHERE amount > 1000;

このクエリの実行計画は以下のようになります。

EXPLAIN SELECT name, address
FROM customers
WHERE amount > 1000;

Query Plan:

  -> BitmapHeapScan(customers) (cost=9.29..18.58 rows=100 width=40)
    -> BitmapIndexScan(idx_customers_amount) (cost=0.03..1.02 rows=100 width=0)
        Index Cond: (amount > 1000)

この実行計画は、Bitmap Heap Scanを使用してcustomersテーブル全体をスキャンし、idx_customers_amountインデックスを使用して、検索条件に合致する行を特定していることを示しています。

Bitmap Heap ScanとBitmap Index Scanは、PostgreSQLでインデックスを使用してクエリのパフォーマンスを向上させるために使用できる2つのスキャン方法です。EXPLAINを使用して、クエリの実行計画を分析し、これらのスキャン方法がどのように使用されているかを理解することができます。




    Example 1: Querying a table with a single index

    CREATE TABLE customers (
      id SERIAL PRIMARY KEY,
      name VARCHAR(255) NOT NULL,
      address VARCHAR(255) NOT NULL,
      amount DECIMAL(10,2) NOT NULL
    );
    
    CREATE INDEX idx_customers_amount ON customers (amount);
    
    INSERT INTO customers (name, address, amount)
    VALUES
      ('John Doe', '123 Main Street', 1200.00),
      ('Jane Doe', '456 Elm Street', 800.00),
      ('Peter Jones', '789 Oak Street', 1500.00);
    
    SELECT name, address
    FROM customers
    WHERE amount > 1000;
    

    Explanation:

    EXPLAIN SELECT name, address
    FROM customers
    WHERE amount > 1000;
    
    Query Plan:
    
      -> BitmapHeapScan(customers) (cost=9.29..18.58 rows=100 width=40)
        -> BitmapIndexScan(idx_customers_amount) (cost=0.03..1.02 rows=100 width=0)
            Index Cond: (amount > 1000)
    

    In this example, the customers table has a single index on the amount column. The query SELECT name, address FROM customers WHERE amount > 1000 uses this index to efficiently identify the rows that match the search condition. The Bitmap Index Scan node in the execution plan indicates that the index was used to create a bitmap of the matching rows. The Bitmap Heap Scan node then uses this bitmap to scan the table and retrieve only the relevant rows.

    CREATE TABLE orders (
      id SERIAL PRIMARY KEY,
      customer_id INTEGER NOT NULL,
      product_id INTEGER NOT NULL,
      order_date DATE NOT NULL,
      amount DECIMAL(10,2) NOT NULL
    );
    
    CREATE INDEX idx_orders_customer_id ON orders (customer_id);
    CREATE INDEX idx_orders_product_id ON orders (product_id);
    CREATE INDEX idx_orders_order_date ON orders (order_date);
    
    INSERT INTO orders (customer_id, product_id, order_date, amount)
    VALUES
      (1, 1, '2023-01-01', 100.00),
      (1, 2, '2023-02-01', 200.00),
      (2, 3, '2023-03-01', 300.00);
    
    SELECT *
    FROM orders
    WHERE customer_id = 1 AND product_id = 2 AND order_date >= '2023-02-01';
    
    EXPLAIN SELECT *
    FROM orders
    WHERE customer_id = 1 AND product_id = 2 AND order_date >= '2023-02-01';
    
    Query Plan:
    
      -> BitmapHeapScan(orders) (cost=14.58..29.16 rows=50 width=120)
        -> BitmapAnd(
             -> BitmapIndexScan(idx_orders_customer_id) (cost=0.03..1.02 rows=50 width=0)
                 Index Cond: (customer_id = 1)
             -> BitmapIndexScan(idx_orders_product_id) (cost=0.03..1.02 rows=50 width=0)
                 Index Cond: (product_id = 2)
             -> BitmapIndexScan(idx_orders_order_date) (cost=0.03..1.02 rows=50 width=0)
                 Index Cond: (order_date >= '2023-02-01')
        )
    

    In this example, the orders table has three indexes: one on the customer_id column, one on the product_id column, and one on the order_date column. The query SELECT * FROM orders WHERE customer_id = 1 AND product_id = 2 AND order_date >= '2023-02-01' uses all three indexes to




