PostgreSQLにおける計算列(Computed / Calculated / Virtual / Derived / Generated Columns)
計算列の利点
計算列には、以下のような利点があります。
- データの冗長性を削減: 計算列を使用することで、重複するデータを保存する必要がなくなります。例えば、商品の割引率を計算列として定義することで、商品テーブルに割引率を個別に保存する必要がなくなります。
- クエリのパフォーマンスを向上: 計算列を使用することで、複雑な計算をクエリ内で実行する必要がなくなり、クエリのパフォーマンスを向上させることができます。
- コードの簡潔化: 計算列を使用することで、複雑なクエリを簡潔に記述することができます。
計算列の例
以下は、計算列の例です。
- 商品テーブルに、商品の価格と割引率の列があるとします。
- 商品の割引価格を計算列として定義することができます。
CREATE TABLE products (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL,
discount_rate DECIMAL(5,2) NOT NULL,
-- 計算列: 商品の割引価格
discount_price AS price * (1 - discount_rate)
);
この例では、discount_price
という計算列を定義しています。discount_price
列は、price
列とdiscount_rate
列の値に基づいて計算されます。
計算列の使用
計算列は、SELECTクエリで使用することができます。
SELECT id, name, price, discount_rate, discount_price
FROM products;
このクエリは、products
テーブルからすべての列の値を取得します。discount_price
列は、計算列として定義されていますが、他の列と同じように取得することができます。
計算列の制限
- 計算列は、主キーや一意キーとして使用することはできません。
- 計算列は、インデックスを作成するために使用することはできません。
- 計算列は、トリガー内で使用することはできません。
PostgreSQLにおける計算列は、データベース内のデータをより効率的に処理し、複雑なクエリを簡略化するために使用できる強力なツールです。計算列の利点と制限を理解し、適切に使用することで、データベースの開発効率を向上させることができます。
日本語版特有の改善点
- 日本語の読者に分かりやすいように、説明をより詳細にしました。
CREATE TABLE products (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL,
discount_rate DECIMAL(5,2) NOT NULL,
-- 計算列: 商品の割引価格
discount_price AS price * (1 - discount_rate)
);
計算列を使用したSELECTクエリ
SELECT id, name, price, discount_rate, discount_price
FROM products;
計算列を使用したUPDATEクエリ
UPDATE products
SET price = 100,
discount_rate = 0.5;
計算列を使用したWHERE句
SELECT id, name, price, discount_rate, discount_price
FROM products
WHERE discount_price > 50;
計算列を使用したORDER BY句
SELECT id, name, price, discount_rate, discount_price
FROM products
ORDER BY discount_price DESC;
SELECT product_category, AVG(discount_price)
FROM products
GROUP BY product_category;
計算列を使用したHAVING句
SELECT product_category, AVG(discount_price)
FROM products
GROUP BY product_category
HAVING AVG(discount_price) > 50;
計算列を使用したJOIN
SELECT p.id, p.name, p.price, p.discount_rate, p.discount_price,
o.order_date, o.quantity
FROM products p
INNER JOIN orders o ON p.id = o.product_id;
計算列の代替方法
ビュー
ビューは、仮想的なテーブルです。ビューは、1つ以上のテーブルの列に基づいて作成されます。ビューは、計算列と同様に、データを冗長化せずに複雑なクエリを簡略化するために使用できます。
CREATE VIEW product_prices AS
SELECT id, name, price, discount_rate, price * (1 - discount_rate) AS discount_price
FROM products;
この例では、product_prices
というビューを作成しています。product_prices
ビューは、products
テーブルのすべての列と、discount_price
という計算列を含んでいます。
トリガー
トリガーは、データベース内のデータが変更されたときに実行されるプログラムです。トリガーを使用して、計算列の値を更新することができます。
CREATE TRIGGER update_discount_price
BEFORE UPDATE ON products
FOR EACH ROW
BEGIN
NEW.discount_price = NEW.price * (1 - NEW.discount_rate);
END;
この例では、update_discount_price
というトリガーを作成しています。このトリガーは、products
テーブルのデータが更新される前に実行されます。トリガーは、discount_price
列の値を更新します。
ストアドプロシージャ
ストアドプロシージャは、データベース内に保存されたプログラムです。ストアドプロシージャを使用して、複雑な計算を実行することができます。
CREATE FUNCTION get_discount_price(product_id INTEGER) RETURNS DECIMAL(10,2)
AS
BEGIN
DECLARE price DECIMAL(10,2);
DECLARE discount_rate DECIMAL(5,2);
SELECT price, discount_rate
INTO price, discount_rate
FROM products
WHERE id = product_id;
RETURN price * (1 - discount_rate);
END;
この例では、get_discount_price
というストアドプロシージャを作成しています。このストアドプロシージャは、商品IDを受け取り、商品の割引価格を返します。
どの方法を使用するべきか
どの方法を使用するべきかは、要件によって異なります。
- 計算列は、単純な計算を実行する必要がある場合に適しています。
- ビューは、複雑なクエリを簡略化する必要がある場合に適しています。
- トリガーは、計算列の値を更新する必要がある場合に適しています。
- ストアドプロシージャは、複雑な計算を実行する必要がある場合に適しています。
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