MariaDB 10.2で導入された部分的な取り消し機能の解説とサンプルコード

2024-04-02

MariaDBにおける部分的な取り消し

そこで、MariaDB 10.2から導入されたのが部分的な取り消し機能です。この機能を使えば、特定の権限のみを取り消したり、特定のテーブルに対する権限のみを取り消したりすることができます。

部分的な取り消しの構文は以下の通りです。

REVOKE [GRANT OPTION FOR] privilege_type ON object_type
FROM user_name [TO user_name]
[IDENTIFIED BY password]
[WITH GRANT OPTION];

オプション

  • GRANT OPTION FOR: GRANT権限の取り消し
  • privilege_type: 取り消す権限の種類
  • object_type: 権限が適用されるオブジェクトの種類
  • user_name: 権限を取り消すユーザー名
  • TO user_name: 権限を譲渡するユーザー名 (省略可)
  • IDENTIFIED BY password: パスワードによる認証 (省略可)

部分的な取り消しの例

例1:特定の権限のみを取り消す

REVOKE SELECT ON table1 FROM user1;

この例では、ユーザーuser1のテーブルtable1に対するSELECT権限のみを取り消します。

REVOKE ALL PRIVILEGES ON table2 FROM user2;
REVOKE GRANT OPTION FOR ALL PRIVILEGES ON * FROM user3;

部分的な取り消し機能を使うことで、以下のようなメリットがあります。

  • 権限の管理がより細かくできる
  • セキュリティを強化できる
  • 運用を効率化できる

注意点

  • 取り消す権限を誤ると、ユーザーがデータベースにアクセスできなくなる可能性があります。
  • 部分的な取り消しは、MariaDB 10.2以降でのみ使用できます。

MariaDBにおける部分的な取り消し機能は、権限の管理をより細かく、安全に行うための便利な機能です。この機能を使いこなすことで、データベースのセキュリティを強化し、運用を効率化することができます。




例1:特定の権限のみを取り消す

-- ユーザー user1 に対するテーブル table1 の SELECT 権限のみを取り消す

REVOKE SELECT ON table1 FROM user1;

-- ユーザー user2 に対するテーブル table2 の INSERT 権限のみを取り消す

REVOKE INSERT ON table2 FROM user2;

例2:特定のテーブルに対する権限のみを取り消す

-- ユーザー user3 に対するすべてのテーブルの SELECT, INSERT, UPDATE 権限を取り消す

REVOKE SELECT, INSERT, UPDATE ON * FROM user3;

-- ユーザー user4 に対するデータベース db1 のすべての権限を取り消す

REVOKE ALL PRIVILEGES ON db1.* FROM user4;

例3:GRANT権限のみを取り消す

-- ユーザー user5 に対するすべての権限の GRANT 権限のみを取り消す

REVOKE GRANT OPTION FOR ALL PRIVILEGES ON * FROM user5;

-- ユーザー user6 に対するテーブル table3 の SELECT 権限の GRANT 権限のみを取り消す

REVOKE GRANT OPTION FOR SELECT ON table3 FROM user6;
  • GRANTコマンドと組み合わせて、権限の付与と取り消しを同時に実行することもできます。
  • SHOW GRANTSコマンドを使用して、ユーザーに付与されている権限を確認することができます。

注意




MariaDBにおける部分的な取り消しの他の方法

ロールを使用する

MariaDBでは、ロールを使用して、ユーザーに権限を割り当てることができます。ロールは、複数の権限をグループ化したものです。

部分的な取り消しを行うには、まず必要な権限を含むロールを作成します。その後、ユーザーにそのロールを割り当てます。

-- ロールを作成する

CREATE ROLE role1;

-- ロールに権限を付与する

GRANT SELECT, INSERT ON table1 TO role1;

-- ユーザーにロールを割り当てる

GRANT role1 TO user1;

-- ユーザーのロールから権限を取り消す

REVOKE SELECT ON table1 FROM role1;

ビューを使用する

ビューは、テーブルの仮想的なサブセットです。ビューを使用することで、ユーザーに特定の列や行に対するアクセスのみを許可することができます。

-- ビューを作成する

CREATE VIEW view1 AS
SELECT name, age FROM users;

-- ユーザーにビューに対する権限を付与する

GRANT SELECT ON view1 TO user1;

トリガーを使用する

トリガーは、特定のイベントが発生したときに実行されるデータベースオブジェクトです。トリガーを使用して、ユーザーが特定の操作を実行しようとしたときに、その操作を制限することができます。

-- トリガーを作成する

CREATE TRIGGER trigger1 BEFORE INSERT ON table1
FOR EACH ROW
BEGIN
  IF NEW.age < 18 THEN
    SIGNAL SQLSTATE '45000'
      SET MESSAGE_TEXT = '年齢が18歳未満のユーザーは登録できません';
  END IF;
END;

MariaDBにおける部分的な取り消しには、いくつかの方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、状況に合わせて適切な方法を選択する必要があります。


mariadb


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