MariaDB: 過去1時間分のデータ変更のみをロールバックする方法

2024-04-12

MariaDB における相対的な時間期間のシステムバージョン管理

従来のシステムバージョン管理では、変更を記録するために timestamp または datetime 型の列を使用していました。しかし、この方法では、特定の期間におけるデータの変更を特定するのが困難でした。

そこで、MariaDB 10.2 からは、相対的な時間期間を指定してシステムバージョン管理を行う機能が導入されました。この機能により、以下のようなことが可能になります。

  • 過去 1 時間分のデータ変更のみをロールバックする
  • 昨日の午前 9 時から午後 5 時までのデータ変更を比較する
  • 過去 7 日間のデータの増減を分析する

相対的な時間期間を指定するには、mariadb.system_versioning テーブルの version_end 列に以下の形式の文字列を指定します。

<期間> <単位>

例えば、以下の例では、過去 1 時間分のデータ変更のみをロールバックする設定を示しています。

version_end = '-1 HOUR';

その他の例としては、以下のようなものがあります。

version_end = '-7 DAY';
version_end = '2024-04-10 09:00:00';
version_start = '2024-04-10 17:00:00';

相対的な時間期間のシステムバージョン管理には、以下のメリットがあります。

  • 従来の timestamp または datetime 型の列を使用するよりも、期間の指定が柔軟
  • 特定の期間におけるデータの変更を簡単に特定できる
  • データ分析や監査に役立つ

設定方法

  1. MariaDB 10.2 以降をインストールする
  2. mariadb.system_versioning テーブルを作成する
  3. version_end 列に相対的な時間期間を指定する

詳細は、以下のドキュメントを参照してください。

MariaDB における相対的な時間期間のシステムバージョン管理は、データベースの変更を効率的に管理するための便利な機能です。この機能を活用することで、過去の時点にデータベースをロールバックしたり、特定の期間におけるデータの変更を追跡したりすることができます。




-- mariadb.system_versioningテーブルを作成する

CREATE TABLE mariadb.system_versioning (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  version_start TIMESTAMP NOT NULL DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP,
  version_end TIMESTAMP NULL,
  PRIMARY KEY (id)
);

-- 過去1時間分のデータ変更のみをロールバックする

SET @@global.gtid_purged=OFF;
START TRANSACTION;
SET @@session.gtid_next='ANONYMOUS';
BEGIN;
  -- データ変更を行う
END;
COMMIT;
SET @@global.gtid_purged=ON;

-- 過去のデータ変更を比較する

SELECT * FROM mariadb.system_versioning
WHERE version_start BETWEEN '2024-04-10 09:00:00' AND '2024-04-10 17:00:00';

補足

  • 上記のサンプルコードは、MariaDB 10.2 以降で動作します。
  • gtid_purged 設定は、データの削除を無効にするために使用します。
  • gtid_next 設定は、新しいトランザクションに割り当てる GTID を指定するために使用します。
  • 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。実際の運用に合わせて変更する必要があります。



相対的な時間期間のシステムバージョン管理を行う他の方法

  • スナップショット

スナップショットは、特定時点におけるデータベースの状態を保存したものです。スナップショットを使用すると、過去の時点にデータベースをロールバックすることができます。

  • データバックアップ

データバックアップは、データベース全体または一部のデータを定期的にバックアップする方法です。データバックアップを使用すると、過去の時点のデータを取得することができます。

これらの方法は、それぞれメリットとデメリットがあります。以下に、それぞれの方法の比較表を示します。

方法メリットデメリット
システムバージョン管理特定の期間におけるデータの変更を簡単に特定できる設定が複雑
スナップショット過去の時点にデータベースを簡単にロールバックできるストレージ容量を多く消費する
データバックアップ過去の時点のデータを取得できる特定の期間におけるデータの変更を特定するのが難しい
  • データベースの変更をどの程度細かく追跡する必要があるか
  • 過去の時点にデータベースをロールバックする必要があるかどうか
  • ストレージ容量の制限

MariaDB には、相対的な時間期間のシステムバージョン管理を行う他にも、スナップショットやデータバックアップなどの方法があります。それぞれの方法のメリットとデメリットを理解した上で、要件に合った方法を選択することが重要です。


mariadb


MariaDB Galera クラスタの作成: エラー「Unable to create MariaDB Galera Cluster」の解決策

MariaDB Galera クラスタを作成しようとすると、「Unable to create MariaDB Galera Cluster」というエラーが発生することがあります。このエラーは、さまざまな原因によって発生する可能性があり、解決策も原因によって異なります。...


