Natural JoinとInner Join: データベース操作の効率化と可読性を高めるためのヒント

2024-07-27

SQLにおけるNatural JoinとInner Joinの比較

SQLにおけるNatural JoinとInner Joinは、複数のテーブルを結合する際に使用される重要な操作です。どちらも共通の列に基づいてテーブルを結合しますが、いくつかの重要な違いがあります。

Natural Join

Natural Joinは、共通の列名とデータ型を持つすべての列に基づいて2つのテーブルを結合する操作です。つまり、結合条件を明示的に指定する必要がなく、より簡潔な記述が可能となります。

SELECT *
FROM table1
NATURAL JOIN table2;

上記の例では、table1table2のすべての共通列に基づいて結合が行われます。

Inner Join

Inner Joinは、明示的に指定された列に基づいて2つのテーブルを結合する操作です。Natural Joinとは異なり、結合条件を明確に定義する必要があります。

SELECT *
FROM table1
INNER JOIN table2
ON table1.column1 = table2.column2;

上記の例では、table1column1table2column2が一致する行のみが結合されます。

項目Natural JoinInner Join
結合条件共通の列名とデータ型明示的に指定
結合結果共通列は1つにまとめられるすべての共通列が表示される
冗長性少ない多い
読みやすさ簡潔詳細
用途共通列が少なく、結合条件が単純な場合共通列が複数ある場合、または複雑な結合条件が必要な場合

Natural JoinとInner Joinは、それぞれ異なる特性を持つ結合操作です。状況に応じて適切な操作を選択することが重要です。

  • Natural Joinは、すべての共通列に基づいて結合するため、列名が異なる場合やデータ型が異なる場合は結合できません。
  • Inner Joinは、明示的に指定された列に基づいて結合するため、列名やデータ型が異なる場合でも結合できます。
  • Natural Joinは、冗長性が少ないという利点がありますが、読みやすさが犠牲になる場合もあります。
  • Inner Joinは、冗長性が多いという欠点がありますが、読みやすさが向上し、複雑な結合条件にも対応できます。



テーブル定義

CREATE TABLE customers (
  customer_id INT PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  email VARCHAR(255)
);

CREATE TABLE orders (
  order_id INT PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL,
  order_date DATE NOT NULL,
  total_amount DECIMAL(10,2) NOT NULL,
  FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);

データ挿入

INSERT INTO customers (customer_id, name, email)
VALUES
  (1, 'John Doe', '[email protected]'),
  (2, 'Jane Doe', '[email protected]'),
  (3, 'Peter Jones', '[email protected]');

INSERT INTO orders (order_id, customer_id, order_date, total_amount)
VALUES
  (1, 1, '2023-10-05', 150.00),
  (2, 2, '2023-11-10', 225.00),
  (3, 1, '2023-12-15', 300.00),
  (4, 3, '2024-01-01', 100.00);
SELECT *
FROM customers
NATURAL JOIN orders;

結果

customer_id | name       | email        | order_id | order_date | total_amount
-----------+------------+--------------+---------+------------+-------------
1          | John Doe  | [email protected] | 1       | 2023-10-05 | 150.00
1          | John Doe  | [email protected] | 3       | 2023-12-15 | 300.00
2          | Jane Doe  | [email protected] | 2       | 2023-11-10 | 225.00
SELECT *
FROM customers
INNER JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;
customer_id | name       | email        | order_id | order_date | total_amount
-----------+------------+--------------+---------+------------+-------------
1          | John Doe  | [email protected] | 1       | 2023-10-05 | 150.00
1          | John Doe  | [email protected] | 3       | 2023-12-15 | 300.00
2          | Jane Doe  | [email protected] | 2       | 2023-11-10 | 225.00
3          | Peter Jones | [email protected] | 4       | 2024-01-01 | 100.00

説明

上記の例では、customersテーブルとordersテーブルに共通のcustomer_id列があります。

  • Natural Joinでは、共通列名を指定する必要がなく、より簡潔に記述できます。しかし、orders.customer_idという列名が重複して出力されるため、冗長性が増します。
  • Inner Joinでは、結合条件を明示的に指定する必要がありますが、出力結果がわかりやすく、冗長性も低くなります。

どちらのJoin操作を使用するかは、状況に応じて判断する必要があります。

  • 本例では、customer_id列が主キーと外部キーとして定義されています。これは、Natural JoinとInner Joinが適切に機能するための要件ではありませんが、多くの場合で適切な設計と言えます。
  • 結合するテーブルの列名が大文字小文字の違いだけで一致しない場合は、LOWER()関数などを利用して一致させる必要があります。



  • 左側のテーブルのすべての行と、右側のテーブルに一致する行を結合します。
  • 右側のテーブルに一致する行がない場合、NULL値で補完されます。
  • 左側のテーブルのすべてのデータを取得したい場合に適しています。
SELECT *
FROM customers
LEFT JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;

RIGHT JOIN

SELECT *
FROM customers
RIGHT JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;

FULL OUTER JOIN

SELECT *
FROM customers
FULL OUTER JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;

CROSS JOIN

  • 結合条件は考慮されません。
  • 両方のテーブルのすべてのデータを組み合わせた結果を取得できます。
SELECT *
FROM customers
CROSS JOIN orders;

UNION JOIN

  • 2つのSELECTクエリ結果を結合します。
  • 結合列は同じである必要があります。
  • 重複する行は削除されます。
  • 異なるテーブルから取得したデータを統合したい場合に適しています。
SELECT *
FROM customers

UNION ALL

SELECT *
FROM orders;
  • 上記以外にも、様々な種類の結合方法があります。
  • 結合方法を選択する際には、取得したいデータの内容と、テーブル間の関係性を考慮する必要があります。
  • 結合操作は、クエリの性能に大きな影響を与える可能性があります。適切な結合方法を選択することで、クエリのパフォーマンスを向上させることができます。

sql join natural-join



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