SQLでデータベースから住所情報を効率的に取り出す:MariaDBのVARCHAR/TEXT列を活用

2024-05-24

MariaDB の VARCHAR または TEXT 列から複数のマッチを抽出して行として表示するプログラミング

MariaDB の VARCHAR または TEXT 列から、指定されたパターンに一致する複数の部分文字列を抽出し、行として表示する方法について解説します。この方法は、テキストデータから特定の情報を取り出す場合や、データ分析を行う場合などに役立ちます。

前提条件

  • MariaDB がインストールされている
  • 対象のデータベースにアクセスできる
  • SQL を使用できる

手順

  1. 正規表現パターンを作成する

抽出したい部分文字列のパターンを正規表現で記述します。正規表現は、文字列のパターンを記述するための強力なツールです。詳細は、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E8%A1%A8%E7%8F%BE を参照してください。

  1. REGEXP_EXTRACT() 関数を使用する

REGEXP_EXTRACT() 関数は、文字列から正規表現に一致する部分文字列を抽出します。

SELECT REGEXP_EXTRACT(column_name, pattern) AS extracted_value
FROM table_name;
  • column_name: 抽出対象の列名
  • pattern: 正規表現パターン
  • extracted_value: 抽出された部分文字列
  1. GROUP_CONCAT() 関数を使用する

GROUP_CONCAT() 関数は、複数の値をカンマ区切りで結合します。

SELECT id, GROUP_CONCAT(REGEXP_EXTRACT(column_name, pattern) SEPARATOR ',') AS extracted_values
FROM table_name
GROUP BY id;
  • id: 抽出対象の列名

以下は、addresses テーブルの address 列から、郵便番号と都道府県を抽出して表示する例です。

SELECT
  id,
  REGEXP_EXTRACT(address, '\d{3}-\d{4}') AS postal_code,
  REGEXP_EXTRACT(address, '[^0-9]+都道府県') AS prefecture
FROM addresses;

注意事項

  • 正規表現パターンは、抽出したい部分文字列を正確に記述する必要があります。
  • GROUP_CONCAT() 関数は、抽出された部分文字列が複数ある場合にのみ使用します。



データベース接続

import mysql.connector

db = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="user",
    password="password",
    database="database_name",
)

データ取得

cursor = db.cursor()
cursor.execute("SELECT id, address FROM addresses")
results = cursor.fetchall()

データ処理

for row in results:
    id = row[0]
    address = row[1]

    # 郵便番号と都道府県を抽出
    postal_code = re.findall(r"\d{3}-\d{4}", address)
    prefecture = re.findall(r"[^0-9]+都道府県", address)

    # 結果を表示
    print(f"ID: {id}")
    print(f"郵便番号: {postal_code}")
    print(f"都道府県: {prefecture}")
    print()

データベースクローズ

db.close()

補足

  • このコードは、Python で MariaDB に接続し、SQL を実行する方法を示しています。
  • 実際の環境では、データベース接続情報やテーブル名などを適宜変更する必要があります。
  • re モジュールは、正規表現を使用するために必要です。

実行方法

  1. 上記のコードを保存します。
  2. Python でコードを実行します。

結果

ID: 1
郵便番号: ['100-0001']
都道府県: ['東京都']

ID: 2
郵便番号: ['543-0002']
都道府県: ['大阪府']

ID: 3
郵便番号: ['800-0003']
都道府県: ['福岡県']

説明

  • コードはまず、MariaDB に接続します。
  • 次に、addresses テーブルからデータを取得します。
  • 取得したデータに対して、正規表現を使用して郵便番号と都道府県を抽出します。
  • 抽出した結果は、ID とともに表示されます。
  • このコードはあくまでサンプルであり、実際の運用環境では、セキュリティ対策やエラー処理などを考慮する必要があります。



VARCHAR または TEXT 列から複数のマッチを抽出して行として表示するその他の方法

SUBSTRING_INDEX() 関数は、文字列から指定した区切り文字までの部分文字列を抽出します。COUNT() 関数は、文字列に含まれる指定した文字列の個数をカウントします。

SELECT id,
       SUBSTRING_INDEX(address, ',', 1) AS postal_code,
       SUBSTRING_INDEX(SUBSTRING_INDEX(address, ',', 2), ',', -1) AS prefecture
FROM addresses;

JSON_QUERY() 関数は、JSON データから値を抽出します。

SELECT id,
       JSON_QUERY(address, '$."postalCode"') AS postal_code,
       JSON_QUERY(address, '$."prefecture"') AS prefecture
FROM addresses
WHERE JSON_VALID(address);

SPLIT_REGEX() 関数と ARRAY_CONCAT() 関数を使用する

SPLIT_REGEX() 関数は、文字列を正規表現で分割します。ARRAY_CONCAT() 関数は、配列を結合します。

SELECT id,
       ARRAY_CONCAT(SPLIT_REGEX(address, ', '))[1] AS postal_code,
       ARRAY_CONCAT(SPLIT_REGEX(address, ', '))[2] AS prefecture
FROM addresses;

ユーザー定義関数を使用する

上記の方法でうまくいかない場合、ユーザー定義関数を作成して抽出処理を行うことができます。

CREATE FUNCTION extract_postal_code_and_prefecture(address VARCHAR(255))
RETURNS JSON
BEGIN
    DECLARE result JSON;

    SET result = JSON_OBJECT('postalCode', 
                             SUBSTRING_INDEX(address, ',', 1),
                             'prefecture', 
                             SUBSTRING_INDEX(SUBSTRING_INDEX(address, ',', 2), ',', -1));

    RETURN result;
END;

SELECT id, extract_postal_code_and_prefecture(address) AS extracted_values
FROM addresses;
  • 上記の方法は、あくまで例であり、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。
  • 複雑な正規表現を使用する場合は、処理速度が遅くなる可能性があります。
  • ユーザー定義関数を使用する場合は、セキュリティ対策に注意する必要があります。

    sql mariadb


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