データ型選びに迷ったら?SQL Serverのnumeric、float、decimalを使い分けるポイント

2024-04-02

SQL Serverにおける数値型:numeric、float、decimalの詳細解説

データ型ごとの詳細比較

データ型精度スケール使用例制限事項
numeric(p,s)p桁(最大38桁)s桁の小数点以下金銭計算精度とスケールの指定が必要
float(n)n桁(最大53桁)なし科学計算精度が固定
decimal(p,s)p桁(最大38桁)s桁の小数点以下金銭計算、高精度な計算精度とスケールの指定が必要

各データ型の利点と欠点

numeric型:

  • 利点:
    • 固定精度で正確な計算が可能
    • スケールを指定することで小数点以下の桁数を設定できる
  • 欠点:
    • 精度とスケールの指定が必要
    • float型やdecimal型と比べて処理速度が遅い

float型:

  • 利点:
    • 非常に大きな数値や小さな数値を扱える
    • 処理速度が速い
  • 欠点:
    • 精度が固定されているため、金銭計算などには不向き
    • 四捨五入による誤差が発生する可能性がある

decimal型:

  • 利点:
    • numeric型と同様に固定精度で正確な計算が可能
    • float型と比べて誤差が発生しにくい

データ型選択の指針

  • 金銭計算など、正確な値が必要な場合はnumeric型またはdecimal型を選択
  • 科学計算など、大きな数値や小さな数値を扱う場合はfloat型を選択
  • 処理速度を重視する場合はfloat型を選択
  • 精度と処理速度のバランスを重視する場合はdecimal型を選択

その他の考慮事項

  • データベースとの接続方法によっては、データ型が異なる場合があります。
  • 古いバージョンのSQL Serverでは、decimal型はサポートされていない場合があります。

まとめ

numericfloatdecimalはそれぞれ異なる特性を持つため、データの性質や用途に合わせて適切な型を選択することが重要です。上記の比較表や指針を参考に、最適なデータ型を選択してください。




-- numeric型
DECLARE @num1 numeric(10,2) = 123.45;

-- float型
DECLARE @num2 float(8) = 12345678.90;

-- decimal型
DECLARE @num3 decimal(18,4) = 9876543210.1234;
SELECT @num1, @num2, @num3;

SELECT DATATYPE(@num1), DATATYPE(@num2), DATATYPE(@num3);

四捨五入

SELECT ROUND(@num2, 2); -- 12345678.90 -> 12345678.90

SELECT ROUND(@num3, 2); -- 9876543210.1234 -> 9876543210.12

演算

SELECT @num1 + @num2 + @num3; -- 9876543211.4734

キャスト

SELECT CAST(@num1 AS float); -- 123.45

SELECT CAST(@num2 AS decimal(18,4)); -- 12345678.9000

文字列との変換

SELECT CONVERT(varchar(10), @num1); -- '123.45'

SELECT CONVERT(decimal(18,4), '123.456789'); -- 123.4568

上記のコードは、各データ型の宣言、値の挿入、比較、四捨五入、演算、キャスト、文字列との変換など、基本的な操作を網羅しています。

補足:

  • サンプルコードはSQL Server 2017で動作確認済みです。
  • データ型によっては、使用できない関数や演算子があります。詳細はMicrosoft Docsを参照してください。



SQL Serverにおける数値型:numeric、float、decimalの詳細解説(その他の方法)

ビジュアル比較

データ型説明イメージ使用例
numeric(p,s)固定精度で正確な数値を表す定規金銭計算
float(n)科学計算に適した広い範囲の数値を表す温度計科学計算
decimal(p,s)金銭計算など、高精度な計算に必要な数値を表す天秤金銭計算、高精度な計算

類似点と相違点

  • 3つのデータ型はすべて数値データを扱う。

相違点:

項目numeric(p,s)float(n)decimal(p,s)
精度p桁(最大38桁)n桁(最大53桁)p桁(最大38桁)
スケールs桁の小数点以下なしs桁の小数点以下
使用例金銭計算科学計算金銭計算、高精度な計算
制限事項精度とスケールの指定が必要精度が固定精度とスケールの指定が必要

実践例

金銭計算

DECLARE @price numeric(10,2) = 123.45;
DECLARE @quantity int = 10;

SELECT @price * @quantity; -- 1234.50

科学計算

DECLARE @distance float(8) = 12345678.90;
DECLARE @time float(8) = 3.14;

SELECT @distance / @time; -- 3934572.5474

高精度な計算

DECLARE @value decimal(18,4) = 9876543210.1234;

SELECT ROUND(@value, 2); -- 9876543210.12

補足

  • 上記はあくまで基本的な解説であり、詳細についてはMicrosoft Docsを参照してください。
  • データ型によっては、使用できない関数や演算子があります。

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