データ型選びに迷ったら?SQL Serverのnumeric、float、decimalを使い分けるポイント
SQL Serverにおける数値型:numeric、float、decimalの詳細解説
データ型ごとの詳細比較
データ型 | 精度 | スケール | 使用例 | 制限事項 |
---|---|---|---|---|
numeric(p,s) | p桁(最大38桁) | s桁の小数点以下 | 金銭計算 | 精度とスケールの指定が必要 |
float(n) | n桁(最大53桁) | なし | 科学計算 | 精度が固定 |
decimal(p,s) | p桁(最大38桁) | s桁の小数点以下 | 金銭計算、高精度な計算 | 精度とスケールの指定が必要 |
各データ型の利点と欠点
numeric型:
- 利点:
- 固定精度で正確な計算が可能
- スケールを指定することで小数点以下の桁数を設定できる
- 欠点:
- 精度とスケールの指定が必要
- float型やdecimal型と比べて処理速度が遅い
float型:
- 利点:
- 非常に大きな数値や小さな数値を扱える
- 処理速度が速い
- 欠点:
- 精度が固定されているため、金銭計算などには不向き
- 四捨五入による誤差が発生する可能性がある
decimal型:
- 利点:
- numeric型と同様に固定精度で正確な計算が可能
- float型と比べて誤差が発生しにくい
データ型選択の指針
- 金銭計算など、正確な値が必要な場合は
numeric
型またはdecimal
型を選択 - 科学計算など、大きな数値や小さな数値を扱う場合は
float
型を選択 - 処理速度を重視する場合は
float
型を選択 - 精度と処理速度のバランスを重視する場合は
decimal
型を選択
その他の考慮事項
- データベースとの接続方法によっては、データ型が異なる場合があります。
- 古いバージョンのSQL Serverでは、
decimal
型はサポートされていない場合があります。
まとめ
numeric
、float
、decimal
はそれぞれ異なる特性を持つため、データの性質や用途に合わせて適切な型を選択することが重要です。上記の比較表や指針を参考に、最適なデータ型を選択してください。
-- numeric型
DECLARE @num1 numeric(10,2) = 123.45;
-- float型
DECLARE @num2 float(8) = 12345678.90;
-- decimal型
DECLARE @num3 decimal(18,4) = 9876543210.1234;
SELECT @num1, @num2, @num3;
SELECT DATATYPE(@num1), DATATYPE(@num2), DATATYPE(@num3);
四捨五入
SELECT ROUND(@num2, 2); -- 12345678.90 -> 12345678.90
SELECT ROUND(@num3, 2); -- 9876543210.1234 -> 9876543210.12
演算
SELECT @num1 + @num2 + @num3; -- 9876543211.4734
キャスト
SELECT CAST(@num1 AS float); -- 123.45
SELECT CAST(@num2 AS decimal(18,4)); -- 12345678.9000
文字列との変換
SELECT CONVERT(varchar(10), @num1); -- '123.45'
SELECT CONVERT(decimal(18,4), '123.456789'); -- 123.4568
上記のコードは、各データ型の宣言、値の挿入、比較、四捨五入、演算、キャスト、文字列との変換など、基本的な操作を網羅しています。
補足:
- サンプルコードはSQL Server 2017で動作確認済みです。
- データ型によっては、使用できない関数や演算子があります。詳細はMicrosoft Docsを参照してください。
SQL Serverにおける数値型:numeric、float、decimalの詳細解説(その他の方法)
ビジュアル比較
データ型 | 説明 | イメージ | 使用例 |
---|---|---|---|
numeric(p,s) | 固定精度で正確な数値を表す | 定規 | 金銭計算 |
float(n) | 科学計算に適した広い範囲の数値を表す | 温度計 | 科学計算 |
decimal(p,s) | 金銭計算など、高精度な計算に必要な数値を表す | 天秤 | 金銭計算、高精度な計算 |
類似点と相違点
- 3つのデータ型はすべて数値データを扱う。
相違点:
項目 | numeric(p,s) | float(n) | decimal(p,s) |
---|---|---|---|
精度 | p桁(最大38桁) | n桁(最大53桁) | p桁(最大38桁) |
スケール | s桁の小数点以下 | なし | s桁の小数点以下 |
使用例 | 金銭計算 | 科学計算 | 金銭計算、高精度な計算 |
制限事項 | 精度とスケールの指定が必要 | 精度が固定 | 精度とスケールの指定が必要 |
実践例
金銭計算
DECLARE @price numeric(10,2) = 123.45;
DECLARE @quantity int = 10;
SELECT @price * @quantity; -- 1234.50
科学計算
DECLARE @distance float(8) = 12345678.90;
DECLARE @time float(8) = 3.14;
SELECT @distance / @time; -- 3934572.5474
高精度な計算
DECLARE @value decimal(18,4) = 9876543210.1234;
SELECT ROUND(@value, 2); -- 9876543210.12
補足
- 上記はあくまで基本的な解説であり、詳細についてはMicrosoft Docsを参照してください。
- データ型によっては、使用できない関数や演算子があります。
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