MariaDBでCASEとGROUP BYを使って新しい列を作成する方法

このチュートリアルでは、MariaDBで既存の列の値に基づいて新しい列を作成する方法を説明します。具体的には、CASE式とGROUP BY句を使用して、既存の列の値を新しい列にグループ化し、条件に応じて異なる値を割り当てます。例次の例では、ordersテーブルを使用して、注文ごとに注文合計金額と顧客属性に基づくカテゴリを新しい列に格納する方法を示します。...


MySQLとMariaDBでUNIONクエリとGROUP_CONCAT関数を使いこなす:詳細解説とサンプルコード

MySQLとMariaDBでは、GROUP_CONCAT関数を使用して、UNIONクエリ内の結果セットを連結することができます。これは、複数の行のデータを1つの列にまとめる場合に役立ちます。構文説明GROUP_CONCAT: 複数の値を連結する関数です。...


MySQLとMariaDB: バイナリログとSUPER権限を安全に管理する方法

バイナリログは、データベースに対するすべての変更を記録するファイルです。これは、データ復旧、レプリケーション、監査などの目的に使用されます。SUPER権限は、MySQLとMariaDBで最も強力な権限です。この権限を持つユーザーは、データベースに対してあらゆる操作を実行できます。...


VARBINARYフィールドの長さに基づいたデータフィルタリング:MySQL/MariaDBの活用事例

例:このクエリは、myvarbinaryfield 列の長さが 10 バイトであるすべての行を選択します。LENGTH(myvarbinaryfield) > 5: myvarbinaryfield 列の長さが 5 バイトより大きいすべての行を選択します。...


SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



【永久保存版】MariaDB/MySQL で「更新日時」を触らずに「作成日時」を設定する方法

CURRENT_TIMESTAMP オプションを使用すると、列に挿入されるたびに自動的に現在の日付と時刻が設定されます。さらに、DEFAULT NULL オプションを組み合わせて、列に値が設定されていない場合にのみ CURRENT_TIMESTAMP を設定するようにすることができます。


MariaDB Temporalテーブルのタイムマシン: temporal_rollback関数で過去へ

この解説では、MariaDBのTemporalテーブルで特定の時点の前のバージョンに戻す方法を、以下の2つの方法について詳しく説明します。POINT IN TIMEは、特定の時点を表す特別な値です。この方法では、POINT IN TIMEを使用して、戻したい時点を指定します。


MariaDBで始めるテポーラルテーブル:履歴データをタイムトラベルで追跡

このチュートリアルを始める前に、以下の条件を満たしていることを確認してください。MariaDB 10. 4がインストールされているテポーラルテーブルを作成する方法を知っている履歴データを挿入するテポーラルテーブルを作成します。履歴データを挿入します。


データベースのバージョン管理、復元、監査を楽々!MySQL/MariaDBシステムバージョンテーブルのメリット

MySQL/MariaDBでは、スキーマ変更を自動的に追跡し、データベースの進化を記録するシステムバージョンテーブルを作成できます。この機能は、データベースのバージョン管理、復元、監査に役立ちます。仕組みシステムバージョンテーブルは、データベース内のすべてのスキーマ変更に関する情報を格納します。具体的には、以下の情報が含まれます。


MariaDB システムバージョン管理テーブル:テスト/開発用空テーブルの履歴データ

この機能は、テストや開発において、過去のデータ状態を再現する必要がある場合に非常に役立ちます。例えば、以下のケースで活用できます。特定のバグ修正や機能追加がデータに与える影響を検証したい特定の時点におけるデータ状態を復元して、ロールバックしたい