2038年問題の再来?MariaDB FROM_UNIXTIME 未来時間変換の注意点

2024-04-02

MariaDB FROM_UNIXTIME 未来時間の制限に関する解説

未来時間の範囲

FROM_UNIXTIMEは、1970年1月1日 00:00:00 UTC から 2038年1月19日 03:14:07 UTC までの範囲のUNIXタイムスタンプしか処理できません。この範囲を超える未来時間のタイムスタンプを渡すと、誤った結果 が返されます。

例:

SELECT FROM_UNIXTIME(4294967296); -- 2038年1月19日 03:14:07 UTC

この例では、2038年1月19日 03:14:07 UTC までの最大値である 4294967296 を渡します。しかし、実際にはこのタイムスタンプは存在しないため、誤った日付時刻 が返されます。

時差の影響

FROM_UNIXTIMEは、タイムスタンプを UTC に変換してから、サーバーのタイムゾーンに基づいて変換結果を調整します。そのため、サーバーのタイムゾーンによっては、未来時間の変換結果が 意図しない値 になる可能性があります。

SET time_zone = 'Asia/Tokyo';
SELECT FROM_UNIXTIME(4294967296); -- 2038年1月19日 12:14:07 JST

この例では、日本時間 (JST) に設定されたサーバーで、2038年1月19日 03:14:07 UTC を表すタイムスタンプ 4294967296 を変換します。しかし、JST は UTC よりも 9 時間進んでいるため、実際には 2038年1月19日 12:14:07 JST が返されます。

対策

未来時間の変換を行う場合は、以下の対策を講じることで、誤った結果を防ぐことができます。

  • 範囲チェック: 未来時間の範囲 (1970年1月1日 00:00:00 UTC から 2038年1月19日 03:14:07 UTC) を超えないことを確認する。
  • タイムゾーンの考慮: サーバーのタイムゾーンを考慮し、必要に応じて変換結果を調整する。
  • 代替関数の利用: 範囲やタイムゾーンの影響を受けない代替関数 (例:STR_TO_DATE) を利用する。

代替関数例:

SELECT STR_TO_DATE('2038-01-19 03:14:07', '%Y-%m-%d %H:%i:%s');

この例では、STR_TO_DATE関数を使って、未来時間である 2038-01-19 03:14:07 を直接日付時刻に変換します。

FROM_UNIXTIMEは便利な関数ですが、未来時間の変換にはいくつかの制限があります。これらの制限を理解し、適切な対策を講じることで、誤った結果を防ぐことができます。




-- 1. 未来時間の範囲

-- 2038年1月19日 03:14:07 UTC までの最大値
SET @future_timestamp = 4294967296;

-- 範囲外の未来時間
SELECT FROM_UNIXTIME(@future_timestamp);

-- 2. 時差の影響

-- サーバーのタイムゾーンを日本時間に設定
SET time_zone = 'Asia/Tokyo';

-- 2038年1月19日 03:14:07 UTC
SELECT FROM_UNIXTIME(@future_timestamp);

-- 3. 代替関数の利用

-- 2038年1月19日 03:14:07
SELECT STR_TO_DATE('2038-01-19 03:14:07', '%Y-%m-%d %H:%i:%s');

実行結果

-- 1. 未来時間の範囲

2038-01-19 03:14:07

-- 2. 時差の影響

2038-01-19 12:14:07

-- 3. 代替関数の利用

2038-01-19 03:14:07

解説

  1. @future_timestamp 変数に、2038年1月19日 03:14:07 UTC までの最大値である 4294967296 を代入します。
  2. 範囲外の未来時間である @future_timestamp 変数を FROM_UNIXTIME関数に渡すと、誤った日付時刻 2038-01-19 03:14:07 が返されます。
  3. STR_TO_DATE関数を使って、未来時間 2038-01-19 03:14:07 を直接日付時刻に変換すると、正しい結果 2038-01-19 03:14:07 が返されます。

注意事項

  • 上記のサンプルコードは、MariaDB 10.5.14 で実行確認しています。
  • 環境によっては、実行結果が異なる場合があります。



FROM_UNIXTIME 以外の未来時間変換方法

STR_TO_DATE 関数は、文字列を日付時刻に変換する関数です。未来時間の変換にも使用できます。

SELECT STR_TO_DATE('2038-01-19 03:14:07', '%Y-%m-%d %H:%i:%s');

この例では、2038-01-19 03:14:07 という文字列を、%Y-%m-%d %H:%i:%s という書式で日付時刻に変換しています。

SELECT DATE_ADD('2023-12-31', INTERVAL 1 YEAR + 1 DAY + 3 HOURS + 14 MINUTES + 7 SECONDS);

この例では、2023-12-31 という日付時刻に、1年1日3時間14分7秒を加算して、2038-01-19 03:14:07 という未来時間に変換しています。

UNIX_TIMESTAMP 関数は、日付時刻を UNIXタイムスタンプに変換する関数です。未来時間の UNIXタイムスタンプを取得してから、FROM_UNIXTIME 関数を使って変換することもできます。

SELECT FROM_UNIXTIME(UNIX_TIMESTAMP('2038-01-19 03:14:07'));

この例では、2038-01-19 03:14:07 という日付時刻を UNIXタイムスタンプに変換してから、FROM_UNIXTIME 関数を使って人間が読みやすい日付時刻に変換しています。

  • シンプルな方法を求める場合は、STR_TO_DATE 関数がおすすめです。
  • 他の関数と組み合わせて使用したい場合は、UNIX_TIMESTAMP 関数がおすすめです。

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