PostgreSQLで「INSERT IGNORE」と「ON DUPLICATE KEY UPDATE」をエミュレートするその他の方法

2024-04-02

PostgreSQLは、INSERT IGNORE や ON DUPLICATE KEY UPDATE などの、他のデータベースで提供されている便利な機能をネイティブでサポートしていません。しかし、いくつかの方法でこれらの機能をエミュレートすることができます。

方法

INSERT ... ON CONFLICT DO NOTHING を使用する方法

この方法は、INSERT コマンドに ON CONFLICT DO NOTHING オプションを追加することで、重複する行の挿入を無視します。

INSERT INTO テーブル名 (列名, 列名, ...)
VALUES (値, 値, ...)
ON CONFLICT DO NOTHING;

例

INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]')
ON CONFLICT DO NOTHING;

この例では、users テーブルに John Doe という名前と [email protected] というメールアドレスを持つユーザーが存在する場合、何も起こりません。

UPSERT を使用する方法

UPSERT は、INSERT と UPDATE を組み合わせたような機能です。レコードが存在しない場合は挿入し、存在する場合は更新します。

INSERT INTO テーブル名 (列名, 列名, ...)
VALUES (値, 値, ...)
ON CONFLICT (キー列) DO UPDATE SET
  列名 = 値,
  列名 = 値,
  ...;

INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]')
ON CONFLICT (email) DO UPDATE SET
  name = 'John Doe';

この例では、users テーブルに [email protected] というメールアドレスを持つユーザーが存在する場合、そのユーザーの名前を John Doe に更新します。

MERGE を使用する方法

MERGE は、PostgreSQL 9.5以降で導入された機能です。INSERT、UPDATE、DELETE をまとめて実行することができます。

MERGE INTO テーブル名 AS t
USING (
  SELECT *
  FROM 他のテーブル名
) AS s
ON t.キー列 = s.キー列
WHEN MATCHED THEN
  UPDATE SET
    列名 = s.列名,
    列名 = s.列名,
    ...
WHEN NOT MATCHED THEN
  INSERT (列名, 列名, ...)
  VALUES (s.値, s.値, ...);

MERGE INTO users AS t
USING (
  SELECT *
  FROM tmp_users
) AS s
ON t.email = s.email
WHEN MATCHED THEN
  UPDATE SET
    name = s.name
WHEN NOT MATCHED THEN
  INSERT (name, email)
  VALUES (s.name, s.email);

この例では、tmp_users テーブルのデータを users テーブルにマージします。users テーブルに tmp_users テーブルと同じメールアドレスを持つユーザーが存在する場合は、そのユーザーの名前を更新します。存在しない場合は、新しいユーザーとして挿入します。

簡単な方法で重複する行の挿入を無視したい場合は、INSERT ... ON CONFLICT DO NOTHING を使用します。
重複する行を更新したい場合は、UPSERT または MERGE を使用します。
より複雑な処理を行いたい場合は、MERGE を使用します。

INSERT ... ON CONFLICT DO NOTHING を使用する方法

-- テーブルを作成
CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name TEXT,
  email TEXT UNIQUE
);

-- 重複する行を挿入
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]');

INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]');

-- 結果を確認
SELECT * FROM users;

-- 結果:

-- id | name | email
-- --- | --- | ---
-- 1 | John Doe | [email protected]

UPSERT を使用する方法

-- テーブルを作成
CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name TEXT,
  email TEXT UNIQUE
);

-- 重複する行を更新
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]')
ON CONFLICT (email) DO UPDATE SET
  name = 'John Doe';

-- 結果を確認
SELECT * FROM users;

-- 結果:

-- id | name | email
-- --- | --- | ---
-- 1 | John Doe | [email protected]

MERGE を使用する方法

-- テーブルを作成
CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name TEXT,
  email TEXT UNIQUE
);

-- 一時テーブルを作成
CREATE TEMPORARY TABLE tmp_users (
  name TEXT,
  email TEXT
);

-- 一時テーブルにデータ挿入
INSERT INTO tmp_users (name, email)
VALUES ('Jane Doe', '[email protected]');

-- MERGE を使用してデータをマージ
MERGE INTO users AS t
USING (
  SELECT *
  FROM tmp_users
) AS s
ON t.email = s.email
WHEN MATCHED THEN
  UPDATE SET
    name = s.name
WHEN NOT MATCHED THEN
  INSERT (name, email)
  VALUES (s.name, s.email);

-- 結果を確認
SELECT * FROM users;

-- 結果:

-- id | name | email
-- --- | --- | ---
-- 1 | John Doe | [email protected]
-- 2 | Jane Doe | [email protected]

PostgreSQLで "INSERT IGNORE" と "ON DUPLICATE KEY UPDATE" をエミュレートするその他の方法

EXCLUDED を使用する方法

EXCLUDED は、INSERT コマンドが重複する行を挿入しようとしたときに、挿入されなかった行のデータを取得できる特別なテーブルです。

-- テーブルを作成
CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name TEXT,
  email TEXT UNIQUE
);

-- 重複する行を挿入
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]')
ON CONFLICT (email) DO NOTHING;

-- EXCLUDED テーブルを使用して、挿入されなかった行のデータを取得
SELECT * FROM EXCLUDED;

-- 結果:

-- name | email
-- --- | ---
-- John Doe | [email protected]

この方法では、EXCLUDED テーブルを使用して、挿入されなかった行のデータを取得することができます。

トリガーを使用する方法

トリガーは、データベース内の特定のイベントが発生したときに実行される特別なコードです。

-- トリガーを作成
CREATE TRIGGER ログ重複行
BEFORE INSERT ON users
FOR EACH ROW
WHEN (EXISTS (
  SELECT 1
  FROM users
  WHERE email = NEW.email
))
BEGIN
  INSERT INTO ログ (name, email)
  VALUES (NEW.name, NEW.email);
END;

-- 重複する行を挿入
INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]');

-- ログテーブルを確認
SELECT * FROM ログ;

-- 結果:

-- name | email
-- --- | ---
-- John Doe | [email protected]

この方法では、トリガーを使用して、重複する行が挿入されたときにログに記録することができます。

PL/pgSQL 関数を使用する方法

PL/pgSQL は、PostgreSQL で使用できる手続き型言語です。

-- PL/pgSQL 関数を作成
CREATE FUNCTION 挿入重複行(name TEXT, email TEXT) RETURNS VOID AS $$
BEGIN
  IF EXISTS (
    SELECT 1
    FROM users
    WHERE email = $2
  ) THEN
    -- 重複行を処理
  ELSE
    -- 新しい行を挿入
  END IF;
END; $$ LANGUAGE plpgsql;

-- PL/pgSQL 関数を呼び出す
SELECT 挿入重複行('John Doe', '[email protected]');

この方法では、PL/pgSQL 関数を使用して、重複する行を処理することができます。

重複する行のデータを取得したい場合は、EXCLUDED を使用します。
重複する行を処理したい場合は、トリガーまたは PL/pgSQL 関数を使用します。

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