SQLでデータベースから住所情報を効率的に取り出す:MariaDBのVARCHAR/TEXT列を活用
MariaDB の VARCHAR または TEXT 列から複数のマッチを抽出して行として表示するプログラミング
MariaDB の VARCHAR
または TEXT
列から、指定されたパターンに一致する複数の部分文字列を抽出し、行として表示する方法について解説します。この方法は、テキストデータから特定の情報を取り出す場合や、データ分析を行う場合などに役立ちます。
前提条件
- MariaDB がインストールされている
- 対象のデータベースにアクセスできる
- SQL を使用できる
手順
- 正規表現パターンを作成する
抽出したい部分文字列のパターンを正規表現で記述します。正規表現は、文字列のパターンを記述するための強力なツールです。詳細は、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E8%A1%A8%E7%8F%BE を参照してください。
- REGEXP_EXTRACT() 関数を使用する
REGEXP_EXTRACT()
関数は、文字列から正規表現に一致する部分文字列を抽出します。
SELECT REGEXP_EXTRACT(column_name, pattern) AS extracted_value
FROM table_name;
column_name
: 抽出対象の列名pattern
: 正規表現パターンextracted_value
: 抽出された部分文字列
- GROUP_CONCAT() 関数を使用する
GROUP_CONCAT()
関数は、複数の値をカンマ区切りで結合します。
SELECT id, GROUP_CONCAT(REGEXP_EXTRACT(column_name, pattern) SEPARATOR ',') AS extracted_values
FROM table_name
GROUP BY id;
id
: 抽出対象の列名
例
以下は、addresses
テーブルの address
列から、郵便番号と都道府県を抽出して表示する例です。
SELECT
id,
REGEXP_EXTRACT(address, '\d{3}-\d{4}') AS postal_code,
REGEXP_EXTRACT(address, '[^0-9]+都道府県') AS prefecture
FROM addresses;
注意事項
- 正規表現パターンは、抽出したい部分文字列を正確に記述する必要があります。
GROUP_CONCAT()
関数は、抽出された部分文字列が複数ある場合にのみ使用します。
データベース接続
import mysql.connector
db = mysql.connector.connect(
host="localhost",
user="user",
password="password",
database="database_name",
)
データ取得
cursor = db.cursor()
cursor.execute("SELECT id, address FROM addresses")
results = cursor.fetchall()
データ処理
for row in results:
id = row[0]
address = row[1]
# 郵便番号と都道府県を抽出
postal_code = re.findall(r"\d{3}-\d{4}", address)
prefecture = re.findall(r"[^0-9]+都道府県", address)
# 結果を表示
print(f"ID: {id}")
print(f"郵便番号: {postal_code}")
print(f"都道府県: {prefecture}")
print()
データベースクローズ
db.close()
補足
- このコードは、Python で MariaDB に接続し、SQL を実行する方法を示しています。
- 実際の環境では、データベース接続情報やテーブル名などを適宜変更する必要があります。
re
モジュールは、正規表現を使用するために必要です。
実行方法
- 上記のコードを保存します。
- Python でコードを実行します。
結果
ID: 1
郵便番号: ['100-0001']
都道府県: ['東京都']
ID: 2
郵便番号: ['543-0002']
都道府県: ['大阪府']
ID: 3
郵便番号: ['800-0003']
都道府県: ['福岡県']
説明
- コードはまず、MariaDB に接続します。
- 次に、
addresses
テーブルからデータを取得します。 - 取得したデータに対して、正規表現を使用して郵便番号と都道府県を抽出します。
- 抽出した結果は、ID とともに表示されます。
- このコードはあくまでサンプルであり、実際の運用環境では、セキュリティ対策やエラー処理などを考慮する必要があります。
VARCHAR または TEXT 列から複数のマッチを抽出して行として表示するその他の方法
SUBSTRING_INDEX()
関数は、文字列から指定した区切り文字までの部分文字列を抽出します。COUNT()
関数は、文字列に含まれる指定した文字列の個数をカウントします。
SELECT id,
SUBSTRING_INDEX(address, ',', 1) AS postal_code,
SUBSTRING_INDEX(SUBSTRING_INDEX(address, ',', 2), ',', -1) AS prefecture
FROM addresses;
JSON_QUERY()
関数は、JSON データから値を抽出します。
SELECT id,
JSON_QUERY(address, '$."postalCode"') AS postal_code,
JSON_QUERY(address, '$."prefecture"') AS prefecture
FROM addresses
WHERE JSON_VALID(address);
SPLIT_REGEX() 関数と ARRAY_CONCAT() 関数を使用する
SPLIT_REGEX()
関数は、文字列を正規表現で分割します。ARRAY_CONCAT()
関数は、配列を結合します。
SELECT id,
ARRAY_CONCAT(SPLIT_REGEX(address, ', '))[1] AS postal_code,
ARRAY_CONCAT(SPLIT_REGEX(address, ', '))[2] AS prefecture
FROM addresses;
ユーザー定義関数を使用する
上記の方法でうまくいかない場合、ユーザー定義関数を作成して抽出処理を行うことができます。
CREATE FUNCTION extract_postal_code_and_prefecture(address VARCHAR(255))
RETURNS JSON
BEGIN
DECLARE result JSON;
SET result = JSON_OBJECT('postalCode',
SUBSTRING_INDEX(address, ',', 1),
'prefecture',
SUBSTRING_INDEX(SUBSTRING_INDEX(address, ',', 2), ',', -1));
RETURN result;
END;
SELECT id, extract_postal_code_and_prefecture(address) AS extracted_values
FROM addresses;
- 上記の方法は、あくまで例であり、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。
- 複雑な正規表現を使用する場合は、処理速度が遅くなる可能性があります。
- ユーザー定義関数を使用する場合は、セキュリティ対策に注意する必要があります。
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