MariaDB 10.2で導入された部分的な取り消し機能の解説とサンプルコード
MariaDBにおける部分的な取り消し
そこで、MariaDB 10.2から導入されたのが部分的な取り消し機能です。この機能を使えば、特定の権限のみを取り消したり、特定のテーブルに対する権限のみを取り消したりすることができます。
部分的な取り消しの構文は以下の通りです。
REVOKE [GRANT OPTION FOR] privilege_type ON object_type
FROM user_name [TO user_name]
[IDENTIFIED BY password]
[WITH GRANT OPTION];
オプション
GRANT OPTION FOR
:GRANT
権限の取り消しprivilege_type
: 取り消す権限の種類object_type
: 権限が適用されるオブジェクトの種類user_name
: 権限を取り消すユーザー名TO user_name
: 権限を譲渡するユーザー名 (省略可)IDENTIFIED BY password
: パスワードによる認証 (省略可)
部分的な取り消しの例
例1:特定の権限のみを取り消す
REVOKE SELECT ON table1 FROM user1;
この例では、ユーザーuser1
のテーブルtable1
に対するSELECT
権限のみを取り消します。
REVOKE ALL PRIVILEGES ON table2 FROM user2;
REVOKE GRANT OPTION FOR ALL PRIVILEGES ON * FROM user3;
部分的な取り消し機能を使うことで、以下のようなメリットがあります。
- 権限の管理がより細かくできる
- セキュリティを強化できる
- 運用を効率化できる
注意点
- 取り消す権限を誤ると、ユーザーがデータベースにアクセスできなくなる可能性があります。
- 部分的な取り消しは、MariaDB 10.2以降でのみ使用できます。
MariaDBにおける部分的な取り消し機能は、権限の管理をより細かく、安全に行うための便利な機能です。この機能を使いこなすことで、データベースのセキュリティを強化し、運用を効率化することができます。
例1:特定の権限のみを取り消す
-- ユーザー user1 に対するテーブル table1 の SELECT 権限のみを取り消す
REVOKE SELECT ON table1 FROM user1;
-- ユーザー user2 に対するテーブル table2 の INSERT 権限のみを取り消す
REVOKE INSERT ON table2 FROM user2;
例2:特定のテーブルに対する権限のみを取り消す
-- ユーザー user3 に対するすべてのテーブルの SELECT, INSERT, UPDATE 権限を取り消す
REVOKE SELECT, INSERT, UPDATE ON * FROM user3;
-- ユーザー user4 に対するデータベース db1 のすべての権限を取り消す
REVOKE ALL PRIVILEGES ON db1.* FROM user4;
例3:GRANT権限のみを取り消す
-- ユーザー user5 に対するすべての権限の GRANT 権限のみを取り消す
REVOKE GRANT OPTION FOR ALL PRIVILEGES ON * FROM user5;
-- ユーザー user6 に対するテーブル table3 の SELECT 権限の GRANT 権限のみを取り消す
REVOKE GRANT OPTION FOR SELECT ON table3 FROM user6;
GRANT
コマンドと組み合わせて、権限の付与と取り消しを同時に実行することもできます。SHOW GRANTS
コマンドを使用して、ユーザーに付与されている権限を確認することができます。
注意
MariaDBにおける部分的な取り消しの他の方法
ロールを使用する
MariaDBでは、ロールを使用して、ユーザーに権限を割り当てることができます。ロールは、複数の権限をグループ化したものです。
部分的な取り消しを行うには、まず必要な権限を含むロールを作成します。その後、ユーザーにそのロールを割り当てます。
例
-- ロールを作成する
CREATE ROLE role1;
-- ロールに権限を付与する
GRANT SELECT, INSERT ON table1 TO role1;
-- ユーザーにロールを割り当てる
GRANT role1 TO user1;
-- ユーザーのロールから権限を取り消す
REVOKE SELECT ON table1 FROM role1;
ビューを使用する
ビューは、テーブルの仮想的なサブセットです。ビューを使用することで、ユーザーに特定の列や行に対するアクセスのみを許可することができます。
-- ビューを作成する
CREATE VIEW view1 AS
SELECT name, age FROM users;
-- ユーザーにビューに対する権限を付与する
GRANT SELECT ON view1 TO user1;
トリガーを使用する
トリガーは、特定のイベントが発生したときに実行されるデータベースオブジェクトです。トリガーを使用して、ユーザーが特定の操作を実行しようとしたときに、その操作を制限することができます。
-- トリガーを作成する
CREATE TRIGGER trigger1 BEFORE INSERT ON table1
FOR EACH ROW
BEGIN
IF NEW.age < 18 THEN
SIGNAL SQLSTATE '45000'
SET MESSAGE_TEXT = '年齢が18歳未満のユーザーは登録できません';
END IF;
END;
MariaDBにおける部分的な取り消しには、いくつかの方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、状況に合わせて適切な方法を選択する必要があります。
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