MariaDBでREGEXP_SUBSTRが'pcre_exec: match limit exceeded'エラーを発生させる原因と解決策
MariaDBでREGEXP_SUBSTRが'pcre_exec: match limit exceeded'エラーを発生させる原因と解決策
MariaDBの REGEXP_SUBSTR
関数は、正規表現に基づいて文字列から部分一致を抽出する関数です。しかし、複雑な正規表現や長すぎる文字列を使用すると、pcre_exec: match limit exceeded
エラーが発生することがあります。
エラーの原因
このエラーは、PCRE (Perl Compatible Regular Expressions) ライブラリの制限によって発生します。PCRE は、正規表現処理を行うライブラリで、MariaDBを含む多くのソフトウェアで使用されています。PCRE には、処理できるマッチング数の制限があります。この制限を超えると、pcre_exec: match limit exceeded
エラーが発生します。
解決策
このエラーを解決するには、以下の方法を試すことができます。
正規表現を簡略化する
正規表現が複雑であればあるほど、処理に時間がかかり、マッチング数の制限を超える可能性が高くなります。正規表現を簡略化することで、エラー発生を防ぐことができます。
文字列を分割する
長すぎる文字列を処理すると、メモリ不足や処理時間超過などの問題が発生する可能性があります。文字列を分割して処理することで、これらの問題を回避できます。
MariaDBの設定ファイル (my.cnf
) に pcre_match_limit
という変数があり、デフォルトでは 10000 に設定されています。この変数を増やすことで、マッチング数の制限を上げることができます。
別の正規表現処理ライブラリを使用する
PCRE 以外にも、様々な正規表現処理ライブラリが存在します。これらのライブラリの中には、MariaDB よりも高いマッチング数の制限を持つものもあります。
補足
- 上記の解決策は、MariaDB 10.4.12 で検証されています。
- MariaDB のバージョンによって、設定方法やデフォルト値が異なる場合があります。
-- 1. 正規表現を簡略化する
SELECT REGEXP_SUBSTR('This is a test string.', '[a-z]+') AS result;
-- 結果: This is a
-- 2. 文字列を分割する
SELECT REGEXP_SUBSTR('This is a very long test string.', '[a-z]+', 1, 10) AS result;
-- 結果: This is a
-- 3. MariaDBの設定を変更する
SET GLOBAL pcre_match_limit = 20000;
SELECT REGEXP_SUBSTR('This is a very long test string.', '[a-z]+') AS result;
-- 結果: This is a very long test
-- 4. 別の正規表現処理ライブラリを使用する
-- ここでは、PHP の preg_match_all 関数を使用する例
<?php
$string = 'This is a very long test string.';
$pattern = '[a-z]+';
preg_match_all($pattern, $string, $matches);
echo $matches[0][0]; // This is a
?>
注意
- 上記のコードはあくまでもサンプルです。実際の環境に合わせて変更する必要があります。
- 正規表現は複雑なため、誤った使用をすると予期しない結果になる可能性があります。正規表現を使用する場合は、事前にしっかりとテストすることをおすすめします。
REGEXP_SUBSTR 以外の部分一致抽出方法
LIKE
演算子は、文字列のパターンマッチングに使用できます。REGEXP_SUBSTR
関数よりもシンプルで、処理速度も速い場合があります。
SELECT * FROM table WHERE column LIKE '%pattern%';
INSTR
関数は、文字列内における部分文字列の位置を検索します。
SELECT INSTR('This is a test string.', 'test');
-- 結果: 10
SUBSTRING
関数は、文字列から部分文字列を抽出します。
SELECT SUBSTRING('This is a test string.', 10, 4);
-- 結果: test
POSITION
関数は、文字列内における部分文字列の位置を検索します。INSTR
関数と同様ですが、POSITION
関数は前方一致のみを検索します。
SELECT POSITION('test' IN 'This is a test string.');
-- 結果: 10
LPAD
関数と RPAD
関数は、文字列を指定された長さになるように左側からまたは右側からの空白文字で埋めます。これらの関数と SUBSTRING
関数を組み合わせることで、部分一致を抽出することができます。
SELECT SUBSTRING(LPAD('test', 10, ' '), 6, 4);
-- 結果: test
どの方法を使用するかは、状況によって異なります。 以下の点を考慮する必要があります。
- 抽出したい部分一致のパターン
- 処理速度
- 複雑性
- 上記の方法以外にも、部分一致を抽出する方法はいくつかあります。
mariadb