    PostgreSQLにおけるBitmap Heap ScanとBitmap Index Scan以外の代替方法

    インデックススキャンは、最も基本的なインデックスアクセスメthodです。インデックスを使用して、検索条件に合致する行のリストを特定します。その後、このリストを使用して、テーブルから実際に必要な行を読み取ります。インデックススキャンは、Bitmap Heap Scanよりも高速な場合がありますが、インデックスが十分に選択的でない場合や、検索条件が複数の列にまたがる場合は、効率が悪くなります。

    マテリアライズドビューは、基底テーブルのサブセットを含むデータベースオブジェクトです。マテリアライズドビューは、定期的に更新されるように設定できます。クエリがマテリアライズドビューで定義されている列にのみアクセスする場合、マテリアライズドビューを使用すると、基底テーブルをスキャンするよりも効率的に結果を取得できます。

    パーティショニングは、テーブルを論理的にサブセットに分割する手法です。各パーティションは、特定の条件に一致する行のみを含みます。クエリが特定のパーティションにのみアクセスする場合、パーティショニングを使用すると、テーブル全体をスキャンするよりも効率的に結果を取得できます。

    集計表は、集計結果を事前に計算して格納しておくテーブルです。集計クエリが集計表で定義されている列にのみアクセスする場合、集計表を使用すると、基底テーブルをスキャンするよりも効率的に結果を取得できます。

    クエリの最適化:

    上記の方法に加えて、クエリの最適化によって、Bitmap Heap ScanとBitmap Index Scanの使用を回避できる場合があります。クエリを最適化するには、次の手順を実行します。

    • クエリで使用されている条件を分析する: 検索条件がインデックスを使用して効率的に評価できることを確認します。
    • 適切なインデックスを作成する: 必要なインデックスが存在しない場合は、作成します。
    • クエリの実行計画を分析する: EXPLAINを使用して、クエリの実行計画を分析し、ボトルネックを特定します。
    • 必要に応じてクエリを書き換える: クエリを書き換えることで、パフォーマンスを向上させることができる場合があります。

    postgresql


    PostgreSQL 8.2でリレーショナル整合性を無効にする際の注意事項

    PostgreSQL 8.2では、テーブル間の参照整合性を無効にする方法がいくつかあります。方法ALTER TABLEコマンドを使用するこの方法では、指定されたテーブルの指定された制約が削除されます。SET CONSTRAINTSコマンドを使用する...


    インデックスでクエリのパフォーマンスを向上させる! PostgreSQL 外部キーと主キーのインデックス設定ガイド

    この文書は、PostgreSQLにおける外部キーと主キーのインデックスに関する解説です。インデックスは、データベースのクエリのパフォーマンスを向上させるために使用されます。外部キーと主キーは、データベースのテーブル間の関係を定義するために使用されます。...


    UPDATE ... FROM ステートメントを使用して別のテーブルからの値に基づいて PostgreSQL のテーブル行を更新する方法

    table_name: 更新するテーブルの名前column_name: 更新する列の名前subquery: 更新に使用する値を返すサブクエリcondition: 更新対象の行を指定する条件例 1:別のテーブルからの値に基づいて行を更新するproducts テーブルと categories テーブルがあり、products テーブルの category_id 列が categories テーブルの id 列を参照しているとします。products テーブルの各製品のカテゴリ名を category_name 列に更新するには、次のクエリを使用します。...


    PostgreSQL array_agg 関数と ORDER BY 句による配列の順序制御

    array_agg 関数は、複数の行の値を1つの配列に集約します。このとき、ORDER BY 句を併用することで、配列の要素の順序を制御できます。基本的な使い方上記のように記述すると、table テーブルの value 列の値を、昇順に並べた配列として取得できます。...


    PostgreSQLで新しいデータベースを作成する前に知っておきたい:template0とtemplate1

    PostgreSQLにおいて、template0とtemplate1は、どちらも新しいデータベースを作成するためのテンプレートデータベースとして機能します。しかし、それぞれ異なる役割と特徴を持ち、使い分けが重要となります。template1:デフォルトテンプレート...


    SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



    データ量に負けない!PostgreSQL クエリのパフォーマンスを最大限に引き出すビットマップヒープスキャンの活用

    ビットマップヒープスキャンは、以下の手順で実行されます。ビットマップの作成: テーブルの各行に対して、条件に一致するかどうかを判断し、ビットマップを作成します。ビットマップの検査: 作成されたビットマップを検査し、条件に一致する行の識別番号 (TID) を取得します。